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あらすじ・解説

【アリとキリギリス】イソップ物語・アリとキリギリスのあらすじ内容・結末から教訓・原作についても解説!おすすめ絵本も紹介

アリとキリギリス

【イソップ物語・アリとキリギリス】

あまりにも有名なこの話の原作の日本語訳は、たった300文字足らずの短い、とてもシンプルな話です。

それもそのはず、【イソップ物語・アリとキリギリス】は、古代ギリシャ時代の奴隷による「語り」がもとになっているからです。

奴隷であったイソップが生涯で語ったとされる童話は300を超えます。

有名な話には【アリとキリギリス】のほかにも「北風と太陽」や「ウサギと亀」があります。

「ウサギと亀」って日本昔ばなしではなかったんですね……。

イソップの話を全く聞いたことがなく、その内容を知らずに育った人は、いないのではないでしょうか?

今からさかのぼること2500年以上前に奴隷がつくった話が、長い時を超え現在の私たちに色々なことを考えさせてくれます。

誰もが知っているおはなしと内容、意外な作者、教訓と新解釈など、【イソップ物語・アリとキリギリス】を様々な角度から見ていきましょう。

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イソップ物語【アリとキリギリス】の登場人物をご紹介

アリとキリギリス

【イソップ物語・アリとキリギリス】の登場人物をご紹介します。

アリ:真面目で働きもの。食べ物がなくなる冬に備えて夏の間から食べ物をせっせと貯蓄します。
キリギリス:バイオリンと歌が得意。楽しいことが大好きで楽観的です。
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イソップ物語【アリとキリギリス】のあらすじと内容

ある夏の日、キリギリスは得意なバイオリンを弾き、歌を歌って楽しく過ごしていました。

そこへ通りがかったのは、食べ物をせっせと運ぶアリたちの行列。

不思議に思ったキリギリスはアリたちに尋ねます。

「何をしているの?」

するとアリたちはこう答えます。

「食べ物がなくなってしまう冬のために、食べ物を集めているのだよ」

それを聞いたキリギリスは笑います。

「まだ夏なのに!夏の間は楽しく歌って過ごせばいいのに」

キリギリスはそれからもバイオリンを弾き、歌って過ごし、アリたちは食料を集め続けました。

やがて秋が来て、だんだん森の虫たちも減って寂しくなりましたが、キリギリスはまだ歌っていました。

冬になり、食べ物がなくて困ったキリギリスは、暖かそうな家を見つけます。

それは夏の日に笑っていた、食糧を運んでいたアリたちの家でした。

イソップ物語【アリとキリギリス】の結末は?

瘦せ細って、お腹をすかせたキリギリスは、アリに食べ物を分けてほしいと頼みます。

でも、アリたちは「夏の間、歌っていたなら、冬は踊って過ごしたら?」とキリギリスに言いました。

というのが原作。

キリギリスはお腹を空かせたまま、凍えて死んでしまいます。

それではあまりにも残酷だということで、アリがキリギリスを助けるアレンジをした物語が主流になりました。

キリギリスはアリに感謝し、真面目に働くことの大切さを知ります。

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イソップ物語【アリとキリギリス】の意味・教訓、伝えたいことは?

アリとキリギリス

一番の教訓としては、真面目に働くことの大切さでしょう。

食料が豊富にある夏のうちから、厳しい冬に備えた準備をしていたアリは、冬になるとあたたかい家の中で、食べることにも困らず、快適な生活を送ります。

一方、後先考えず楽しいことだけをしていたキリギリスは、冬には家も食べるものもなくなってしまいます。

その対比から、将来のことを考えて、努力することの大切さを伝えています。

また、アリがキリギリスを助ける結末の話では

「どうぞ、食べてください。その代わりキリギリスさんのバイオリンを聴かせてください。」

とアリが言い、キリギリスは涙を流して感謝し、翌年からは真面目に働くようになります。

そのことから、困った人を助けるやさしい人になるべきであり、そのやさしさが相手を変えることもあるというメッセージが受け取れます。

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イソップ物語【アリとキリギリス】の原作・初版、国や時代についても解説

アリとキリギリス

作者のイソップことアイソーポスは紀元前619年生まれの古代ギリシアの寓話作家で、奴隷だったと伝えられています。

アイソーポスの英語読みのイソップ、イソップ寓話として日本では有名ですね。

奴隷だったイソップは、語りがとても上手だったために、解放されました。

その後、寓話の語り手として各地を巡りましたが、その人気を妬まれデルポイの市民に殺されました。

せっかく自由の身になれたのに、ひどい話ですね。

イソップが生涯で語ったとされる話は300を超え、その中のひとつが【アリとキリギリス】です。

元は【アリとキリギリス】ではなく「アリとセミ」でした。

ヨーロッパ北部ではセミは馴染みがない昆虫なため、その地方で語り継がれる途中で【アリとキリギリス】になったようです。

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イソップ物語【アリとキリギリス】にまつわる都市伝説や疑問について考察

アリとキリギリス

イソップ物語【アリとキリギリス】の疑問!「アリはいつ遊ぶのか」問題⁈

古代ギリシャ時代から語り継がれ、真面目に働くことの大切さを伝えるこの有名な【イソップ物語・アリとキリギリス】には、さまざまな新解釈や疑問が存在します。

その一つは「アリはいつ遊ぶのか?」というもの。

いくつかある【イソップ物語・アリとキリギリス】の一つの結末に、キリギリスがアリにこう言うものがあります。

「もう歌うべき歌はすべて歌った。君は僕の亡骸を食べて生き延びればいいよ。」

多少の負け惜しみ感はあるものの、音楽を愛するものとして、潔い言葉だと思いませんか?

冬の備えをせずに死んでしまうキリギリスは、一見不幸なようでそうではなく、陽気に歌って夏を過ごすことこそが、キリギリスにとっての幸せであり、人生で一番大切なことだったという考え方です。

それに対してアリはどうだったのでしょうか?

確かに夏のたくわえによって、冬の間は食べ物に困らなかったアリですが、また春になれば、冬のために働き始めるわけです。

アリはいつ遊ぶのでしょうか?

アリはそれで幸せなのでしょうか?

それは、現在の日本の社会にも通ずる問題のような気がします。

コツコツ勉強をして、良い大学を出ればエリートになれる、と言われていた時代は終わりつつあります。

世の中には、さまざまな価値観や働き方があり、貯蓄の多さが幸せの尺度にならないことはもちろん、自分の好きなことを極めて大きな成功をおさめる人もたくさんいます。

努力をすることは尊く、立派ですが、それだけでは幸せとは言えません。

自分のやりたいことをとことんやることも、また尊く、立派なのです。

古代ギリシャのイソップが考えた【イソップ物語・アリとキリギリス】は長い時を超えて、人生や幸せについて、私たちに疑問を投げかけてきます。

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イソップ物語【アリとキリギリス】のおすすめ絵本を紹介

アリとキリギリス

【イソップ物語・アリとキリギリス】の絵本をご紹介します。

『イソップえほん・アリとキリギリス』

アリとキリギリス

画像引用:Amazon.co.jp

作者:蜂飼 耳(文)/かわかみ たかこ(絵)
出版社:岩崎書店
発行日:2017年3月8日
値段:1200円+税
対象年齢:幼児から

『イソップえほん・アリとキリギリス』のおすすめポイント

クレパスと水彩絵の具で細やかに描かれた絵本です。

「アリさんは心配のしすぎですよ。ほら、こんなに明るい夏の太陽を楽しんだらいいのに。好きなことをして過ごさないなんて。」

「素敵な音色ですね。いつまでも聴いていたいとは思うけど、私は仕事の続きに取り掛かりますよ。」

キリギリスやアリのセリフも丁寧で、礼儀正しいのが印象的です。

冬になって食べ物がなく困ったキリギリスが訪ねてくると、アリはきちんと真面目に働くことの大切さをキリギリスに教え、キリギリスはアリに謝り反省します。

「こうしてアリとキリギリスは冬の間仲良く暮らしました」というハッピーエンドは、子どもたちにまっすぐに届き、素直で優しい心を育みます。

『アリとキリギリス』

アリとキリギリス

画像引用:Amazon.co.jp

作者:すまいるママ
出版社:ヴィレッジブックス
発行日:2007年7月
値段:950円+税
対象年齢:幼児から

『アリとキリギリス』おすすめポイント

「ステッチスト・すまいるママ」の絵本。

布やフェルト、色とりどりのビーズを使って作られた、やわらかくあたたかい絵本です。

画面いっぱいに、丁寧に作りこまれた色鮮やかな森の風景が広がり、さまざまな昆虫がいきいきと活動しています。

アリの巣の中の描かれ方もとても素敵。

大家族のアリたちが、美味しそうなご飯を食べ、幸せに生活しています。

すみずみまでよく見ると新たな発見があり、長く楽しめる絵本です。

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イソップ物語【アリとキリギリス】のまとめ

アリとキリギリス

【イソップ物語・アリとキリギリス】いかがでしたか?

誰もが知っている有名なこの童話は、今から2500年以上前の古代ギリシャ、奴隷だったイソップによって語られた話でした。

長い時を超えて人々に勤勉に働くことの大切さや、弱者に思いやりを持つことの必要性を伝えてきたお話は、今、あらたな解釈や疑問を生みつつありました。

子どもたちはこれから、どんな時代を生きていくのでしょうか?

子どもも私たちも、アリのような勤勉さとキリギリスのような自由さをバランスよく身に着けて、幸せな人生をすごしていきたいものですね。

この記事を書いた人
writer_mametako

二十数年勤務実績ありの元保育士ライターまめたこです。
仕事をしながら育てた二男一女はもう大きくなってしまいました。
子どもたちと絵本を読んだ日々を懐かしく思い出しながら、記事を書いています。毎日忙しいパパママと子どもたちが、絵本を読んでゆっくりできる時間をもつサポートが出来たら、とても幸せです。

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