37歳の若さで夭折した童話作家・詩人の宮沢賢治。
岩手県の豊かな自然の中で、自身の理想郷・イーハトーブを胸に、素晴らしい作品を数多く生み出しました。
透明感あふれる美しい童話の数々は多くの人々から愛され続けています。
この記事では、宮沢賢治絵本の幼児から小学生までの人気おすすめ作品をご紹介します。
幼い子どもには難解とされてきた賢治作品ですが、NHK番組『にほんごであそぼ』で数多く取り上げられすっかりなじみ深いものとなりました。
『どっどど どどうど』『クラムボン』『雨ニモマケズ』などは子どもたちの間でも大人気です。
また、ミキハウスからは幼児向けに絵本化した賢治作品が30冊以上のシリーズで出版され人気を博しています。
子どもには子供ならではの、大人には大人ならではの楽しみ方ができるのも賢治作品の良いところです。
どうぞ親子で一緒に読んで、感想を語り合ってみてください。
宮沢賢治の絵本おすすめ人気作品【5、6歳児向け】
子どもの心を大切に描かれている宮沢賢治作品。
少し難しく思えても、本当に良いものは幼い子どもの胸にも届きます。ぜひ読んであげてくださいね。
『「ミキハウスの宮沢賢治絵本」シリーズ』

出典:amazon.co.jp
作:宮沢賢治
出版社:三起商行(ミキハウス)
発行日:1987年11月1日より
価格:1,500円+税
対象年齢:6歳から
『「ミキハウスの宮沢賢治絵本」シリーズ』のあらすじ
『注文の多い料理店』『雪渡り』『水仙月の四日』からはじまり、最新刊『おきなぐさ』まで32冊の宮沢賢治シリーズを刊行。
『「ミキハウスの宮沢賢治絵本」シリーズ』のおすすめポイント
「子どもも大人も」をキーワードに、子供服ブランドのミキハウスが30冊を超える宮沢賢治作品を絵本にしました。
作品ごとにスズキコージ、田島征二、荒井良二ら第一線の絵本作家が挿絵を担当。
個々の作風を楽しみながら、宮沢賢治作品と新たに出会うことができます。
雨ニモマケズ (ミキハウスの宮沢賢治絵本) [ 柚木沙弥郎 ]
『やまなし』

出典:amazon.co.jp
作:宮沢 賢治
絵:小林 敏也
出版社:好学社
発行日:2013年10月15日
価格:1,700円+税
対象年齢:5歳くらいから
『やまなし』のあらすじ
二匹の蟹の子供らが、川の底で話しています。
「クラムボンはわらったよ。」
「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」
『やまなし』のおすすめポイント
幻想的で独特な世界観を味わえる名作に、小林敏也が繊細なスクラッチ画法の絵で新たな命を吹き込みました。
「クラムボン」「かぷかぷ」などの未知なる音も楽しんでくださいね。
文体が美しく平易なことから、国語の教科書などでも用いられています。
『雨ニモマケズ』

出典:amazon.co.jp
作:宮沢 賢治
絵:小林 敏也
出版社:好学社
発行日:1991年6月1日
価格:1,700円+税
対象年齢:5歳くらいから
『雨ニモマケズ』のあらすじ
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノアツサニモマケズ」
宮沢賢治の美しい魂の言葉です。
『雨ニモマケズ』のおすすめポイント
有名なフレーズで始まる、心を強く揺さぶる宮沢賢治の詩です。
幻想的な童話を数多く描いてきた賢治が、現実的な世界での堅実で温かな理想を歌い上げます。
一節ごとにつけられた小林敏也による迫力ある版画が、新たな世界観をより楽しませてくれる一作です。
宮沢賢治の絵本おすすめ人気作品【小学生以上向け】
賢治は小学生くらいの少年がファンタジーを旅する美しい物語をたくさん書いています。
主人公たちと同じ年代の子どもにぜひ読んでほしいものばかりです。
そのほかにも、おもしろいもの、悲しさをかみしめるもの、怒りに身を任せる恐ろしさがわかるものなど、様々なテーマでの名作をご紹介します。
『どんぐりと山猫』

出典:amazon.co.jp
作:宮沢 賢治
絵:佐藤 国男
出版社:子どもの未来社
発行日:2010年2月10日
価格:1,600円+税
対象年齢:小学中学年
『どんぐりと山猫』のあらすじ
ある土曜の夕方に、一郎のもとに変なハガキが届きます。
「あした、めんどうなさいばんしますからおいでんなさい」
山猫に連れられて、一郎はどんぐりたちの裁判に向かいます。
『どんぐりと山猫』のおすすめポイント
小さなどんぐりたちがわいわい騒ぐ様子、またそれを見て困り果てている山猫の姿がなんともユーモラス。
どのどんぐりが一番えらいかについて、一郎が下した見事な判決もユーモアたっぷりです。
佐藤国男の美しく力強い版画が、賢治の温かな視線で描かれた上質な物語を映し出します。
『雪渡り』

出典:amazon.co.jp
作:宮沢 賢治
絵:たかし たかこ
出版社:偕成社
発行日:1990年7月1日
価格:1,600円+税
対象年齢:小学中級から
『雪渡り』のあらすじ
堅雪かんこ、凍み雪しんこ。
四郎とかん子の兄妹は、雪沓をはいて野原で出かけます。
『雪渡り』のおすすめポイント
小さな兄妹が狐に幻燈に誘われ、夢のような交流を果たす幻想童話。
静かな感動をもたしてくれる美しい物語に、賢治に心酔する画家・たかしたかこが繊細な挿絵をつけました。
有名なキックキックトントンの歌など、賢治のリズミカルで楽しい作品は朗読によって魅力が倍増します。
ぜひお子さんに読んであげてくださいね。
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『双子の星』

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作:宮沢 賢治
絵:遠山 繁年
出版社:偕成社
発行日:1987年11月1日
価格:1,800円+税
対象年齢:小学中級から
『双子の星』のあらすじ
天の川に住む青星のチュンセ童子とポウセ童子。
ふたりのまっすぐな心は、ひねくれているものを改心させ、愛を心にともします。
『双子の星』のおすすめポイント
「あかいめだまのさそり ひろげた鷲のつばさ」という有名な星めぐりの歌を楽しめる名作です。
ひたむきな童子の愛らしさに、心があたたかくなります。
遠山繁年による情熱的な絵が物語の魅力をさらに高めています。
『セロ弾きのゴーシュ』

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作:宮沢 賢治
絵:赤羽 末吉
出版社:偕成社
発行日:1998年12月10日
価格:2,000円+税
対象年齢:小学中級から
『セロ弾きのゴーシュ』のあらすじ
セロがうまく弾けず、楽団のお荷物のゴーシュ。
夜、自分の部屋で懸命に練習するゴーシュのもとに、毎晩いろいろな動物たちが現れるようになり……。
『セロ弾きのゴーシュ』のおすすめポイント
一生懸命に毎夜セロの練習をするひたむきなゴーシュと、かわいい動物たちとのユーモラスな交流が魅力的な物語。
ラストでのゴーシュの成長ぶりに思わず目が潤みます。
『スーホの白い馬』で知られる赤羽末吉が豊かな情感あふれる絵で作品を彩ります。
セロ弾きのゴーシュ 宮沢賢治童話集 (偕成社文庫) [ 宮沢賢治 ]
セロ弾きのゴーシュ―宮沢賢治童話集 (偕成社文庫 2019)
『注文の多い料理店』

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作:宮沢 賢治
絵:和田 誠
出版社:岩崎出版
発行日:2004年11月5日
価格:1,000円+税
対象年齢:小学生以上
『注文の多い料理店』のあらすじ
2人の紳士が山に猟に行き、西洋料理店「山猫軒」をみつけました。
「どなたもお入りください」と書かれた扉を開けて入ると、また扉があり、そこにも文字があって……。
『注文の多い料理店』のおすすめポイント
賢治作品の中でも人気の高い、ブラックなユーモアに満ちたおもしろい名作。
開けても開けても現れる扉とメッセージ。ドキドキしながらページをめくるのがとても楽しい作品です。
イラストレーターの和田誠が、個性的な挿絵で新たな世界を生み出しています。
『銀河鉄道の夜』

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作:宮沢 賢治
絵:藤城 清治
出版社:講談社
発行日:1982年12月17日
価格:1,900円+税
対象年齢:小学生以上
『銀河鉄道の夜』のあらすじ
銀河鉄道の旅に出た孤独な少年ジョバンニと友人のカムパネルラ。
ふたりはさまざまな地を訪れ……。
『銀河鉄道の夜』のおすすめポイント
宮沢賢治童話の代表作。かなしみに満ちながらも、透明で美しい物語です。
賢治の死生観が強くあらわされており、「ほんとうのさいわいはなんだろう」という深い問いに心が揺さぶられます。
藤城清治の影絵が、幻想的な世界をさらに味わい深く映し出します。
『よだかの星』

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作:宮沢 賢治
絵:中村 道雄
出版社:偕成社
発行日:1987年12月1日
価格:1,400円+税
対象年齢:小学中級から
『よだかの星』のあらすじ
よだかはみにくい鳥でした。
ほかの鳥たちはその姿を嫌い、悪口を浴びせます。
鷹はよだかという名を嫌がり、名前を変えなければ殺すとよだかを脅します。
悲しんだよだかは、ひとり空に向かって飛び続け……。
『よだかの星』のおすすめポイント
姿や名前を責められ絶望しながらも、自分もまた羽虫を食べてねば生きられない業深い生き物のひとりだと悟るよだか。
必死で力を振り絞って高みへと飛び続けるよだかの姿は、悲しさの向こうに命の輝きをみせてくれます。
中村道雄による、板材を絵として組み込んだ組木絵の迫力にも圧倒される一冊です。
『グスコーブドリの伝記』

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作:宮沢 賢治
文・絵:司 修
出版社:ポプラ社
発行日:2012年7月1日
価格:1,300円+税
対象年齢:小学校低学年から
『グスコーブドリの伝記』のあらすじ
イーハトーブの森の木こりの家で、両親と妹と暮らす少年グスコーブドリ。
しかし、異常気象で飢饉が起こって家族はいなくなり、見知らぬ男に家を乗っ取られ働かされます。
やがて、グスコーブドリは、火山局で気候をコントロールする研究をするようになり……。
『グスコーブドリの伝記』のおすすめポイント
宮沢賢治の短編を司修が易しく直し、青一色の幻想的な絵で彩りました。
厳しい自然の中、飢饉に向き合うグスコーブドリに賢治の姿が重なります。
生きるために戦うことの大切さが、ひしひしと伝わってくる名作です。
『なめとこ山のくま』

出典:amazon.co.jp
作:宮沢 賢治
絵:高田 勲
出版社:にっけん教育出版社
発行日:2005年10月1日
価格:1,300円+税
対象年齢:小学生以上
『なめとこ山のくま』のあらすじ
熊とり名人の小十郎という男がいました。
家族を養うためにいやいや猟をしていた小十郎は、ある日なめとこ山の熊と出会います。
熊はあと二年待ってほしい、そうしたら二年目に小十郎の家の前でちゃんと死ぬからと言い……。
『なめとこ山のくま』のおすすめポイント
生計をたてるために辛い思いをしながら熊たちを撃ってきた小十郎と、小十郎を倒して「お前を殺すつもりじゃなかった」と言う熊。
宿命のふたりの間に芽生えた奇妙な友情が、一筋縄ではいかない生きることの複雑さを教えてくれます。
『オツベルと象』

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作:宮沢 賢治
絵:遠山 繁年
出版社:偕成社
発行日:1997年9月1日
価格:1,800円+税
対象年齢:小学校中級から
『オツベルと象』のあらすじ
地主のオツベルのもとにふらりと白象がやってきました。
オツベルは象に仕事を与え、象は喜んで働くようになります。
ところが、オツベルの象への仕打ちは日ごとに酷いものになっていき……。
『オツベルと象』のおすすめポイント
初めのうちは楽しんで仕事をしていた白象が、オツベルのひどい仕打ちに苦しみ、ついに仲間に助けを求めます。
喜びの時も、苦しみの時も、象が唱える「サンタマリア」という印象的な言葉。
象の無垢な信仰心には、賢治の思いがこめられています。
『土神と狐』

出典:amazon.co.jp
作:宮沢 賢治
絵:中村 道雄
出版社:偕成社
発行日:1994年12月1日
価格:1,600円+税
対象年齢:小学中級から
『土神と狐』のあらすじ
粗野で乱暴な土神は、一本の奇麗な女の樺の木に思いを寄せていました。
ところが、口のうまい狐が樺の木と仲良くするのをみて嫉妬した土神は、怒り狂って狐に襲いかかり……。
『土神と狐』のおすすめポイント
激情にとりつかれて一気に悲劇へと突き進む土神の姿を描く賢治の異色作です。
土神の不器用で切ない樺への愛情。狐への嫉妬と憎しみに転じてしまう悲しさが、読む者の胸に突き刺さります。
賢治作品を多く手がける中村道雄の見事な組み木絵もみごたえたっぷりです。
『画本 風の又三郎』

出典:amazon.co.jp
作:宮沢 賢治
影絵:藤城 清治
出版社:講談社
発行日:2013年1月23日
価格:2,250円+税
対象年齢:小学上級から
『画本 風の又三郎』のあらすじ
ある小さな小学校にひとりの少年が転校してきます。
彼にひかれてゆく学校の子どもたち。
少年のまわりには、いつも不思議な風が巻き起こっていて…。
『画本 風の又三郎』のおすすめポイント
「どっどどどどうど どどうど どどう」
NHKの子ども向け番組でおなじみになった、賢治らしい風の擬音で始まる名作です。
ほんの一時期だけをともに過ごした風の又三郎と子どもたちの輝く日々。
賢治作品をライフワークとする藤城清治が、素晴らしい影絵を生き生きと描いています。
宮沢賢治の絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?

透明な心で人の哀しさと美しさを描き切った宮沢賢治。
数々の名作の選び方についてご紹介します。
宮沢賢治の絵本の選び方①子どもが主人公の作品を選ぶ
温かな視線で子どもを描いた童話作家の宮沢賢治。
代表作『銀河鉄道の夜』のジョバンニとカムパネルラをはじめ、『どんぐりと山猫』『風の又三郎』など、少年を主人公にした名作がたくさんあります。
純粋な心で幻想世界を旅する少年たちに心を預けて楽しんでください。
宮沢賢治の絵本の選び方②動物が登場する作品を選ぶ
子どもと同じくらい、賢治は動物にも深い愛情をもって描いています。
心温まる動物たちとの交流を描く『セロ弾きのゴーシュ』や、悲しみに覆われた美しい物語『よだかの星』など、その内容は様々。
どの作品も、読む者の心を強く揺さぶる名作ばかりです。
宮沢賢治の絵本の選び方③オノマトペを楽しめる作品を選ぶ
賢治作品の大きな特徴に、オノマトペ(擬音・擬態語)が多く用いられていることがあります。
かぷかぷ、ぐんにゃり、ごとんごとんなど、賢治ならではの音を使った作品はとても楽しく、深く心に残ります。
【宮沢賢治の絵本まとめ】心にいつもイーハトーブを求めて

いつも理想郷・イーハトーブを大切に心に思っていた宮沢賢治。
賢治作品から、私たちもまたイーハトーブを追い求めずにはいられないひとりなのだと気づかされます。
美しい心で生きる難しさとともに、追い求めることの大切さを賢治は教えてくれます。
藤城清治はじめ、宮沢賢治に傾倒する大勢の画家たちが挿絵を手がけており、様々な世界を味わえるのも賢治作品ならでは。
どうぞ、色々な絵本を手にとって、広がり続ける賢治の世界を楽しんでください。

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