日本の伝統芸能の一つである落語。
NHKでも人気の『てれび絵本』の中で『えほん寄せ』が放送され、子どもたちにも馴染みがありますよね。
落語はたくさんの絵本にもなっています。
小さいうちは、落語ならではの面白いフレーズで、言葉の楽しさを味わえます。
そして、起承転結がはっきりしていてわかりやすく、”オチ”が面白い!
ここでは、落語絵本を数多く手がける川端誠による作品などを中心にご紹介します。
内容によって、年齢ごとにおすすめを選びましたので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
落語の絵本おすすめ人気作品 【3、4歳向け】

身近な動物やお菓子が出てくる絵本は、子どもの興味を引くのでおすすめです。
『ちゃっくりがきぃふ』

出典:Amazon
話:桂 文我
絵:梶山 俊夫
出版社:福音館書店
発行日:2002/11/15
値段:1,100円+税
読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:小学低学年から
『ちゃっくりがきぃふ』あらすじ
さきちは、茶と栗と柿と麩を入れたザルを持って町へ売りに出かけます。
ただザルを持って歩くだけでは売れないと気づいたさきちは、大きな声で呼びかけることに。
茶と栗と柿と麩で「ちゃっくりがきぃふ!」。
何度も言ううちに楽しくなってきたさきち。
そこへ子どもたちやチンドンやまでやってきて、町中大騒ぎに!
『ちゃっくりがきぃふ』おすすめポイント
「ちゃっくりがきぃふ」「パッピ、プッペ、ポ」「チャン、チキチィーン、ドドォーン」。
この繰り返しがとても楽しいお話です。
お話の意味はまだわからなくても、言葉の面白さで落語の良さを味わえる絵本です。
『まんじゅうこわい』

出典:Amazon
作・絵:川端誠
出版社:クレヨンハウス
発行日:1996/3/1
値段:1,400円+税
対象年齢:3歳から
『まんじゅうこわい』あらすじ
自分が嫌いな”いきもの”について話し、盛り上がる町内の若者たち。
「おれは、なんといっても、へびが、きらいだねえ」「おれは、たぬきだ」と次々と披露します。
そして、最後に残った松つぁん。
嫌いなものなんかないと威勢のいいことを言うのですが、突然怖いものを思い出して伏せってしまいます。
なんとそれは”まんじゅう”!
松つぁんの枕元にまんじゅうを積み上げて驚かせてやろうと、若者たちは町中からまんじゅうを集めますが・・・・・・?
『まんじゅうこわい』おすすめポイント
子どもたちも怖がりそうな、若者たちの嫌いな”いきもの”に対して、松つぁんが怖がるのは”まんじゅう”です。
どうしてまんじゅうが怖いの?自分たちが怖いものはなに?と話も膨らみそうです。
16種類ものまんじゅうを買い集めるシーンも楽しいですよ。
”オチ”もわかりやすく、小さいお子さんでも落語の面白さを感じられる絵本です。
『ごんべえだぬき』

出典:Amazon
作:川端誠
出版社:KADOKAWA
発売日 : 2020/2/28
値段:1,400円+税
対象年齢:4歳から
『ごんべえだぬき』あらすじ
ごんべえさんの家で若者たちが集まって酒盛りをした夜。
皆が帰ったあと、ドンドン、と戸を叩いてごんべえさんを呼ぶ声がします。
様子をうかがうと、どうやら子だぬきがごんべえさんを寝かせまいといたずらをしている様子。
戸を開け、子だぬきを捕まえます。
そしてその翌日・・・・・・
『ごんべえだぬき』おすすめポイント
いたずらをする子だぬきがかわいらしく、小さいお子さんでも楽しめるお話です。
お仕置きをされたはずの子だぬきがまさかの再登場。
子だぬきの最後の台詞と、裏表紙の絵にご注目。
『えほん寄席 満員御礼の巻 』

出典:Amazon
文:桂文我
出版社:小学館
発行日:2007/2/28
値段:1,800円+税
対象年齢:3歳から
『えほん寄席 満員御礼の巻』あらすじ
NHKで放送されている『てれび絵本』内での人気コーナー『えほん寄席』が絵本になりました。
『満員御礼の巻』には、『たいらばやし』『んまわし』『大安売り』『めがねやどろぼう』『まんじゅうこわい』が収録されています。
『えほん寄せ 満員御礼の巻』おすすめポイント
桂文我による軽妙な文が、読んであげる側も楽しくなる絵本です。
著名イラストレーター達が描く落語の世界も魅力的。
放送音源のCD付きなので、読むだけでなく、耳や目でも楽しめる絵本です。
落語の絵本おすすめ人気作品 【5、6歳向け】

5、6歳になってくると、ちょっと怖い話を読んでみたり、長いフレーズを覚えてみるのもおすすめです。
『はつてんじん』

出典:Amazon
作: 川端誠
出版社: クレヨンハウス
発行日:1996/12/01
値段:1,400円+税
対象年齢:3歳から
『はつてんじん』あらすじ
新年になってから、初めて天満宮にお参りに行くことを『初天神』といいます。
その初天神へ出かける、父と子のお話です。
境内の屋台を見ては何でも欲しがる息子の金坊を、なんとかごまかしていたお父さん。
ところが、どうしても凧が欲しいという金坊に根負けして買ってあげることに。
さあ、凧をあげてみよう!
『はつてんじん』おすすめポイント
何かを買ってもらいたい金坊と、お父さんとのやり取りが楽しいお話です。
凧あげに夢中になると、親か子かなんて関係ない!
いつの間にか逆転する二人です。
最後の金坊の台詞が、クスッと笑えますよ。
『そばせい』

出典:crayonhouse
作:川端誠
出版社:クレヨンハウス
発行日:2004/12/01
値段:1,400円+税
対象年齢:3歳から
『そばせい』あらすじ
もりそばを40枚は食べるというおそばの清さんこと”そば清”さん。
そのことを知らなかった男から、15枚食べたら1分という賭けを持ちかけられ、見事に勝利します。
ところが、今度は男から50枚で5両の賭けをするように言われてしまうのです。
上手いことを言って、その場を逃れた清さん。
仕事先で出かけた信州で、50枚のそばを食べる工夫はないかと研究して回ります。
そこで見た、『うわばみ』の恐ろしい姿から秘策を練り、意気揚々と江戸へ戻りますが・・・・・
『そばせい』おすすめポイント
どうにか賭けに勝ちたいと考える清さん。
50枚のそばを食べようとする表情が何とも言えません。
最後はちょっとおかしくもあり、怖くもあり。
何事も”ほどほどに”ということを教えてくれる絵本です。
『じゅげむ』

出典:crayonhouse
作:川端誠
出版社:クレヨンハウス
発行日:1998/03/01
値段:1,400円+税
対象年齢:3歳から
『じゅげむ』あらすじ
子どもにめでたい名前を付けたいと、和尚さんに相談する父親。
長生きする名前をと『寿限無』という名前を提案され納得するのですが、他にはないかと尋ねます。
次に提案されたのは『五劫のすりきれ』。
更に『海砂利水魚』という名前も提案してもらいます。
そのあともたくさんの名前を提案してもらい、その中から選ぼうとしますが、どれも捨てがたい・・・・・・。
結局全部の名前を並べて付けることに。
世界一長い名前の男の子の誕生です!
『じゅげむ』おすすめポイント
NHKの『にほんごであそぼ』でもお馴染みの『寿限無』です。
名前を暗記している子どもも多いですよね。
なんと、136文字もあるのだそう。
声に出して読むのは大変ですが、その大変さがこのお話の面白いところ。
最後は、そりゃあそうだよね、と笑えます。
ぜひ親子で声に出して楽しんでみて下さい。
落語の絵本おすすめ人気作品 【小学低学年向け】

小学校に入った子どもには、漢字や、昔の時代背景などちょっと説明してみては。
楽しい絵本で新しい知識が増えますよ。
『いちはちじゅうのもぉくもく』

出典:Amazon
文:桂文我
絵:長野ヒデ子
出版社:ビーエル出版
発行日:2019/5/28
値段:1,300円+税
対象年齢:小学低学年から
『いちはちじゅうのもぉくもく』あらすじ
商家に住み込んで手伝いをする『でっち』のかめきち。
ある日、だんなからとなり町の『平林』さんへ手紙を届けるようにと言いつけられます。
実は物忘れがひどいかめきち。
字も読めないので「ひらばやし、ひらばやし」と唱えながら歩いて行くことに。
ところが途中で『平林』をなんと読むのか忘れてしまいます。
出会った大人たちに読み方を聞いて回るのですが、皆が違う読み方をして・・・・・・。
『いちはちじゅうのもぉくもく』おすすめポイント
「たいらばやしか、ひらりんか、いちはちじゅうのもーくもく、ひとつとやっつでとっきっき」。
『平林』はこんなにもたくさん読むことができるのです。
”一”と”八”と”十”で”平”、”木”と”木”で”林”。
漢字の形がわかる年齢の子どもたちはきっと大喜びです。
呪文のような言葉を、ぜひ声に出して読んでみて下さい!
『たがや』

出典:crayonhouse
作:川端誠
出版社:クレヨンハウス
発行日:2006/07/01
値段:1,400円+税
対象年齢:4歳から
『たがや』あらすじ
両国の川開き花火では「たまやーっ」「かぎやーっ」と歓声が上がります。
長屋に住む”たが屋”のしんさんも、身重のおかみさんを連れて住人たちと花火を見に出かけることに。
花火が上がりはじめてしばらくすると、なんと、子どもが産まれそうになってしまいます。
でも、ここは人が多くて身動きがとれない橋の真ん中。
さあ、どうする!?
『たがや』おすすめポイント
『たがや』の元々の噺は人が命を落とすお話ですが、命の誕生のお話へと作り替えられています。
江戸の人々の粋な計らい、おめでたいことにあやかろうとする様子が愉快です。
”たが屋”の仕事について九州まで取材に出かけて描かれたという、綿密なたが作りの場面にもご注目。
日本の古い文化にも触れられる絵本です。
『めぐろのさんま』

出典:crayonhouse
作:川端誠
出版社:クレヨンハウス
発行日:2001/12/1
値段:1,400円+税
対象年齢:3歳から
『めぐろのさんま』あらすじ
お殿様一行が馬を駆って目黒のひなびた里へやって来ます。
お昼どきでお腹を空かせたお殿様は、漂ってきたさんまのいい匂いにつられ、初めてさんまを口にします。
大根おろしと醤油をかけたさんまのおいしいこと!
「さんまとは美味」「目黒は、よいのう。かわりをもて!」とご満悦です。
それ以来、さんまが食べたくて仕方がない殿様ですが、お城で食べるのはお毒見が済んだ後の冷えた鯛ばかり。
お殿様は、おいしいさんまにまた出会えるのでしょうか・・・・・・?
『めぐろのさんま』おすすめポイント
お殿様がやっとの思いでありつけたさんまは、油が落とされ、骨は全部抜かれ、すり鉢で潰されて団子にされたもの。
大切にされるあまり、不自由なお殿様が少しかわいそうですが、その分、さんまを求める様子が面白く映ります。
銚子のさんまと目黒のさんま、お殿様の勘違いに気づけるかな?
お毒味や『下魚』など、時代背景を知ることもできる絵本です。
『おしりつねり』

出典:Amazon
文:桂文我
絵:北村裕花
出版社:ビーエル出版
発行日:2017/12/25
値段:1,300円+税
対象年齢:小学低学年から
『おしりつねり』あらすじ
とてもよく働く丁稚のつねきちですが、言われたことを覚えるのがとても苦手。
ある日、旦那さんからお隣へ伝言のおつかいを頼まれたのですが、やっぱり忘れてしまいました。
思い出す方法はただ一つ!
さあ、無事に思い出せるかな?
『おしりつねり』おすすめポイント
表紙のおしりの絵が目を引きますよね。
おしりをつねられると忘れたことを思い出す、という面白さと、つねきちのおしりに翻弄される大人たちの滑稽さ。
子どもたちが大好きな”おしり”がテーマで、絵もかわいいので、落語絵本の入り口としておすすめです!
『てんしき』

出典:KADOKAWA
作・絵:川端誠
出版社:KADOKAWA
発行日:2019/3/14
値段:1,400円+税
対象年齢:4歳から
『てんしき』あらすじ
和尚さんが医者に「転失気はありますかな?」と尋ねられます。
思わず知ったかぶりをして「いえ、てんしきは、ありません。」と答えてしまった和尚さん。
『てんしき』を知らないことを悟られたくない和尚は、小坊主の珍念さんに、人に聞いて借りてくるようにと言います。
さて、『てんしき』とは・・・・・・?
『てんしき』おすすめポイント
『てんしき』について知ったかぶりをした和尚さんや町の大人たち。
読み進めて『てんしき』が何のことかわかったとき、珍念さんと一緒に笑いたくなります。
和尚さんの最後の台詞は、落語らしい見事な”オチ”になっていて、思わず、うまい!と言いたくなりますよ。
知らないことは恥ずかしがらずに聞いた方がいいですね。
落語の絵本おすすめ人気作品 【小学中学年、高学年向け】

小学中学年以上は、落語の”オチ”をじっくり味わってみましょう。
『しにがみさん』

出典:Amazon
作:野村 たかあき
出版社 : 教育画劇
発行日:2004/3/1
値段:1300円+税
対象年齢:3歳から
『しにがみさん』あらすじ
「アジャラカ・モクレン・キュウライス・テケレッツのパア」
”しにがみ”から、病人に憑いた死に神を追い払う呪文を教わった若い父親。
食べ物を買うお金もない生活から抜け出すため、医者を始めます。
最初の患者は見事完治しますが、このまま上手くいくのでしょうか・・・・・・?
『しにがみさん』おすすめポイント
命とお金、どちらが大事?
どうして”しにがみ”はやって来たの?
色々と考えさせられるお話です。
ハラハラする展開に、最後はゾクッとしますよ。
版画で描かれたという絵も圧巻の迫力です。
『ときそば』

出典:Amazon
作:川端誠
出版社:クレヨンハウス
発行日:2007/12/1
値段:1,400円+税
対象年齢:4歳から
『ときそば』あらすじ
江戸の屋台のそば屋さんでのお話。
おしゃべりな客が、調子よくそば屋をおだてながらそばを食べます。
そば一杯は十六文。
その客はお勘定の時、わざわざ小銭を出して数え始めます。
「一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、今なん時だい?」。
「へえ、九つで」。
「十、十一、十二、十三、十四、十五、十六。おやすみ!」。
なんと、支払いを1文ごまかしたのです。
それを見ていた男。
次の夜、わざわざそば屋をさがして、自分も試してみようとしますが・・・・・・?
『ときそば』おすすめポイント
上手く支払いをごまかした客と、まねをしようとした男の対比が楽しいお話です。
どうも上手くいかない男の表情がどんどんおかしくなっていきます。
数のごまかしかたに気づいたら、子どもたちもきっとまねしたくなるはず。
そして、笑えます!
最後の2ページには、あの”そば清さん”の姿もあるので、探してみて下さいね。
『千両みかん』

出典:教育画劇
文・絵:野村たかあき
監修:柳家小三治
出版社:教育画劇
発行日:2020年4月3日
値段:1,300円+税
対象年齢:小学低学年から
『千両みかん』あらすじ
長いこと寝込んでいる大店の若旦那の胸につかえている思いは、何と”みかん”を食べたいということでした。
それならおやすい御用だと、今日のうちに用意すると請け合った番頭ですが、季節は夏。
暑い夏に、みかんは手に入りません。
それでも見つけなければ大変な目にあうと言われた番頭は、慌てて江戸中を探し回ります。
「みかん産む鳥、いません?」と聞いたり、逆さはりつけの様子を聞いて腰を抜かしたり。
やっとの思いで見つけた、たったひとつのみかんの値段は、なんと千両!
『千両みかん』おすすめポイント
慌てふためいてみかんを探す番頭の様子に、ドキドキハラハラしながら楽しめます。
一方で、ものの価値や、お金の価値について考えさせられるお話です。
みかんひとつが千両、つまり約一億円です。
姿を消した番頭のその後について思いを馳せながら、考えてみてみては。
落語の絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?

落語の絵本の選び方①楽しいフレーズがあるものを選ぶ
落語ならではの、思わず口にしたくなるフレーズがある絵本がおすすめです。
『ちゃっくりがきぃふ』や『じゅげむ』など、声に出して楽しいフレーズが出てくる絵本がたくさんあります。
お話を理解するのがまだ難しい年齢でも言葉の面白さを味わえるので、親子で楽しめますよ。
落語の絵本の選び方②身近な題材のものを選ぶ
身近なものが出てくる絵本を選んでみましょう。
落語絵本は元々の落語の面白さに絵の楽しさもプラスされているので、目でも楽しむことができます。
”おしり”や”まんじゅう”など、よく知っているものがテーマになっていると、どんなお話かな?と小さい子どもたちも興味を持ってくれますよ。
落語の絵本の選び方③年齢にあった”オチ”の絵本を選ぶ
落語の”オチ”は、クスッと笑えるものや思わず大笑いしてしまうもの、あれ?となった後に意味がわかってくるものなど、様々です。
楽しい”オチ”のお話はどの年齢でも楽しめますが、大きくなってきたら、もうひとひねり。
『めぐろのさんま』や『千両みかん』など、昔の時代背景や主人公の置かれた状況がわかってからこそ理解できるお話もあります。
読んだ後、親子で話が膨らみますよ。
【落語の絵本まとめ】落語の絵本でユーモアたっぷりな話し上手に!

落語絵本は、面白い落語を、更に子どもにもわかりやすいように描いているのが特徴です。
絵本で触れた楽しいフレーズや、ちょっとした豆知識は誰かに話したくなりますよね。
起承転結がはっきりしていてテンポもよいので、色々読んでいるうちに話し上手になれるかも。
読み聞かせをするときは、ぜひ情感たっぷりに、落語家気分で読んであげて下さいね。

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