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あらすじ・解説

【ラプンツェル】グリム童話・ラプンツェルのあらすじ内容・結末から教訓、原作についても解説!おすすめ絵本も紹介

グリム童話ラプンツェル

グリム童話「ラプンツェル」は、有名なお話なだけに、内容をなんとなく知っている人は多いかもしれません。

ディズニーのアニメ映画『塔の上のラプンツェル』の原作でもありますが、映画とは少し違った物語なんですよ。

この記事では、グリム童話版ラプンツェルのあらすじや教訓、本当は怖い物語だったと噂される初版の内容についても紹介します。

実はラプンツェルは妊娠していた?!というエピソードについても考察。

ラプンツェルの生みの親である夫婦、育ての親の魔女、王子といった登場人物たちのイメージも変わってくるかもしれません。

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グリム童話・ラプンツェルの登場人物と名前

ラプンツェル登場人物

グリム童話・ラプンツェルの登場人物を紹介します。

ラプンツェルとは、サラダ菜によく似た野菜のことで、日本名はノヂシャです。

ラプンツェル:金色の美しく長い髪を持つ少女
魔女:ゴテル。魔法使いのおばあさん。初版では妖精。ラプンツェルの育ての親
夫婦:ラプンツェルの生みの親
王子:ラプンツェルが住んでいる国の王子
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グリム童話・ラプンツェルのあらすじ内容

ラプンツェルあらすじ

むかしむかし、子宝に恵まれなかった夫婦が、ようやく子どもを授かります。

妻が窓の外を眺めていると、魔女の庭においしそうなラプンツェルが。

彼女はそれを食べたくて仕方なくなり、ついに病気になってしまいます。

見かねた夫は、ラプンツェルを摘みに魔女の庭へ忍び込みます。

一度ラプンツェルを食べた妻は、そのおいしさを忘れられません。

夫が再び魔女の庭へ忍び込むと、そこには恐ろしい目で睨みつける魔女の姿が!

「どうか許してください。あなたさまのラプンツェルが食べたくて、妻が死にそうなのです」

許しを請う夫に魔女は言います。

「それなら、ここのラプンツェルを好きなだけ持っていくがいい。ただし、生まれてくる子は私がもらうよ。」

魔女は生まれた子を連れ去り、“ラプンツェル”と名付けます。

ラプンツェルは美しい少女に成長しますが、12歳になると高い塔に閉じ込められてしまいます。

塔に出入口はなく、天辺に小さな窓があるだけ。

「ラプンツェルや!ラプンツェルや!おまえの髪をさげておくれ!」

魔女の声が聞こえると、ラプンツェルは金色の長い髪を窓から垂らし、魔女はそれをつたって塔に登るのでした。

ある時、近くを通りがかった王子がラプンツェルの美しい歌声を耳にします。

その声に魅せられた王子は、何とかして塔に登りたいと考えます。

何度か通って魔女の姿を目撃した王子は、彼女のまねをして塔に登るのに成功。

王子とラプンツェルは出会い、恋に落ちます

二人は毎日会うようになりますが、ラプンツェルの不用意な一言で、王子の存在が魔女にばれてしまいます。

怒った魔女はラプンツェルの髪を切り落とし、彼女を砂漠に置き去りに。

「ラプンツェルは砂漠に沈めてやったから、もう会うことはできないよ」

そう告げられた王子は、ショックのあまり塔から飛び降りて、両目を失明してしまいます。

ラプンツェルを探して森の中をさまよう王子…

数年後、砂漠にたどり着いた王子は聞き覚えのある歌声を耳にします。

ようやく二人は再会できたのです。

泣いて喜ぶラプンツェルの涙が王子の目に入ると、王子の目は再び見えるように

二人は一緒に城に帰り、いつまでも幸せに暮らしました。

グリム童話・ラプンツェルの最後の結末は?

魔女の逆鱗に触れたことで、ラプンツェルは砂漠に捨てられ、王子は失明して森の中をさまよいます。

しかし、数年後に二人は砂漠で再会し、ラプンツェルの涙が王子の目を癒します。

グリム童話・ラプンツェルは、版によって微妙に内容が違いますが、ハッピーエンドなのは変わりません。

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グリム童話・ラプンツェルの意味・教訓、伝えたいこととは?

ラプンツェル教訓

グリム童話・ラプンツェルには、完全な善人や悪人は登場しません。

それぞれの人物の欲や愛が生々しく描かれ、不当な行為には代償が伴うということを伝えています。

人のものを欲しがる妻と、妻への愛ゆえに魔女の庭に忍び込んで盗みを働く夫。

そのことが原因で、夫婦は長年待ち望んだ子どもを失います。

また、魔女は、美しいラプンツェルを独占したいがために、彼女を塔に閉じ込めます。

しかし、世間知らずな少女に育てたことがあだとなり、結局魔女はラプンツェルに裏切られます。

王子にのぼせあがったラプンツェルは、不用意な一言で魔女を怒らせ捨てられるはめに。

魔女の目を盗んで塔に忍び込んだ王子は、その魔女によってラプンツェルを奪われ、ショックで塔から飛び降りて失明してしまいます。

食欲、夫婦愛、親子愛、独占欲、愛欲など、さまざまな欲と愛に翻弄される登場人物たち。

しかし、自身の行いが原因で不幸になったとしても、困難を乗り越えて再び幸せを手にすることは可能だと、物語の結末は伝えます。

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グリム童話・ラプンツェルの原作・初版は?作者、国や時代についても解説

ラプンツェルの原作

ヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟は、言語学者であり、人間の個性や感情を重視するドイツロマン主義の作家としても知られています。

グリム兄弟が口伝えの昔話を集めてまとめた『子どもと家庭の昔話集』は、1812年にドイツで第1巻が出版されました。

この本がグリム童話集として世界中で親しまれているものの始まりです。

『子どもと家庭の昔話集』は版を重ねるごとに改訂され、1857年に出された第7版が決定版と呼ばれて世界中で翻訳されています。

「ラプンツェル」は、同本の1巻12番に収められているお話です。

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グリム童話・ラプンツェルにまつわる都市伝説や疑問について考察

ラプンツェル都市伝説

ここでは、グリム童話・ラプンツェルにまつわる謎や疑問を考察します。

①グリム童話・ラプンツェルの初版は内容が違う?!

グリム童話は、改訂を重ねるたびに少しずつ語り口が変わっています。

初版と、私たちが目にする機会の多い第7版との一番大きな違いは、王子の存在が魔女にばれるきっかけとなったラプンツェルの一言でしょう。

「おばあさん、どうしてあなたは塔に登るのにそんなに時間がかかるの?あの方ならすぐにここまでいらっしゃるのに」

と、ラプンツェルは口をすべらますが、この部分が初版では

「おばあさん、わたしの服がとてもきゅうくつになって着られないの。どうしたのかしら」

となっています。

これは、ラプンチェルが妊娠していることを暗示しています。

その後、ラプンツェルは怒った魔女によって荒れ野に放り出され、男女の双子を産んだと初版には記載されています。

②グリム童話・ラプンツェルは実は怖い話?!

塔に閉じ込めて大切に育てたはずのラプンツェルが知らないうちに妊娠していたなんて、育ての親である魔女にとって、そんな怖い話はほかにないのでは。

また、妊娠が何たるかもわからない状態で荒れ野に放り出され、つらい暮らしの中で双子を出産することになるラプンツェルの境遇も悲惨です。

ほかにも、絶望して塔から身を投げ失明する王子など、童話としては刺激の強すぎるエピソードが続きます。

グリム童話は、版を重ねるごとにマイルドな描写に変わっていきますが、初版には生々しくてちょっぴり怖いお話が掲載されています。

③グリム童話・ラプンツェルに出てくる魔女は悪者?!

最終的にラプンツェルにひどい仕打ちをする魔女は、意地悪でごう慢なキャラクターとして描かれることが多いです。

でも、もしかしたら魔女なりに、長年ラプンツェルを大切に育ててきたのかもしれません。

魔女の独占欲や過保護が、ラプンツェルを無知で世間知らずのまま成長させるのですが…

しかし、魔女以外の登場人物たちも、決して善人とは言えません。

他人の庭に生えている野菜欲しさに子どもを手放す夫婦や、与えられる衣食住を当たり前に思い、魔女をぞんざいに扱うラプンツェル。

人の家に勝手に忍び込み、ラプンツェルの心を奪った王子などをみていると、魔女だけが悪者とは言い切れないような気がしてきます。

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グリム童話・ラプンツェルのおすすめ絵本を紹介

ラプンツェル絵本

グリム童話のラプンツェルを読んでみたくなった人にぴったりの絵本を紹介します。

絵本なら、挿絵が豊富でお話もソフトなものが多いので、子どもと一緒に楽しめますよ。

初めて読む人には原作に近い内容の絵本を、すでに原作を知っている人には新解釈の作品もおすすめです。

『ラプンツェル』

ラプンツェルBL出版

出典:BL出版

原作:グリム
文・絵:バーナデット・ワッツ
訳:福本 友美子
出版社:BL出版
発行日:‎2006/6/1
値段:1,600円+税
対象年齢:5、6歳から

『ラプンツェル』のおすすめポイント

優しく繊細な絵が魅力的な絵本。

原作に近いお話ですが、怖さはなく、ほのぼのとした雰囲気で展開していきます。

日本語のリズムもよく、読み聞かせにもぴったりなので、初めてグリム童話に触れる子どもにおすすめです。

バーナデット・ワッツが描く『ラプンツェル』には、1985年に岩波書店から出版されているものなど、違ったバージョンもあります。

絵の雰囲気も違うので、比較して読んでみるのもいいかもしれませんよ。

『ラプンツェル』

 

ラプンツェル サラ・ギブ

出典:rakuten.co.jp

原作:グリム
絵:サラ・ギブ
訳:角野 栄子
出版社:文化出版局
発行日:2012年12月9日
値段:1,300円+税
対象年齢:小学生から

『ラプンツェル』のおすすめポイント

美しいプリンセスとハンサムな王子を期待する人には、優美でロマンティックな挿絵のこちらの絵本がおすすめです。

原作に近いお話ですが、子どもも大人も楽しめる内容になっています。

『魔女の宅急便』で有名な角野栄子の翻訳も魅力的です。

『ラプンツェル あたらしい かみながひめの おはなし』

ラプンツェル あたらしい かみながひめの おはなし

出典:amazon.co.jp

作:ベサン・ウルヴィン
訳:関根 麻里
出版社:文化出版局
発行日:2020/12/7
値段:1,600円+税
対象年齢:幼児から

『ラプンツェル あたらしい かみながひめの おはなし』のおすすめポイント

インパクトのあるイラストと、ちょっぴりブラックで大胆な解釈が特徴の絵本。

こちらに登場するラプンツェルは、魔女の脅しにも全く動じません。

見つからないように塔を抜け出し、森で出会った仲間たちと一緒に魔女と対峙する計画を立てます。

従来のプリンセス像とは違うラプンツェルを楽しみたい人におすすめです。

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グリム童話・ラプンツェルのまとめ

ラプンツェルまとめ

グリム童話・ラプンツェルはいかがでしたか?

記憶の中にあったラプンツェルのイメージとは、少し違ったお話だったのではないでしょうか。

グリム童話では、少し残酷な人間の欲や愛なども生々しく描かれています。

原作を知ったうえで映画をみたり、違った解釈の絵本を手に取ったりすれば、より深く物語を楽しめるかもしれませんね。

この記事を書いた人
yuko168

教育学部出身ですが教育的な絵本はちょっぴり苦手。寺村輝夫、かこさとしの本で育ち、ユーモア溢れる作品が好みです。大人になってからは『100万回生きたねこ』『星の王子さま』が大好きに。読むたびに泣けます。

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