みなさんは甲斐信枝という作家をご存知でしょうか。
名前がわからなくても、絵本を見れば多くの人は見覚えがあるかもしれませんね。
甲斐信枝は広島県出身で現在は京都府にお住まいの91歳の絵本作家です。
主に自然の草花や生き物たちの姿を絵本にしています。
とても繊細で優しく、リアリティあふれるイラストが、私たち読み手をあたたかい気持ちにさせてくれます。
今回はそんな甲斐信枝の数ある絵本の中からおすすめ作品の年齢ごとに15冊紹介します。
それぞれあらすじやおすすめポイントもまとめていますので、併せてご覧ください。
お気に入りの絵本を見つけて、甲斐信枝の世界にどっぷり浸かってみてください。
甲斐信枝の絵本おすすめ人気作品【0・1・2歳児向け】
まだお話がわからない小さい子も、甲斐信枝の優しいタッチの絵本に夢中になるでしょう。
先生や両親の聴き慣れた声で読むことで、心が安定し、気持ちが落ち着きます。
絵本の時間が、子どもにとって心地良くて大好きな時間になるように、丁寧に読みましょう。
『ちょうちょはやくこないかな』
画像引用:福音館書店『ちょうちょはやくこないかな』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:1997年1月20日
値段:900円+税
対象年齢:2歳頃から
『ちょうちょはやくこないかな』のあらすじ
オオイヌノフグリは小さな花を咲かせます。
小さな花は蝶々を待っていましたが、ほかの花へ行くばかりでなかなか来てくれません。
果たして蝶々は止まってくれるのでしょうか。
『ちょうちょはやくこないかな』のおすすめポイント
オオイヌノフグリと蝶々の物語です。
花は蝶々に花粉を運んでもらいたくて待っています。
蝶々はおいしい蜜を吸いたくて花を探しています。
優しい絵とほのぼのしたストーリーに癒されます。
『ちいさなかえるくん』
画像引用:福音館書店『ちいさなかえるくん』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:2017年5月20日
値段:900円+税
対象年齢:3歳頃から
『ちいさなかえるくん』のあらすじ
ちいさなかえるくんはお腹が空いていました。
蝶々を捕まえようとしますが、逃げられてしまいます。
おいしそうな虫がいっぱい集まっているところを見つけますがクマバチが怖くて近づくことができません。
ちいさなかえるくんは無事食べ物を捕まえることができるのでしょうか。
『ちいさなかえるくん』のおすすめポイント
かえるが食べ物をたべる姿はあまり見たことがないですよね?
かえるがどのようにして食べ物を見つけるのか、どのようなものを食べているのかなど、かえるの生態をかわいらしいイラストで紹介しています。
今まで知らなかったかえるの姿が見られるかもしれません。
『きゃべつばたけのぴょこり』
画像引用:福音館書店『きゃべつばたけのぴょこり』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:2017年5月20日
値段:900円+税
対象年齢:3歳頃から
『きゃべつばたけのぴょこり』のあらすじ
きゃべつの葉っぱの裏側に何かがくっついています。
虫たちがつんつんとつつくとぴょこりと動きます。
雨が降ると虫たちは逃げていきますが、ぴょこりと動くものはそのまま葉っぱの裏にくっついて動きません。
『きゃべつばたけのぴょこり』のおすすめポイント
きゃべつ畑で見かけるさなぎの様子を描いた絵本です。
蝶となって飛び立つその時がくるまで、さなぎの中でじっくり過ごす様子と、不思議そうに集まる虫たちの姿がとてもかわいらしく美しく表現されています。
『のげしとおひさま』
画像引用:福音館書店『のげしとおひさま』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:2015年9月5日
値段:900円+税
対象年齢:3歳頃から
『のげしとおひさま』のあらすじ
道端に生えているのげしは、自分もほかの生き物みたいにどこかへ行けたら、と願っていました。
しかしのげしは生えているだけで移動することはできないのです。
おひさまはそんなのげしに、おひさまの光を吸い込めばどこかへ行けると励まします。
のげしは毎日花びらを広げておひさまのひかりを吸い込むのでした。
『のげしとおひさま』のおすすめポイント
たんぽぽに似たのげしの生態を学べる絵本です。
どこかへ行きたいと願うのげしにおひさまが優しく励ましている姿に元気をもらえます。
綿毛が風に乗って飛んでいく様子はとても美しいです。
春のあたたかさが感じられるお話です。
『たんぽぽ』
画像引用:金の星社『たんぽぽ』
出版社:金の星社
作:甲斐 信枝
発行日:1984年2月
値段:1300円+税
対象年齢:3歳頃から
『たんぽぽ』のあらすじ
道端に咲くたんぽぽの一生をドラマチックに描いたお話です。
たんぽぽの蕾が膨らみ、きれいな花を咲かせます。
そして綿毛になり、風に乗って飛んで見知らぬ地へ降り立ち、そこでまた花を咲かせるのです。
『たんぽぽ』のおすすめポイント
そこらじゅうに咲いているたんぽぽですが、たんぽぽの一生をじっくり観察することはあまりないのではないでしょうか?
何気なく見ているたんぽぽですが、たんぽぽだけにフォーカスしてみると、こんなにドラマチックだったのかと感動します。
甲斐信枝の絵本おすすめ人気作品【4・5・6歳児向け】
甲斐信枝の絵本は、まるで本物を見ているかのようなリアルな描写が特徴のひとつです。
普段なかなか触れ合うことができない草花や生き物の生態を学ぶことで、自然に対する興味・関心がどんどん湧いてきます。
絵本を読んだ後で実際に外へ出て、観察してみるのもいいかもしれませんね。
『つくし』
画像引用:福音館書店『つくし』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:1997年2月15日
値段:900円+税
対象年齢:4歳頃から
『つくし』のあらすじ
春になると顔を出すつくし。
てんぷらやたまごとじなどにしておいしく食べることができますよね。
つくしはどこに生えているのでしょうか。
つくしの知られざる生態がわかる不思議な絵本です。
『つくし』のおすすめポイント
春になると道端で見かけるつくしですが、つくしについて詳しく知っていますか?
実はつくしの根っこを掘るとずっとずっと奥まで伸びていることなんてほとんど知られていないのではないでしょうか。
そんなつくしの生態が学べるお話です。
子どもだけでなく大人も夢中になるでしょう。
『ざっそう』
画像引用:福音館書店『ざっそう』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:1976年4月1日
値段:900円+税
対象年齢:4歳頃から
『ざっそう』のあらすじ
春になると雑草がたくさん生えてきます。
雑草たちはそれぞれ場所の取り合いっこをしているのです。
仲間同士で集まって葉を広げています。
夏になると雑草たちはぐんぐん伸び、秋になると種子を残して枯れていきます。
『ざっそう』のおすすめポイント
道端で見かける雑草たちの一年を描いた絵本です。
邪魔者扱いされることが多い雑草ですが、雑草たちはそれぞれ生きていくために一生懸命なのだということが繊細な絵で描かれています。
雑草に対する見方が変わるかもしれません。
『たねがとぶ』
画像引用:福音館書店『たねがとぶ』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
監修:森田 竜義
発行日:1993年4月10日
値段:900円+税
対象年齢:4歳頃から
『たねがとぶ』のあらすじ
春、植物は花を咲かせたあとに実をつけます。
その実の中には種が入っています。
種はいろいろな方法で見知らぬ土地へ運ばれて新たな芽を出すのです。
そしてそこでまた花を咲かせ、実をつけ、種を作ります。
『たねがとぶ』のおすすめポイント
植物は種がどのようにして種を付けるのか、そしてその種をどのようにして遠くへ飛ばすのかがわかりやすく描かれています。
それぞれ子孫を残そうと工夫している様子が伺え、とても勉強になる一冊です。
『ふきのとう』
画像引用:福音館書店『ふきのとう』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
監修:森田 竜義
発行日:2000年2月1日
値段:900円+税
対象年齢:5歳頃から
『ふきのとう』のあらすじ
春の訪れを知らせるふきのとうは雪の下から顔を出します。
よく見ると、ふきの花は黄色と白に分かれていて、それぞれに役割があるのです。
『ふきのとう』のおすすめポイント
ふきのとうは天ぷらにして食べるとおいしおですよね。
でもふきのとうをじっくり観察したことはあまりないのではないでしょうか。
実は複雑な造りをしているふきのとうの生態を学びましょう。
おいしく食べているふきのとうの絵本は、子どもより大人の方がはまってしまうかもしれません。
『たけ』
画像引用:福音館書店『たけ』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:1984年2月25日
値段:900円+税
対象年齢:4歳頃から
『たけ』のあらすじ
春になって顔を出したたけのこは、一日に1メートル以上も成長します。
竹の家族は地下の茎同士繋がっています。
地下茎はどんどん伸び、また新しいたけのこが生まれます。
力強く生きるたけの生態を描いた物語です。
『たけ』のおすすめポイント
毎日通る道で見かける竹林でも春にたけのこが出てきます。
朝は少し顔を出すくらいだったのに帰りにはもうずっと伸びて驚くことがあります。
たけのこの力強い生命力の理由を学べます。
たけの不思議がたくさん詰まった一冊です。
甲斐信枝の絵本おすすめ人気作品【小学生以上向け】
甲斐信枝の絵本は、学校の授業などで自然について調べるときの材料にもうってつけです。
細かいところまでしっかり描かれた虫や植物は、まるで図鑑のようです。
植物と生き物がどのように共存しているのか、どんな影響を与え合っているのかを絵でありながらも鮮明に、わかりやすく描いています。
実際に虫や動物が苦手な人も、甲斐信枝の絵本ならじっくり読めてしまうから不思議です。
『雑草のくらし』
画像引用:福音館書店『雑草のくらし』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:1985年4月30日
値段:2300円+税
対象年齢:6歳頃から
『雑草のくらし』のあらすじ
雑草はどのようなくらしをしているのでしょうか。
空き地で力強く育つ雑草を5年にわたって観察した様子を描いた絵本です。
芽が出て、花を咲かせ、実がなり、枯れていく様子を美しい描写で表現されています。
知られていない雑草たちの生き様がドラマチックに描かれた絵本です。
『雑草のくらし』のおすすめポイント
普段は邪魔者扱いされている雑草が、晴れの日や雨の日、夏の暑さや冬の寒さを乗り越えながら懸命に生きる様子に感動します。
5年もの歳月をかけて観察してまとめた絵本なので説得力が違います。
たくましく生きる雑草に勇気をもらえます。
『きゃべつばたけのいちにち』
画像引用:福音館書店『きゃべつばたけのいちにち』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:1984年2月25日
値段:900円+税
対象年齢:4歳頃から
『きゃべつばたけのいちにち』のあらすじ
きゃべつ畑の1日が始まります。
きゃべつの葉っぱに卵を産みつける蝶々や葉っぱを食べるアオムシなど、さまざまな生き物が暮らしています。
朝、昼、夜とそれぞれの時間に見られる生き物の一生懸命に生きる姿を描いています。
『きゃべつばたけのいちにち』のおすすめポイント
きゃべつ畑でのさまざまな生き物たちの暮らしぶりが優しい絵で描かれています。
のんびり過ごしていたり、天敵に襲われそうになっていたりと同じきゃべつ畑の中でも時間帯や生き物によって全然違う生き方をしています。
まるで実際にきゃべつ畑に行って観察しているようなリアルな描写です。
『稲と日本人』
画像引用:福音館書店『稲と日本人』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
甲斐:佐藤 洋一郎
発行日:2015年9月5日
値段:2000円+税
対象年齢:小学校高学年頃から
『稲と日本人』のあらすじ
日本人になくてはならないお米。
二千数百年もの昔、日本に稲作が伝わりました。
日本人は森を切り開き山を削り、水を引いて水田を作ってきました。
そんな日本人と稲作の共に歩んだ長い歴史の物語です。
『稲と日本人』のおすすめポイント
身近なお米と日本人のつながりを学ぶことができる一冊です。
お米について知る機会はあっても、お米と日本人の関係について学ぶことは意外とないかもしれません。
子どもだけでなく大人も驚くことがたくさん描かれています。
お米がよりおいしく感じるようになりますよ。
『のえんどうと100人のこどもたち』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:1989年9月1日
値段:800円+税
対象年齢:5歳頃から
『のえんどうと100人のこどもたち』のあらすじ
丘の上に生えた1本ののえんどう。
春になって花を咲かせ、小さな100つぶののえんどうの子どもができました。
子どもたちは太陽の光りをたっぷり浴びて、さやの中でむくむく大きくなります。
やがて固くて茶色に姿を変え、夏になるとさやが弾け、のえんどうの子どもたちは新しい世界へ旅立って行くのです。
『のえんどうと100人のこどもたち』のおすすめポイント
のえんどうはからすのえんどうとも言われるマメ科の植物です。
のえんどうの子どもたちが大きく育って旅立つまでの様子を描いた絵本です。
普段なかなか見ることができない植物の生態を学ぶことができます。
『みのむし』
画像引用:福音館書店『みのむし』
出版社:福音館書店
作:甲斐 信枝
発行日:1979年2月1日
値段:900円+税
対象年齢:5歳頃から
『みのむし』のあらすじ
ちゃみのがの幼虫であるみのむしの生態をユニークに描いた絵本です。
蛾でありながら、メスは成虫になってもミノの中で一生を終えます。
どうしてこのような生き方をしているのか、みのむしの謎に迫ります。
『みのむし』のおすすめポイント
木の枝にぶらさがっているみのむしを見たことがありますか?
みのむしは虫としてどのように生きているのでしょうか。
その生態は意外と知られていませんよね。
子どもも大人も驚くみのむしの物語です。
甲斐信枝の絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?
実際に甲斐信枝も絵本を選ぶ際のポイントを3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
甲斐信枝の絵本の選び方① 身近な植物・生き物について描かれたもの
小さい子どもは、いつも散歩で通る道やよく遊ぶ公園などで見かける身近な植物について描かれた絵本を選ぶと良いでしょう。
普段からよくふれているものなのでより興味が持てます。
また、次に外で実際に同じ植物を見たときに、絵本で見たお花だと気がつくことで子ども自身が嬉しい気持ちになります。
そして外に出たときに積極的に自然にふれるようになるのです。
甲斐信枝の絵本の選び方② 気になる植物・生き物について描かれたもの
自分が見たことないものが描いてあると気になりますよね。
例えば、たんぽぽはよく道端に生えていて知っていますが、ひがんばなはそこらじゅうに生えているものではないですよね。
子どもは、見たことないものや知らないものを見つけると、知りたいという好奇心が湧いてくるものです。
甲斐信枝は自然に関するさまざまな絵本を描いているので、気になる絵本がきっと見つかるはずです。
甲斐信枝の絵本の選び方③ 子どもの性格や好みに合ったもの
子どもによって好みやそのときはまっているものなどがさまざまですよね。
虫が好きだったり、大きな花が好きだったり、小さい花が好きだったり、虫が苦手だったり。
子どもが夢中になれそうなジャンルのものを選ぶことで、子どもも嬉しいですし、より絵本が好きになります。
大人も一緒に読んで子どもが好きなものを共有することも、よりよい親子関係を築く上で大切です。
【甲斐信枝の絵本まとめ】たくさんの自然にふれよう
甲斐信枝の絵本の魅力が伝わりましたでしょうか。
普段なかなか出会うことのできない自然に間接的に触れることも大切です。
繊細でリアルな絵が、子どもだけでなく大人も夢中にさせてくれる理由のひとつなのでしょう。
甲斐信枝の絵本を読んで、実際に外へ出て自然を探しに行くのも、また楽しいかもしれませんね。
コメント