酒井駒子の描く絵の世界は、とても印象的です。
一度彼女の作品を見れば、他の作品を見ても「あ、酒井駒子のだ!」と気づくほど。
今回は酒井駒子のおすすめ人気作品を15作品一覧で紹介します。
小さな子どものためのファンタジー絵本『よるくま』や、まばたきをする一瞬の間を切り取って描いた『まばたき』。
柔らかく深い色味で描かれた絵本は、日本のみならず世界中で人気があります。
酒井駒子の絵本で、優しい世界に浸ってみましょう。
酒井駒子の絵本おすすめ人気作品【0、1、2歳児向け】
この年頃の子どもが持つ、体の丸いフォルムとまだ薄い髪。
子どもとの毎日の光景が、まるでそのまま絵本の中に閉じ込められたよう。
まずは、0歳から2歳の子どもにおすすめの絵本を紹介します。
『こりゃ まてまて』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:中脇初枝(文)、酒井駒子(絵)
出版社:福音館書店
発行日:2008年5月
値段:800円+税
対象年齢:0〜1歳
『こりゃ まてまて』のあらすじ
散歩に出かけたちいさな子ども。
チョウやハトやねこを見つけては、「こりゃ まてまて」と追いかけます。
『こりゃ まてまて』のおすすめポイント
「まてまて」と追いかける子どもの愛らしい声まで、聞こえてきそうな絵本。
まだ歩き始めたばかりぐらいなのでしょうか、生えそろっていない髪が風に揺れて、気持ちよさそうです。
『ロンパーちゃんとふうせん』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:酒井駒子
出版社:白泉社
発行日:2003年3月
値段:1,200円+税
対象年齢:0〜2歳
『ロンパーちゃんとふうせん』のあらすじ
お母さんとお買い物にでかけたロンパーちゃんは、お店で黄色いふうせんをもらいました。
飛んでいかないように、しっかりと人差し指に括ってもらったので、おうちまでは一安心。
『ロンパーちゃんとふうせん』のおすすめポイント
風船の黄色、チョウの黄色、お月様の黄色。
黄色をとても鮮やかに描いている1冊。
ロンパーちゃんが風船をとても大切に思い、笑ったり泣いたりする表情が、とても愛しくなる絵本です。
『くさはら』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:加藤幸子(文)、酒井駒子(絵)
出版社:福音館書店
発行日:2011年10月
値段:900円+税
対象年齢:2〜4歳
『くさはら』のあらすじ
お母さんのおでかけをした、ゆうちゃん。
ちょうちょを見つけると、そのまま追いかけ草原の中へ。
気づいた時には、高い草に囲まれてひとりぼっち。
『くさはら』のおすすめポイント
ちょうちょを追いかける楽しさから一転、誰も見えなくて不安なゆうちゃん。
自分よりも高い背丈の草も、草の香りも、風の音も、全てにじわじわと怖さが生まれます。
小さい子どもの視点にたった、可愛らしい絵本です。
酒井駒子の絵本おすすめ人気作品【3、4歳児向け】
泣いたり怒ったり、不満に思ったり、不安になったり。
言葉もよく出てきて、感情を伝えるのが上手になってくる年頃。
次は3、4歳児におすすめの絵本です。
『よるくま』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:酒井駒子
出版社:偕成社
発行日:1999年11月
値段:1,000円+税
対象年齢:3〜4歳
『よるくま』のあらすじ
ベッドに入った男の子は、昨夜の訪問者の話をお母さんに話します。
夜みたいに真っ黒で、胸のおつきさまが光っている、「よるくま」。
「よるくま」のお母さんを探す、2人の夜の冒険です。
『よるくま』のおすすめポイント
男の子が話す「よるくま」との話を優しく聞くお母さん。
男の子が「よるくま」のお母さんのあたたかさや柔らかさを話すと、男の子のお母さんとリンクするよう。
男の子の想像力とお母さんの優しさがあふれる絵本です。
『ヨクネルとひな』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:LEE(文)、酒井駒子(絵)
出版社:ブロンズ新社
発行日:2015年11月
値段:1,500円+税
対象年齢:3〜6歳
『ヨクネルとひな』のあらすじ
ある日、ひなちゃんのおうちに、やせっぽっちのこねこがやってきます。
野良猫のおかあさんが、「よろしくおねがいします」という風にないたので、ひなちゃんのおかあさんがおうちに入れたのです。
『ヨクネルとひな』のおすすめポイント
猫を飼うならペットショップの可愛いこがいい、と言っていたひなちゃん。
絵本の最初の方では、なかなかの不機嫌顔です。
それが、子猫のお世話をしていくうちに、優しい顔になっていく変化が楽しめます。
『はんなちゃんがめをさましたら』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:酒井駒子
出版社:偕成社
発行日:2012年11月
値段:1,200円+税
対象年齢:3〜4歳
『はんなちゃんがめをさましたら』のあらすじ
夜中に目をさましてしまった、はんなちゃん。
おねえさんを見るとぐっすり寝ています。
そこで、猫のチロと一緒に、真夜中の特別な時間を楽しみます。
『はんなちゃんがめをさましたら』のおすすめポイント
小さな女の子の真夜中のちょっとした冒険。
階段をおりて、トイレに行って、冷蔵庫のさくらんぼを食べて。
はんなちゃんと猫のチロだけの、静かな優しい時間が流れている絵本です。
『ビロードのうさぎ』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:マージェリィ・W. ビアンコ(文)、酒井駒子(絵)
出版社:ブロンズ新社
発行日:2007年4月
値段:1,500円+税
対象年齢:3〜6歳
『ビロードのうさぎ』のあらすじ
男の子が持っている汚れたうさぎのおもちゃは、もともとはとても立派なビロードのうさぎでした。
自分が本物のうさぎだと思っていたビロードのうさぎは、本物のうさぎではなかったと知って悲しみます。
そこへ、男の子が病気の療養に家をでるという話を聞いて……?!
『ビロードのうさぎ』のおすすめポイント
最初は本物のおもちゃに、その後は本物のうさぎになりたかったうさぎの話。
世界中で読まれてる『ビロードのうさぎ』の物語に、酒井駒子が絵をつけ、素敵な絵本になりました。
『なきむしこぞう』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:今村葦子(文)、酒井駒子(絵)
出版社:理論社
発行日:2016年6月
値段:1,500円+税
対象年齢:3〜5歳
『なきむしこぞう』のあらすじ
ぬいぐるみのぞうときりんとライオンは、家出をしました。
持ち主の男の子が、あんまりひどい扱いをするので、もといた動物園の売店に帰るつもりです。
そこへ、屋根裏ねずみがやってきて、男の子がぬいぐるみを泣きながら探し回っていると言いました。
『なきむしこぞう』のおすすめポイント
この先もこんなひどい扱いが続くのはいやだと家出したぬいぐるみたち。
でも、男の子が泣き探し回り、「帰ってきてー!」と叫んでいるのを見てしまうと、男の子との思い出が溢れてしまうのです。
男の子とぬいぐるみたちの話の結末に、ハラハラする絵本です。
酒井駒子の絵本おすすめ人気作品【5、6歳児向け】
思ったことをすぐに口にするのではなく、自分の中で考えてから発言したり、ぐっと言うのを我慢したり。
ちょっぴり思考も複雑になってくる時期ですね。
ここからは5、6歳児におすすめの絵本を紹介します。
『きつねのかみさま』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:あまんきみこ(文)、酒井駒子(絵)
出版社:ポプラ社
発行日:2003年12月
値段:1,100円+税
対象年齢:5〜6歳
『きつねのかみさま』のあらすじ
りえちゃんは弟と一緒に、公園に置き忘れたなわとびを取りに戻りました。
木にひっかけておいたはずなのに、なくたっていると不思議に思ったその時、風にのって子どもたちの楽しそうな笑い声が聞こえてきました。
『きつねのかみさま』のおすすめポイント
きつねたちが遊んでいたなわとびの持ち手に、“りえ”と名前があったので、自分のモノだと安心したりえちゃん。
でも、「きつねのりえちゃん」が神様からもらったなわとびだと話すので、りえちゃんは「きつねのりえちゃん」に譲ってあげるのです。
りえちゃんの感情の動きが、酒井駒子の優しい絵で表現されています。
『ぼく おかあさんのこと…』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:酒井駒子
出版社:文溪堂
発行日:2000年5月
値段:1,500円+税
対象年齢:5〜6歳
『ぼく おかあさんのこと…』のあらすじ
小さなうさぎの男の子が、寝ているお母さんを見ながら、不満をあげつらいます。
ドラマばかりみてアニメを見せてくれない、早くしなさいっていうに自分はおしゃべりに夢中で「ぼく」を待たせる。
なにより、「ぼく」が大きくなっても、「ぼく」とは結婚できないって!!
『ぼく おかあさんのこと…』のおすすめポイント
男の子がもっている不満、耳が痛い方が多いかもしれませんね。
「おかあさんのこと、きらい!」と言って扉をバタンと閉めて、行ってしまった男の子。
しばらくすると、僕とお母さんが愛情を確認しあう場面にホッとしますね。
『くまとやまねこ』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:湯本 香樹実(文)、酒井駒子(絵)
出版社:河出書房新社
発行日:2008年4月
値段:1,300円+税
対象年齢:5〜6歳
『くまとやまねこ』のあらすじ
くまは仲良しのことりをなくしました。
大切な友だちだから、小さな箱に入れてたくさんの花を敷き詰めました。
その箱の中を見せて欲しがった動物たちは、見た後に決まって「もうわすれなくちゃ」と言うのです。
『くまとやまねこ』のおすすめポイント
「もうことりは帰ってこないんだから、わすれなくちゃ」と言われ続けたくまは、塞ぎ込んで家に閉じこもってしまいました。
ある日、くまくんがふと思い立って散歩に行った時に、出会ったのがやまねこ。
やまねこの言葉とバイオリンの音に、くまくんの心が優しく包まれるのがわかります。
『ゆきがやんだら』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:酒井駒子
出版社:学研
発行日:2005年11月
値段:1,200円+税
対象年齢:5〜6歳
『ゆきがやんだら』のあらすじ
今日は、昨日から降り続くゆきがやまず、幼稚園はおやすみです。
帰ってくるはずのお父さんも、飛行機が飛ばずに帰ってこれません。
外でのゆき遊びも、「ゆきがやんでから」と言われたので、ゆきがやむのをいまかいまかと待ち続けます
『ゆきがやんだら』のおすすめポイント
幼稚園はおやすみ、お母さんも買い物にいけないので、いつもと違う二人だけの特別な時間が流れます。
ベランダに出ても、外には誰も見えず、ゆきが降るおとが聞こえるだけ。
夜に雪がやんで、力一杯遊ぶ男の子が微笑ましい1冊です。
酒井駒子の絵本おすすめ人気作品【小学生以上向け】
生活範囲がグッと広がって、思い通りに行くことばかりではないと知る毎日。
子どもも疲れることだってありますよね。
ここからは、心を落ち着けて絵本の世界に集中できる、小学生以上向けのものを紹介します。
『まばたき』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:穂村弘(文)、酒井駒子(絵)
出版社:岩崎書店
発行日:2014年11月
値段:1,300円+税
対象年齢:小学生以上
『まばたき』のあらすじ
花にとまっていた蝶が、飛び立つその瞬間。
12時直前を指していた時計の針が、12時になるその瞬間。
紅茶に落とされた角砂糖が、溶けて広がるその瞬間。
まばたきのような一瞬を、描ききった絵本です。
『まばたき』のおすすめポイント
まばたきは、わずか0,3秒と言われています。
その間に起こる、物事の変化を、簡単な言葉と精密な絵で表現した1冊。
読むたびに、新しい発見を楽しめます。
『赤い蝋燭と人魚』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:小川未明(文)、酒井駒子(絵)
出版社:偕成社
発行日:2002年1月
値段:1,400円+税
対象年齢:小学生以上
『赤い蝋燭と人魚』のあらすじ
人間は善の生き物だと思い込んでいた身重の人魚の母は、ある神社に子どもを産み落とし、人間に子どもを託します。
蝋燭屋を営む老夫婦に拾われた人魚は、見事な絵の才能で、蝋燭の絵付けをし、お店と神社に幸運をもたらしますが……?
『赤い蝋燭と人魚』のおすすめポイント
小川未明の書く物語の世界が、酒井駒子の絵によって見事に表現された1冊。
少し難しい言い回しや漢字などはそのままに、憧れや幸せ、絶望と悲しみを描いた絵本です。
読み聞かせの時期はもちろん、1人で読むようになっても長く楽しめます。
『梨の子ペリーナ』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:イタロ・カルヴィーノ(作)、関口英子(訳)、酒井駒子(絵)
出版社:ピーエル出版
発行日:2020年8月
値段:1,600円+税
対象年齢:小学生以上
『梨の子ペリーナ』のあらすじ
王様へ納める梨のカゴの数が足りなくて、男はペリーナをカゴに入れて王様へ差し出しました。
城でやとわれた賢く働き者のペリーナは、王子と仲良くなりますが、それを妬むものたちがいました。
魔女の宝箱を持って帰るまで中に入れない、と王様に言われたペリーナの冒険が始まります。
『梨の子ペリーナ』のおすすめポイント
イタリアに伝わる昔話に、酒井駒子が絵をつけました。
魔女のもとにたどり着くまでの数々の試練、帰り道の協力者。
迫力満点の絵と文で、長く楽しめる1冊です。
酒井駒子の絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?
酒井駒子の絵本の選び方① キャラクターで選ぶ
酒井駒子の描く小さな子どもや動物たちは、ふわふわして丸くて、とても気持ちよさそう。
小さな子ども特有のフォルムや、動物の毛のやわらかさ、ぬいぐるみたちの質感……。
お気に入りのキャラクターができれば、ますますその絵本が好きになりますね。
酒井駒子の絵本の選び方② 舞台で選ぶ
家の中や、散歩途中、公園などの普段の生活場所が舞台になっているお話。
もしくは、旅や冒険などの非日常へ出かけるお話。
どちらも酒井駒子の手にかかれば、途端に不思議な世界に引き込まれます。
酒井駒子の絵本の選び方③ 絵の雰囲気で選ぶ
初期の作品『よるくま』に比べて、どんどんと情感を帯びた表現になっている酒井駒子の絵本。
淡い色彩や暗い色彩など、絵本によっても受ける印象が違います。
好きな色彩で描かれた絵本なら、きっとお気に入りの1冊になるでしょう。
【酒井駒子の絵本まとめ】小さい子どもから大人まで
酒井駒子の絵本を15作品紹介しました。
子どもや動物たちのがとても儚げで、抱きしめたくなる気持ちが溢れてきそうですよね。
子どものふとした動きや、一瞬変わる気持ちの変化などをうまくつかんで、見事な画力で書き上げています。
日本での数々の受賞はもちろん、フランスやオランダでも高く評価されている絵本作家である酒井駒子。
近年では、小説の挿絵や個展、画集など、幅広く活動しています。
子どもも大人も引き込まれる酒井駒子の世界。
ぜひ、楽しんでください。
コメント