短冊に願いを込め、夏の夜空を見上げる七夕祭り。
その由来やお祭りの意味は、案外大人でも知らないのではないでしょうか。
そこで今回は、七夕に読みたい子ども向けのおすすめ人気絵本を紹介します!
七夕をテーマにした絵本は、楽しいキャラクターや心温まるエピソードと共に、子ども向けに七夕の由来や楽しみ方をわかりやすく教えてくれます。
乳児から小学生まで、対象年齢に合わせて違う楽しみ方やねらいを持って読み聞かせできるのもポイントです。
あらすじやおすすめポイントも合わせて紹介しているので、是非絵本選びの参考にしてください。
絵本で七夕やその由来について学ぼう!
七夕といえば、短冊を書いたり七夕飾りを作ったり。
日本の伝統行事の中でも、実際に子どもが参加しながら楽しむことができるお祭りです。
周囲の大人たちや友だちと一緒に七夕を過ごす体験は、子供たちの思い出や学びのきっかけにもなります。
そんな七夕についてもっと知る・楽しむうえで役に立つのが絵本。
年齢や理解度に合わせて絵本を選んであげることで、より子供たちの興味や好奇心を引き出すことができます。
ここからは、それぞれの年齢に合わせた七夕のおすすめ絵本を紹介していきます!
七夕絵本のおすすめ【0、1、2歳向け】
初めて七夕に触れる1~2歳の乳児には、七夕をイメージしやすいシンプルな絵本がおすすめです。
お星さまや短冊、笹といった分かりやすい絵と共に楽しいストーリーが描かれているものが良いでしょう。
『みんなのおねがい』
絵:すとう あさえ
出版社:ほるぷ出版
発行日:2019/5/15
値段+税:1,026円
対象年齢:2、3歳から
七夕はみんなのねがいが込められた日本行事
すとうあさえさんの「はじめてのぎょうじえほんシリーズ」は、小さな子どもが初めて行事に触れる際にぴったりのシリーズ。
輪つなぎの飾りは、お願いがお星さまに届くように長くつなげる。
みんなのお願いを書いた短冊は、想いを込めた絵なんだよ。など、シンプルな絵が文字の読めない子どもにも七夕を分かりやすくイメージさせてくれますよ。
巻末にはミニ解説がついているので、子どもに七夕について教えてあげたい大人にもおすすめの絵本です。
『あかちゃんまんとねがいぼしかなえぼし』
出版社:フレーベル館
発行日:2007/7/1
値段+税:432円
対象年齢:幼児から
アンパンマンと一緒に七夕を楽しもう
みんな大好きアンパンマンの七夕をテーマにしたお話です。
短冊をつくり、ねがいぼしかなえぼしを待っていたみんなのところにやって来たのは、ばいきんまん。
今回のお話ではあかちゃんまんが大活躍します。
1~2歳の間はアンパンマンの絵を追いながら七夕の短冊やお星さまに慣れ親しみ、年齢を重ねてからはストーリーを追ったりと、長い期間楽しむことができる作品。
アンパンマンのキャラクターが大好きという子どもにおすすめの一冊となっています。
『たなばたプールびらき』
絵:村上 康成
出版社:童心社
発行日:1997/5/20
値段+税:1,404円
対象年齢:3歳から
七夕の夜空に浮かぶのはきれいで楽しい天の川
「天の川で泳いでみたい!」短冊に書かれたそんな子どもの願いを聞いた織姫と彦星が、天の川のプール開きに招待してくれるという、なんとも夢のあるお話です。
作者はユーモアあふれる物語が評判の中川ひろたかさんと、やさしいテイストの絵が人気の村上康成さんコンビ。
「おててぷらぷら~、あ~しぷらぷら~」とみんなで準備体操する様子は、思わず子どもと一緒にマネしてしまいたくなるかわいさに溢れています。
最後は天の川で織姫と彦星がシンクロナイズドスイミング。
七夕の難しいストーリーが分からない子どもでも、その楽しさを感じることのできる絵本となっています。
『ななちゃんのたなばた』
絵:うすい あきこ
出版社:童心社
発行日:2013/8/15
値段+税:1,620円
対象年齢:2歳から
年少向けの七夕紙芝居
主人公のななちゃんはとても恥ずかしがりやさん。
広場に飾られた大きな笹飾りに結ぶ短冊をおじさんからもらうと、誰もいない机で願い事を書き始めます。
男の子や女の子の絵に込められたななちゃんの願いは「おともだちができますように」。飛んで行ってしまったななちゃんの短冊を拾ってくれた星の子と、ななちゃんとの心温まるエピソードが満載の紙芝居です。
七夕には願い事を短冊に書いて、みんなで夜空を見上げるという風習に親しむことのできる、年少向けの分かりやすい作品。
優しい風合いのうすいあきこさんの絵が子どもの目を引く、七夕におすすめの紙芝居です。
七夕絵本のおすすめ【3〜4歳向け】
七夕の意味を理解し始める3~4歳には、その由来や意味が分かりやすく説明された絵本がおすすめです。
読み聞かせに適したボリュームと内容であれば、大人も子どもも一緒に七夕の気分を満喫することができますよ。
『10ぴきのかえるのたなばたまつり』
絵:仲川 道子
出版社:PHP研究所
発行日:2001/6/13
値段+税:1,210円
対象年齢:幼年・小学校初級
生き物がだいすきな子どもにおすすめ
「ひょうたんぬま」に住む10ぴきのかえるシリーズの、記念すべき10作目。
仲良しの10匹のかえるたちは、ぬまに飾るための笹を探しに「さささらやぶ」まで出かけます。
テントウムシやメダカ、チョウチョにカタツムリも描かれており、生き物が大好きな子どもは指さしをしながら楽しむことができますよ。
途中でオオザリガニに追いかけられて危ない目にあう10匹ですが、そこは勇気のあるかえるたち。今回も知恵を出し合ってピンチを乗り切ります。
最後は子どもと一緒に七夕飾りを作ってみようかなと思えるような、七夕にぴったりの一冊です。
『たなばたこびとのおはなし』
出版社:童心社
発行日:1986/4/1
値段+税:648円
対象年齢:3歳から
みんなのねがいを叶えてくれる七夕こびと
かわいいこびとが行事について分かりやすく教えてくれる「こびとシリーズ」の中の一作です。
7月7日、かわいい「たなばたこびと」は笹を持って小さな丘に登ります。
「ねがいを書いた短冊を持っておいで」
こびとの呼びかけに、短冊を持ってやって来るのは野原の仲間たち。
七夕のお話は難しくなってしまいがちですが、親しみの持てるキャラクターが願い事を短冊に込めて笹に飾る様子は、子どもが七夕に初めて触れ合う際にもぴったりのストーリーとなっています。
「みんなの願いがかないますように」とがんばるこびとの姿はとてもかわいらしく、大人も思わず笑顔になってしまいますよ。
小さな手のひらサイズの絵本は、子どもをひざに乗せながら一緒に楽しむ際にもおすすめの一冊となっています。
『たなばたバス』
出版社:鈴木出版
発行日:2012/6/1
値段+税:1,404円
対象年齢:3、4歳
子どもと一緒に声に出して楽しもう
「絵本をまるごと楽しんでもらいたい」という作者の藤本ともひこさんの想いがつまった、バスシリーズの3作目。
おり姫さまとひこ星さまが会えるように、主役のバスくんとねずみくんたちが、星空で黒い雨雲を吹き飛ばそうと大活躍します。
色使いの鮮やかな絵がかわいらしく、小さい子どもでもページをめくりなが楽しむことができますよ。
「ねずみがみんなで、両手をぐるぐるー」「バスくんのくしゃみが、ぶはっくしょん!」など、一緒に読みながらわくわくするようなフレーズが満載です。
七夕の由来や、織姫、彦星について自然と親しむことのできる一冊となっています。
『たなばたものがたり』
絵:二俣 英五郎
出版社:教育画劇
発行日:2001/5/1
値段+税:1,296円
対象年齢:3、4歳
七夕の由来をしっかり学べる
出会ったとたんに恋に落ちた織姫と牛飼い。
牛飼いが自分の仕事を怠るようになったばっかりに、いつしか2人は離れ離れになることに…。
中国の昔話と日本の行事の融合によって生まれた七夕について、詳しく知ることのできる一冊です。
二俣英五郎さんの絵も美しく、3~4歳の子どもにゆっくり読み聞かせをするのに最適な絵本となっています。
巻末には七夕の由来や、なぜ笹飾りをするようになったのかといった細かな点についても解説されているので、子どもも大人も楽しみながら七夕について学ぶことができますよ。
『もうおねしょしません』
絵:いもと ようこ
出版社:あかね書房
発行日:1982/5
値段+税:1,296円
対象年齢:3〜5歳
きれいな七夕かざりがいっぱい
季節ごとのテーマに沿って制作される「くりのきえん」シリーズの一冊です。
明日は楽しい七夕祭りなのに、元気がないねずちゅうこちゃん。
その理由はゆうべおねしょをしてしまったから…。
保育園の七夕祭りやおねしょというキーワードを身近に感じる子どもたちも多いのではないでしょうか。
笹飾りやお星さまといった七夕飾りが、いもとようこさんのかわいらしい作風でページいっぱいに描かれ、読み聞かせの際にも子どもたちがじっくりと見入ることのできる作品に仕上がっています。
保育園で七夕祭りの準備をする時や、自宅で七夕飾りを作ろうという際にもぴったりの物語です。
『たなばたウキウキねがいごとの日!』
絵:たちもと みちこ
出版社:文溪堂
発行日:2010/6/1
値段+税:1,512円
対象年齢:3〜5歳
七夕レシピを親子で楽しもう
お友だちのいないたぬきのポコくんが短冊に書いたのは「いっしょにあそべるともだちができますように」。
風できつね村まで飛んできたポコ君の短冊を見たキコちゃんは、たぬきに化けてポコくんの元へ向かいます。
きつね村とたぬき村の間には大きな川が流れており、ポコくんとキコちゃんを織姫と彦星に見立てたお話は、とてもかわいらしく思わず笑顔になってしまいますよ。
七夕の伝説だけでなく親子で楽しめる七夕レシピも載っているので、読み聞かせた後にも色々な楽しみ方のできる一冊です。
『たなばたまつり』
出版社:講談社
発行日:2010/6/5
値段+税:1,620円
対象年齢:3歳から
みんなのねがいを星に届ける短冊
大胆かつ繊細な作風が人気の松成真理子さんの、七夕祭りをテーマにした一冊。
町の広場に置かれた大きな笹。そこに結ばれるのは、町中の人の願いを込めた色とりどりの短冊たちです。
七夕の夜、その願いの言葉たちが夜空に上っていく様子は、なんとも幻想的でロマンチックな雰囲気に溢れています。
「願い事が届いたときに、星はきらりと光って合図を送ります」という一文は、七夕に空を見上げるきっかけを与えてくれそうですね。
短冊に願いを書たり、お祭りには屋台が出たりと、子どもに七夕祭りを読み聞かせたい時にぴったりの絵本となっています。
七夕絵本のおすすめ【5歳~小学生】
5歳から小学生に向けては、七夕行事と共に、人とのつながりを感じることのできる作品がおすすめです。
誰かを想って願いを込める優しさや思いやりを、絵本から学び取ることができるでしょう。
『きつねのたなばたさま』
絵:松永 禎郎
出版社:世界文化社
発行日:2003/5/1
値段+税:864円
対象年齢:幼児
こぎつねの願いが込められた七夕の優しい物語
物語の主人公は、いなくなったお母さんを待ち続けるこぎつね。
ある日、短冊に書かれた願いが叶った人間の子どもを見たこぎつねは、自分もお願いをすることを思いつきます。
猟師にお母さんを殺されてしまったことを知らずに、せめて夢の中だけでもお母さんに会いたいと願い続けるこぎつねの、せつなさと優しさが溢れている物語です。
悲しみを乗り越え、最後には助けてくれた雌ぎつねとあたたかい家庭を築くこぎつねの様子には、大人も心がほっと温かくなりますよ。
大切な人を想い続ける気持ちや、そばにいる人を思いやる心を子どもたちも感じ取ることができるでしょう。
七夕にまつわる、他とは違うストーリーをお探しの方にぜひおすすめしたい一冊です。
『ねがいぼしかなえぼし』
絵:山本 孝
出版社:岩崎書店
発行日:2004/5/26
値段+税:1,404円
対象年齢:幼児
親しみやすく味わい深い星物語
引っ越してしまったうみくんと、離れ離れになったしほちゃんの話を交えつつ、年に一度しか会えない織姫と彦星について分かりやすく描いている絵本です。
山本孝さんの絵が味わい深く、5歳以降の子どもが自分でページをめくりながら読む絵本としてもおすすめ。
うみくんから「夏休みにまた会えるよ」としほちゃんに電話がくるシーンでは、子どものほのかな恋心を感じ取ることもできます。
織姫と彦星の伝説を身近に感じることのできる、微笑ましい一冊です。
『ひ・み・つ』
出版社:童心社
発行日:2004/5/30
値段+税:1,404円
対象年齢:4・5歳から
小学生にもおすすめ七夕絵本
おばあちゃんが大好きなゆうきくんは、「プレゼントにほしいものはなんですか」と、おばあちゃんのお誕生日に向けて手紙を送ります。
おばあちゃんの「ひみつ」のお願い事は、「天国のおじいちゃんと40年ぶりにダンスをしたい」というものでした。
おばあちゃんの願いをかなえるため、勇気をふりしぼって行動するゆうきくんは七夕の夜にある奇跡を起こします。
たばたせいいちさんの優しさが詰まったストーリーには、思わず大人も感動してしまう温もりが溢れていますよ。
七夕にこめられた願いと共に、人を想う温かさを教えてくれる一冊です。
『たなばたさま』
絵:滝平 二郎
出版社:ブッキング
発行日:2007/2/21
値段+税:1,944円
対象年齢:小学生
兄弟愛が美しい中国を舞台にした七夕物語
離れ離れになった中国の兄妹をテーマにした七夕の物語です。
物語の舞台は中国の西省。隣の領主に攻められ父親を亡くした二人の兄妹は、やがて母親を亡くし、離れ離れの場所で奴隷として暮らすことになります。
天の川の星になることを願いながら懸命に生きるその姿は、七夕の違った一面と兄妹愛の素晴らしさを感じさせてくれますよ。
「モチモチの木」や「花さき山」で知られる滝平二郎さんの版画絵も素晴らしく、じっくりと読みたい時にぴったりの作品です。
『こうえんのシロほしまつり』
出版社:ポプラ社
発行日:2006/5
値段+税:864円
対象年齢:3〜5歳
こいぬのシロと一緒に七夕かざりを作ってみよう
公園に住んでいる「こいぬのシロ」シリーズの一作です。
いつも元気な子犬のシロは、長老やハッピー、バウウといったいつもの仲間たちとともに、公園のほしまつりの準備を始めます。
「しっぽのついている動物たちは昔は流れ星だった」という長老の冗談を信じ込んだシロの姿がかわいらしく、子どもも喜ぶ夢の溢れたストーリー。
この絵本の大きなポイントは、巻末には七夕飾りの作り方が載っていること。
読み終わった後には子どもと一緒に工作を楽しむことができますよ。
絵本に慣れ親しみながら、子どもと大人が一緒に七夕祭りの楽しさを実感できるおすすめの作品となっています。
夏の伝統行事たなばたを絵本で楽しく学ぼう
七夕は、子どもたちが楽める要素がたくさん詰まった伝統行事。
その由来や意味を理解し慣れ親しむことで、実際の体験がより充実したものになるはず。
絵本は、そのきっかけづくりに最適なツールです。
親子で七夕について知り、思い出に残る7月7日を過ごしてくださいね。
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