大切な呼吸器官であり、においを嗅ぎわける感覚器でもある、鼻。
今回は、鼻にまつわる絵本を年齢別に15作品紹介します。
小さな子どもに鼻のかみかたを教えてくれる『じぶんではなをかめるかな』や、大正時代に活躍した文豪芥川龍之介の『トロッコ・鼻』。
医療ケア児を兄弟姉妹にもつ“きょうだい児”の心の葛藤を描いた『ぼくのおとうとは機械の鼻』や、鼻呼吸の大切さを説く『はないきおばけとくちいきおばけ』。
幅広く、おすすめ作品をそろえています。
ぜひ、絵本選びの参考にしてください。
鼻の絵本おすすめ人気作品【1、2、3歳児向け】
赤ちゃんのころには、鼻水が出るとお母さんやお父さんがきれいにしてくれました。
でも、そろそろ自分できれいにする練習をしましょうね。
まず、1歳から3歳の子ども向けの絵本を紹介します。
『はなくそにんじゃ』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:教育画劇
発行日:2017年6月
値段:1,100円+税
対象年齢:2、3歳から
『はなくそにんじゃ』のあらすじ
たっくんは、さっきからずっと、はなをほじほじ。
すぽっと取れたものを見ると、それはなんと、はなくそにんじゃ!
たっくんは、小さくなる忍術をかけてもらって、はなくそにんじゃとともに、自分の鼻の穴を見に行くことになりました。
『はなくそにんじゃ』のおすすめポイント
たっくんが鼻をほじほじしている最初のページから、子どもはくぎ付け!
はなくそにんじゃの案内で、鼻の中に入ると、まず見えるのはゆらゆら揺れる鼻毛です。
そして鼻毛に絡みつくバイキンと、それを退治する鼻水たち。
子どもが大好きなヒーローもののようでもあり、最後まで笑いながら集中してくれます。
最後のページでは、鼻ケアの仕方も教えてくれていますよ。
『じぶんではなをかめるかな』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:岩崎書店
発行日:2020年1月
値段:1,300円+税
対象年齢:3歳から
『じぶんではなをかめるかな』のあらすじ
ユウタくんは、はなをかむのが苦手です。
ある日、はなをゴシゴシと強くこすっていると、顔からはなが取れて、飛んでいってしまいました!
追いかけるユウタくんの前に現れたのは、ティッシュのかみさま。
鼻を取り戻すために、かみさまに教えてもらって、はなをかむ練習にはげみます。
『じぶんではなをかめるかな』のおすすめポイント
鼻水が出てくると、そのままずるずるとすすったり、服の袖で拭いたり。
小さな子どもがよくする行動ですが、これは鼻にも肌にもマナーでも良くありませんね。
小さいうちから、鼻水が出てくると鼻をかむ、ということを教えておくと、大きくなっても周りを不快にせずにすみます。
ティッシュを用意して、一緒に練習しながら読み聞かせてあげてください。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:福音館書店
発行日:1967年11月
値段:900円+税
対象年齢:3歳から
『だるまちゃんとてんぐちゃん』のあらすじ
仲良しのだるまちゃんとてんぐちゃん。
てんぐちゃんは、だるまちゃんの持っているうちわやぼうしが欲しくてたまりません。
お父さんに頼んで出してもらっても、思っているものとは違うので、自分で工夫して上手に作りました。
すると今度は、てんぐちゃんの長い鼻にとんぼが止まったのを見て、だるまちゃんも長い鼻が欲しくなりました。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』のおすすめポイント
大人気の「だるまちゃんシリーズ」の第1作です。
それでもお父さんがこれでもか、と出してくる帽子や靴、うちわには、たくさんの種類があります。
例えば帽子、こちらはキャップやテンガロンハット、ハンチング帽や烏帽子。
絵を見ながら、名前を教えていくのも面白いですよ。
大人でも意外と、「あれ、なんだっけ」と考えてしまうものも……!
鼻の絵本おすすめ人気作品【4、5、6歳児向け】
鼻は、呼吸するのにとても大切な場所です。
いつもきれいにしておきましょうね。
続いて、4歳から6歳の子ども向けの絵本を紹介します。
『はなのあなのはなし』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:福音館書店
発行日:1982年10月
値段:900円+税
対象年齢:4歳から
『はなのあなのはなし』のあらすじ
ぼくのはなのあなと、友達のあつこちゃんのはなのあな。
比べたらぼくの方が大きかったけれど、おじいちゃんのはもっと大きい。
じゃあ、体が大きい動物たちはどんなはなのあなを持っているんだろう。
みんな、上を向いて見せて!
『はなのあなのはなし』のおすすめポイント
表紙が鼻の穴だけで、これが強烈なインパクト!
子どもの気持ちはしっかり掴んでしまいます。
たくさんの動物も鼻の穴を見せてくれていて、イルカの鼻の穴は頭の上に1つ、カバやアザラシの鼻はフタがあるなどの、知識も得られます。
読後には、家族で鼻の穴のチェックタイムが始まってしまったりするような、楽しくおもしろい絵本です。
『はなくそ』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:竹書房
発行日:2017年11月
値段:1,500円+税
対象年齢:4〜6歳
『はなくそ』のあらすじ
みんなの鼻には鼻毛があって、鼻水が出て、はなくそがある。
このはなくそってさ、ほじってついつい……、食べちゃうんだよね。
でも鼻毛や鼻水やはなくそには全部役割があって、食べ物じゃないんだって。
はなくそができるまでを見てみよう。
『はなくそ』のおすすめポイント
ちょっとひいてしまいそうな表紙ですが、中身はちゃんとした科学絵本。
はなくそがどうして、どのように出来上がるのかを、小さな子どもにもわかりやすいく説明してくれています。
子どもが鼻をほじってそのまま口に指を入れた時、見ている側もとても不快になりますよね。
だめ、とだけ言うのではなく、どうしてだめなのか、をこの絵本を読んで教えてあげてくださいね。
『はないきおばけとくちいきおばけ』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:PHP研究所
発行日:2019年10月
値段:1,300円+税
対象年齢:4、5歳から
『はないきおばけとくちいきおばけ』のあらすじ
鼻の穴が大きなはないきおばけと、口が大きなくちいきおばけ。
出会った時からふたりはライバルで、何かと競争しています。
この日は、山の上までどちらが早く着くのかかけっこで勝負です。
スタートはくちいきおばけが優勢でしたが、疲れて休んでいると、はないきおばけに抜かれてしまいました。
『はないきおばけとくちいきおばけ』のおすすめポイント
鼻呼吸の大切さを教えてくれる絵本です。
口呼吸では、たくさん息を吸えるけれど、ほこりやバイキンもたくさん入ってきます。
一方の鼻呼吸では、鼻毛がほこりやバイキンをブロックし、綺麗な空気が体に入ります。
生まれた時から一生続く呼吸、正しい呼吸法を知っておくのは、体の健康にもとても大切です。
口呼吸から鼻呼吸に変えるためのトレーニング法も載っていますよ。
『ピエロのあかいはな』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:福音館書店
発行日:2013年11月
値段:1,300円+税
対象年齢:4歳から
『ピエロのあかいはな』のあらすじ
講演が始まる直前の、サーカスの楽屋。
ピエロがくしゃみをすると、あかいはながポーンと飛んでいってしまいました。
すると、そのはなを見つけたネズミが玉のりをして遊び始め、続けてクモザルやゾウやラクダまでもが遊び出しました。
追いかけるピエロですが、あかいはなが無事に講演までに戻ってくるでしょうか?
『ピエロのあかいはな』のおすすめポイント
ピエロに赤い鼻がなければ、なんとなく、いやずいぶんと変な感じですよね。
とっても大切な赤い鼻を必死に追うピエロと、それを軽くあしらいながら遊んでいる動物たちがとても対照的です。
大変な思いをしているピエロですが、ほのぼのとした絵と色彩で、読んでいる側はクスクスと笑いっぱなし。
サーカスのピエロに会いにいきたくなる絵本ですよ。
『ぞうのはな』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:フレーベル館
発行日:2001年1月
値段:1,000円+税
対象年齢:4歳から
『ぞうのはな』のあらすじ
ぞうにとっては、長いはながチャームポイントでありトレードマーク。
それを知ってしまったぞうのはなが、突然えらそうになって、ぞうの体の他の部位を見下します。
耳やしっぽや足たちにも「いなくなれ」といばり散らしていると、本当にいなくなってしまって、そこに残ったのは……。
『ぞうのはな』のおすすめポイント
象の鼻が主役のおもしろい設定、かつちょっぴり怖い絵本です。
ストーリーで聞く分には大丈夫でも、絵で表されていると、恐怖が倍増!
耳、しっぽ、目、足などがなくなった象の姿……想像できますか?
子どもと一緒に読んでみると、意外と子どもの方が平気だったりするのも面白いですよ。
『ぼくのおとうとは機械の鼻』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:医療法人稲生会
発行日:2017年9月
値段:1,111円+税
対象年齢:幼児
『ぼくのおとうとは機械の鼻』のあらすじ
ぼくのおとうとは、おしゃべりができないし、ご飯も1人で食べられない。
歩くこともできないし、鼻にはいつもシューシュー音がする機械がついている。
友達におとうとのことを聞かれると、ぼくははずかしいんだ。
ぼくの誕生日、おとうとの機械の鼻の具合が悪くて、楽しみにしていた遊園地に行けなくなった。
『ぼくのおとうとは機械の鼻』のおすすめポイント
医療的ケアを受けている兄弟姉妹を持つこども、“きょうだい児”のぼくにスポットを当てた絵本です。
ぼくではない弟の所にいつも人が集まり、ぼくの特別な日も誰もぼくのそばにいない。
弟のせいで、弟なんていなければいいのに、と思ってしまう心。
それでも、弟のことは大好き、だけどやっぱりぼくのことも見て欲しい。
心を塞いでしまいがちな“きょうだい児”のケアも、重要だと気付かされます。
『はなおとこ』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:偕成社
発行日:2009年6月
値段:1,300円+税
対象年齢:幼児から
『はなおとこ』のあらすじ
はなおとこは、自分の居場所を探しています。
自分は何ものなのか、どこからきたのか、どこに行くべきか。
街の中を歩き回り、山や海にも、寒い国にも暑い国にも行きました。
けれど、なぜかどこもしっくりこないのです。
『はなおとこ』のおすすめポイント
鼻に足が生えているだけの、はなおとこ。
表紙からしてインパクト抜群です!
世界中を旅して、自分の居場所を探し回るのですが、注目すべきは、はなおとこが入ったその風景の絵。
何かに見えてきませんか……?
鼻の絵本おすすめ人気作品【小学生向け】
人間の鼻の仕組みを理解したあとは、動物に目を向けてみて。
生態が違えば、鼻の仕組みももちろん違う、おもしろい鼻がいっぱい!
最後に、小学生以上の子ども向けの絵本を紹介します。
『はなげせんぱい』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:文芸社
発行日:2020年6月
値段:1,200円+税
対象年齢:小学生以上
『はなげせんぱい』のあらすじ
鼻の穴の中を守るのは、勇敢なおとこたち。
今日も、小学生の男の子「けいごさん」の鼻の中で戦い続けるのは、ベラテンの鼻毛ゲンさんとその後輩たち。
ゲンさんは、いつも後輩の鼻毛たちに、鼻毛とはどうあるべきかを教えています。
ある日、「けいごさん」がデートに行くことになって……?
『はなげせんぱい』のおすすめポイント
ゆるい絵柄でありながら、鼻毛の仕組みや役割を、子どもにわかりやすく教えてくれます。
ベテランのゲンさんが、後輩たちに、自分の役目を少しずつ引き継いでいって、世代交代。
鼻毛の話なのに、なぜかしんみり、でもちゃんと学びにもなる楽しい絵本です。
『どうぶつの鼻』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:偕成社
発行日:2010年1月
値段:1,600円+税
対象年齢:小学生から
『どうぶつの鼻』のあらすじ
世界中でに生息するさまざまな動物。
鼻を見ただけで、どの動物かわかるかな?
人間のように顔の真ん中に鼻を持つ動物もいれば、長い鼻を持つ動物、くちばしの先に鼻を持つ鳥などもいます。
鼻の絵を見ながら、楽しくクイズに挑んでみましょう。
『どうぶつの鼻』のおすすめポイント
鼻を大きく見せて、まずはクイズ。
次のページをめくると、その鼻を持つ動物の全身写真と解説が見られます。
こちらは「どうぶつのからだシリーズ」の第2作目です。
他にも「目」と「耳」にフォーカスをあてた作品もあるので、揃えて楽しんでみてはいかがですか?
『トロッコ・鼻』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:講談社
発行日:2009年2月
値段:1,400円+税
対象年齢:小学生以上
『トロッコ・鼻』のあらすじ
禅智内供の悩みは、だらんとあごの下まで伸びた大きな鼻。
気にしていないそぶりをしながらも、他にも同じ鼻をした人がいないかと探しますが、見つからずにがっかりします。
ある時、弟子が内供の鼻を小さくする方法を医者から聞いてきたので、それを実行してみると、なんと鼻が短くなりました。
満足していた内供ですが、外出すると、どうも周りの人の様子がおかしいのです。
『トロッコ・鼻』のおすすめポイント
芥川龍之介の名作短編を12作品も掲載している1冊です。
羅生門や蜘蛛の糸、杜子春といった有名なものも収録。
芥川龍之介を写真付きの略年譜で紹介し、本文表記も細かく注釈付きでのせています。
漢字には全て振り仮名がつき、難しい語句にはイラスト付きの解説があります。
読み聞かせにはもちろん、1人読みでも、長く楽しめるようになっています。
『なかよしっぱな』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:小学館
発行日:2019年11月
値段:1,100円+税
対象年齢:小学生以上
『なかよしっぱな』のあらすじ
ケンタくんの鼻の穴、右側のみぎっぱなと左側のひだりっぱな。
それまで仲良くしていましたが、とつぜんふたりは気がついてしまいました。
誰かがみぎっぱなを見た時、それはひだりっぱなで、ひだりっぱなを見た時はみぎっぱなであることに!
とんでもないことを知ってしまったふたりは、ケンタくんの鼻を飛び出しました。
『なかよしっぱな』のおすすめポイント
不思議なことば遊びのようなリズムで話がすすむ、楽しい絵本です。
それもそのはず、作者は人気お笑い芸人ジャルジャルの右の人である福徳秀介。
みぎっぱながひだりっぱなで、ひだりっぱながみぎっぱなで……。
声に出してよむと、なにがなんだか楽しくなって、繰り返し読みたくなりますよ。
『なぜイヌの鼻はぬれているの? ノアの箱舟のふしぎな話』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:西村書店
発行日:2014年12月
値段:1,500円+税
対象年齢:小学生以上
『なぜイヌの鼻はぬれているの? ノアの箱舟のふしぎな話』のあらすじ
聖書の時代。
地上が大洪水の危険にさらされ、ノアは大きな箱舟を作りました。
そこにあらゆる種類の動物たちを乗せました。
ところが、大海原の真ん中で、箱舟に小さな穴が開いてしまいます。
『なぜイヌの鼻はぬれているの? ノアの箱舟のふしぎな話』のおすすめポイント
旧約聖書の創世記に登場する『ノアの方舟』の話を、子どもにもわかりやすく、人間味あふれるノアの姿とともに描きます。
あらゆる種類の動物を乗せているのですから、箱舟の中が静かなわけもありませんね。
ページの隅でユーモラスに細かく描かれている動物たちの姿も、楽しい絵本です。
鼻の絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?
ここでは、年齢別以外での鼻の絵本の選び方を紹介します。
鼻の絵本の選び方①鼻のしくみがわかる絵本を選ぶ
人間の顔の真ん中に、どんっと居座っている鼻。
呼吸をするのに、とても大切な部位です。
鼻毛や鼻水、はなくそは、汚いなと思っても、それも大切な役割をはたしています。
綺麗な空気を吸うために、鼻の役割を知ることから始めましょう。
鼻の絵本の選び方②鼻にまつわるマナーが学べる絵本を選ぶ
鼻水を垂れ流している赤ちゃんから、それをそっと服の袖で拭く小さな子ども。
鼻を指でほじほじしては、その指をぱくっと口に入れてしまうなんて子どもも……。
バイキンを口に入れているわけですから不衛生なのはもちろんのこと、見ている側も気持ちのよいものではありませんね。
周りの人をいやな気持ちにさせないように、小さな子どもにもわかりやすく教えてくれる絵本を選んでみてください。
鼻の絵本の選び方③動物の鼻が見られる絵本を選ぶ
顔の真ん中に鼻、というのが当たり前と思っていませんか?
イルカの場合は頭の上、キーウィならくちばしの先、など、動物の生態や環境によっても違います。
どのように違うのか、どうして違うのかを調べてみるのも、楽しいですよ。
【鼻の絵本まとめ】鼻は大切な呼吸器官、いつでも清潔に!
鼻にまつわる絵本を15作品、年齢別に紹介しました。
いかがでしたか?
小さい子には、注意してもなかなか鼻をほじることや、服の袖で鼻水を拭いたりすることをやめてくれませんよね。
なぜか汚い話が好きな子どもたちには、絵本の力を借りて、もう1度鼻を清潔に保つ方法やマナーを教えてみましょう。
子どもが大好きな「鼻毛」や「はなくそ」が出てくるものなら、きっと面白がりながら興味を持って聞いてくれるはずです。
お気に入りの絵本を見つける参考になれば幸いです。
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