みなさんは、童話・眠り姫をご存知でしょうか。
英語名では『Sleeping Beauty』。
女の子の憧れ、ディズニープリンセスの一人オーロラ姫の物語としてもよく知られています。
眠り姫はもともとヨーロッパの民話であり、人々の間で長い間語り継がれてきた物語のひとつです。
これを読めば、童話・眠り姫の知られざる原作や私たちに知られるようになった経緯がわかります。
知っている人も知らない人も、童話・眠り姫の絵本を読みたくなること間違いなしです。
【眠り姫のストーリー】童話・眠り姫のあらすじ内容
眠り姫には大きく分けてペロー童話とグリム童話の2種類があり、日本で知られているのはグリム童話の方です。
以下、グリム童話・眠り姫のあらすじを紹介します。
眠り姫のあらすじ内容
ある国に、なかなか子どもに恵まれない王と王妃がいました。
するとある日、王妃の前にカエルが現れ、「あなたは一年以内に女の子を産むでしょう。」と予言すると、その予言どおりに、かわいい女の子が生まれました。
国にとって待望の子であったため、『夜明けの光』という意味を持つ、『オーロラ』と名付けられました。
オーロラ姫の誕生にたいそう喜んだ王と王妃は、国内に住む魔女たちを城に招待し、盛大にお祝いをすることにしました。
しかし魔女は国内に13人いるのにもかかわらず、彼女たちが使う金の皿が12枚しかなかったので、王は一人だけ魔女を招待しなかったのでした。
お祝いに招待された12人の魔法使いたちは、それぞれ順番に『優しさ』や『美しさ』といった素敵な魔法の贈り物をオーロラ姫に授けました。
11人目の魔法使いが贈り物を授けたとき、突然、唯一招待されなかった一人の魔女が現れました。
そしてオーロラ姫に呪いをかけ、「彼女が16歳になったときに、紡ぎ車が指に刺さって死ぬだろう。」と言って去って行きました。
すると12人目の魔女が出てきて「この呪いを取り消すことはできませんが、呪いの力を弱めることはできます。」と言いました。
「オーロラ姫は死にません。そのかわり、100年間眠り続けた後に目を覚まします。」と告げたのです。
オーロラ姫の運命を心配した王は、国中の紡ぎ車を燃やさせました。
月日が経ち、オーロラ姫は魔女たちが授けてくれた魔法の通りにとても美しく成長しました。
16歳になった時、オーロラ姫が城の塔の最上階に一人で行くと、そこでは一人の老婆が紡ぎ車で糸を紡いでいました。
「おばあさん、何をしているの?」と聞くと、「糸を紡いでいるんだよ。」と答え、オーロラ姫が紡ぎ車に近寄った途端、ぷつっと手の指に刺さり、オーロラ姫は呪いの通り深い眠りに落ちてしまいました。
呪いは城中に広がり、王と王妃をはじめとした城の人々も全員眠ってしまい、城の周囲には茨が生い茂り、城には誰も入れなくなってしまいました。
そして、長い年月がたったある日、近くの国の王子がこの国を訪れ、眠っているオーロラ姫に会うために茨に囲まれた城に向かいました。
この時ちょうど城にかかっていた100年の呪いが解けたので、茨は自然と道を開け、王子は無事に城の中に入ることができました。
王子は城の部屋で眠っているオーロラ姫を見つけて「なんて美しい姫だろう。」と呟きました。
そしてそっとキスをすると、オーロラ姫は目を覚まし、同時に城の人々も全員目を覚ましたのです。
それから二人は結婚して、いつまでも幸せに暮らしました。
眠り姫の教訓
もうひとつのペロー童話には、この物語から得られる教訓が記されています。
どんなに美しく、才能があっても、簡単に幸せになれるものではありません。
幸せになりたいなら、目先の欲にとらわれずに賢く振る舞い、不幸な時期も諦めずに堪え抜くことです。
辛抱して焦らず待てば、必ず幸せが訪れるのです。
オーロラ姫は誕生のお祝いの際に、魔女たちから美しさや優しさなどをもらいましたが、そのおかげで素敵な王子が現れて結婚できたわけではありません。
オーロラ姫はずっと眠っていたので、王子はオーロラ姫の姿を見たことがなかったのですから。
100年間ずっと眠っていたことで、呪いが解け、王子に見つけてもらい、幸せになれたのです。
見た目が良いからと言って必ずしも幸せになれるわけではありません。
何事も焦らずじっくり待てばいい結果が訪れることを教えてくれています。
【眠り姫の続き】実は童話・眠り姫は原作の続きが怖い?
一方で、ペロー童話では、グリム童話には描かれていない、『眠り姫』のその後も描かれています。
以下、『眠り姫』のその後のあらすじです。
結婚したオーロラ姫は2人の子どもを授かります。しかし、王子の母である王妃は実は人食いで、オーロラ姫と子どもたちを食べようとしてしまいます。
そこに王子が現れて助け、王妃は自分の悪行が息子にばれて気が狂い自殺してしまうのです。
姑が人食いだなんて、恐ろしいですよね。
かわいいはずの孫をも食べようとしてしまうなんて…怖すぎます。
『眠り姫』の物語にこんな続きがあるなんて、思いもしませんでした。
【眠り姫の名前】実はオーロラ姫は童話・眠り姫の主人公ではない?
みなさんはマレフィセントをご存知でしょうか。
マレフィセントは、オーロラ姫の誕生の祝宴に唯一招待されなかった魔女であり、その腹いせにオーロラ姫に呪いをかけました。
その悪役であるマレフィセントを主人公にした映画が2014年と2019年に公開され、大ヒットしました。
以下、映画『マレフィセント』のあらすじを紹介します。
昔、妖精の国『ムーア国』に住む少女マレフィセントは少年ステファンと会い恋に落ちます。
そしてマレフィセントの16歳の誕生日にステファンは真実の愛を誓うのです。
しかし、ステファンは次第に人間界に興味を持つようになり、ある日、マレフィセントを裏切り、彼女の翼を切り取って人間界の王に授け、次期王の座を勝ち取ります。
恋人に裏切られたことに悲しんだマレフィセントは、ステファンが人間界で結婚した王妃との間に『オーロラ姫』が誕生したことを知り、祝宴に現れて呪いをかけます。
ステファンはマレフィセントに許しを乞うと、「真実の愛のキスによって呪いは解かれるだろう」と言います。
しかしマレフィセントは真実の愛などないと考えていたので、つまりこの呪いは絶対解けないという意味なのです。
オーロラ姫が成長し、マレフィセントと会うと、『フェアリーゴットマザー』と慕うようになり、時々会って楽しい時間を過ごしました。
マレフィセントは呪いをかけたことを後悔しますが、解くことができずに16歳の誕生日を迎えてしまい、オーロラ姫は眠ってしまいます。
マレフィセントはオーロラ姫が眠っている城の部屋に入り、オーロラ姫に愛を語って額にキスをすると、呪いが解けてオーロラ姫は目覚めます。
二人は城を出ようとすると、ステファンが従える兵士たちが現れてマレフィセントを倒そうとします。
マレフィセントが戦っている間、城内に隠されていた、かつてステファンに切り取られたマレフィセントの翼をオーロラ姫が見つけて解放すると、その翼はマレフィセントの元に返ります。
そのおかげでマレフィセントは兵を倒すことができたのです。
映画の最後は、マレフィセントは英雄でも悪者でもなく、その両方であり、彼女こそが妖精の国とオーロラ姫の王国を統一したのです、と締め括られています。
『眠り姫』の中ではマレフィセントは悪役にされていますが、彼女の立場から見ると、恋人に裏切られたりしながら苦労して生きてきたことに同情しますよね。
元恋人を恨む勢いでオーロラ姫に呪いをかけてしまいますが、成長したオーロラ姫が自分を慕ってくれることで後悔に苛まれるあたりは、マレフィセントの心がすべて悪に染まったわけではなく、優しさや愛する心をまだ持っていることが伺えます。
最終的に国に平和をもたらしたのがマレフィセントだとすると、やはり彼女がこの世界の主人公に感じますよね。
【眠り姫の原作】童話・眠り姫の原作、作者は?
『眠り姫』は、もともとフランスの民話と言われており、のちにシャルル・ペロー、グリム兄弟が童話集としてまとめています。
グリム兄弟はシャルル・ペローの『眠り姫』を参考にしたと言われていますが、残酷な場面は切り取って書いており、それが現在の主流となっているのです。
【眠り姫の絵本】童話・眠り姫を読むのにおすすめの絵本は?
ここからは、童話『眠り姫』のおすすめの絵本を3冊紹介します。
子どもも楽しく読めるものなので、ぜひ参考にしてください。
ディズニー名作ゴールド絵本 眠れる森の美女
画像引用:講談社『ディズニー名作ゴールド絵本 眠れる森の美女』
出版社:講談社
作:森はるな
発行日:2005年6月22日
値段:420円+税
対象年齢:3歳頃から
『ディズニー名作ゴールド絵本 眠れる森の美女』のおすすめポイント
子どもから大人まで馴染みのあるディズニーの絵本なので、挿し絵もたっぷりで、ストーリーもわかりやすくまとめていて小さい子どもでも楽しむことができます。
とびだす!どうわのしかけえほん ねむれるもりのびじょ
画像引用:Amazon『とびだす!どうわのしかけえほん ねむれるもりのびじょ』
出版社:大日本絵画
作:ジョージ・エルモス
訳:みたかよこ
発行日:2019年6月25日
値段:1700円+税
対象年齢:3歳頃から
『とびだす!どうわのしかけえほん ねむれるもりのびじょ』のおすすめポイント
ページをめくるのが楽しくなるとびだす仕掛け絵本です。
童話の世界に飛び込んだ気分になれます。
ディズニームービーコレクション 眠れる森の美女
画像引用:うさぎ出版『ディズニームービーコレクション 眠れる森の美女』
出版社:うさぎ出版
作:ディズニー・ストーリーブック・アーティスト
訳:大畑隆子
発行日:2015年9月30日
値段:2300円+税
対象年齢:3歳頃から
『ディズニームービーコレクション 眠れる森の美女の』のおすすめポイント
ウォルト・ディズニー・カンパニーのアーティストが描いた美しいイラストと、72ページもの充実した内容に、子どもだけでなく大人も大満足の一冊です。
【眠り姫のまとめ】いざ!童話の世界へ!
原作は少し怖い場面もあるようですが、それも含めて古くから語り継がれる童話ならではの神秘さ、美しさが感じられます。
さっそく『眠り姫』を読んですばらしい童話の世界へ足をふみいれてみましょう。
読んだ後には、きっととても幸せな気持ちになっているはずです。
また、これを機にほかの童話にも触れ、ヨーロッパの素敵な世界観を味わってみるのも良いですね。
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