洋の東西を問わず、馬は昔から人間との結びつきが強い生きものです。
はるか昔の神話の時代から、ケンタウロスやペガサスなどもいましたね。
そして、時が経つと、農耕馬や伝令馬、騎馬や競走馬などたくさんの役目を担ってくれています。
今回は、馬が登場するおすすめの絵本を年齢別に15作品紹介します。
国語の教科書でもおなじみの、モンゴルを舞台にした『スーホの白い馬』や、馬に乗って日本一周をした『馬のゴン太旅日記』。
圧巻のイラストで世界中をとりこにした『ぼく モグラ キツネ 馬』。
小さな子どもから大人まで、幅広く長く楽しめる絵本を揃えました。
馬の絵本おすすめ人気作品【0、1、2歳児向け】
小さな子どもにとっては、こうまだってとても大きく見えます。
いつかは実際の馬に乗ると夢見て、いまは木馬でたくさん遊びましょうね。
まず、0歳から2歳の子ども向けの絵本を紹介します。
『ぱかぱか』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:福知伸夫
出版社:福音館書店
発行日:2014年1月
値段:800円+税
対象年齢:0歳から
『ぱかぱか』のあらすじ
赤いスカーフを巻いた茶色の馬が、草原をかけ抜けています。
ぱかぱか、ぱかぱか。
石や花、ハトや小川と飛び越えて、おうちに帰ります。
『ぱかぱか』のおすすめポイント
「ぱかぱか、ぽーん」や、「ぱかぱか、ひょいっ」などの音が楽しい絵本。
同じ「ぱかぱか」を繰り返した後に出てくる違う言葉で、意外性も楽しめます。
ハトを飛び越えた時のうまの表情が、いたずらっこのようでかわいらしいですよ。
『カイちゃんのうま』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:マッツ・レテン(作)、なかたかずこ(訳)
出版社:小峰書店
発行日:2005年2月
値段:700円+税
対象年齢:2歳ごろから
『カイちゃんのうま』のあらすじ
小さいカイちゃんは馬のおもちゃが大好きです。
だって馬は高く跳べる上に、とっても早く走ることができるんですもの。
カイちゃんは、ぬいぐるみのリーせちゃんを背中に乗せて、おうまさんごっこ始めました。
『カイちゃんのうま』のおすすめポイント
「カイちゃんえほんシリーズ」の中の1冊です。
小さなカイちゃんが、ごっこ遊びで馬になってぬいぐるみを背中にのせていながら、馬からおちたら痛いという現実を知っていることに驚きです。
最後にはカイちゃんのママも加わって一緒に遊びます。
読後は、おうまさんごっこをせがまれそうですね。
『ふゆのうま』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:手島圭三郎
出版社:絵本塾出版
発行日:2010年12月
値段:1,500円+税
対象年齢:2歳ごろから
『ふゆのうま』のあらすじ
秋の終わり、かれはの少女が踊ります。
ふゆのこうまを待ちながら。
空をこえてやってきたふゆのこうまは、かれはの少女と踊るうちに大きくなりました。
さぁ、今から冬を呼び込みにいきましょう。
『ふゆのうま』のおすすめポイント
手島圭三郎の版画による、圧倒的な幻想の世界。
美しい言葉とともに呼び込んだ冬の象徴たちは、息をのむほどの迫力で冬の自然のすばらしさを見せてくれます。
強い秋風が吹き、冬の訪れを感じ始めた頃に、おすすめの絵本です。
馬の絵本おすすめ人気作品【3、4歳児向け】
どきどきしながら、馬にニンジンをあげてみて。
遠くからでは見られなかった、面白い顔を見ることができますよ。
次は、3歳から4歳の子ども向けの絵本を紹介します。
『えをかくかくかく』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:エリック・カール(作)、アーサー・ビナード(訳)
出版社:偕成社
発行日:2014年2月
値段:1,400円+税
対象年齢:3歳から
『えをかくかくかく』のあらすじ
「ぼくはえをかく。えをかけば、ぼくは、えかきだ。」
筆をとった少年が描いたのは、あおいうま、あかいわに、きいろのうし。
ぼくはかく、かく、どんどんと。
『えをかくかくかく』のおすすめポイント
『はらぺこあおむし』や『くまさんくまさんなにみてるの?』の作品を残した、世界的に有名なエリック・カールによる絵本。
色彩の魔術師とも言われた作者が、少年時代に影響を受けた作品をもとに、子どもたちへ絵を描く楽しさを伝える1冊です。
『エドワードとうま』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:アン・ランド(文)、オーレ・エクセル(絵)、谷川俊太郎(訳)
出版社:岩波書店
発行日:2015年9月
値段:1,400円+税
対象年齢:3〜4歳ごろ
『エドワードとうま』のあらすじ
エドワードの住む場所は、大きな街にあるマンションの21階。
そのマンションは“いぬ ねこ おことわり”の張り紙が玄関口に貼ってあるので、エドワードは気に入りません。
動物好きのエドワードは思いつきました。
いぬでもねこでもない、うまを飼えばいいじゃない!
『エドワードとうま』のおすすめポイント
一番大好きな動物、うまを飼うために必死に自分の気持ちをまわりに訴えるエドワード。
そこへ、スミッティという馬が街にいて、なんと自分で生計までたてているという話を聞きます。
夢を持ち、それを周りに話すことで、自分のやりたいことができるようになる少年と、協力するまわりの人たちの素敵な話です。
『スーホの白い馬』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:大塚勇三(文)、赤羽末吉(絵)
出版社:福音館書店
発行日:1967年10月
値段:1,400円+税
対象年齢:4歳から
『スーホの白い馬』のあらすじ
モンゴルに住む羊飼いの貧しい少年、スーホ。
ある日、スーホは道端で小さな白い馬を拾いました。
スーホが心を込めた世話をしたおかげで、こうまは立派に育ちました。
ある年の春、殿様が「優勝者には娘と結婚させる」という競馬大会が開かれました。
『スーホの白い馬』のおすすめポイント
小学校の国語の時間に読んだ記憶がある方も多いでしょう。
この絵本では、教科書に載せきれなかった細かいエピソードも読むことができます。
スーホの白馬への愛情、羊飼いとしてのプライド、白馬のスーホへの思い。
悲しい話ではありますが、スーホと白馬の間にあるつながりに何かを感じてもらえるはずです。
『くろうまブランキー』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:伊東三郎(文)、堀内誠一(絵)
出版社:福音館書店
発行日:1967年11月
値段:900円+税
対象年齢:4歳から
『くろうまブランキー』のあらすじ
小さなお百姓さんのもとに生まれたブランキー。
ブランキーの飼い主は成功し、大きな家を建てて暮らしています。
けれども意地悪な飼い主は、ブランキーの馬小屋を作らず、年老いたブランキーを激しく殴打しました。
あるクリスマスの日、倒れているブランキーを見つけたのは、なんとサンタクロースでした。
『くろうまブランキー』のおすすめポイント
こうまの頃からずっと必死に働いてきたブランキー。
サンタクロースに拾われると、空をかけながらサンタクロースのそりを引いて気持ちよく走ります。
仕事が終わった後、サンタクロースの足元で眠るブランキー。
この描写をどう捉えるのか、子どもの年齢によって変わってくるかもしれないですね。
『うまかたやまんば』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:おざわとしお(再話)、赤羽末吉(絵)
出版社:福音館書店
発行日:1998年10月
値段:1,200円+税
対象年齢:4歳以上
『うまかたやまんば』のあらすじ
うまかたは、魚を運びながら峠を越える途中で、やまんばに襲われました。
やまんばに魚も馬も食べられて、うまかたは命からがらある家に隠れました。
するとその家の主が帰ってきたのですが、それがなんとやまんばでした。
うまかたの仕返しが始まります。
『うまかたやまんば』のおすすめポイント
宮城県に伝わる昔話が絵本になりました。
横長、縦長と見開きページいっぱいに描かれるうまかたとやまんばのやりとり。
昔話特有の言い回しや聞き慣れない言葉に、興味がつきない1冊です。
リズミカルな文章も心地よく、声に出して読みたい絵本です。
馬の絵本おすすめ人気作品【5、6歳児向け】
乗馬するなら、ポニーかな。
でももうこんなに大きくなったのだから、馬に挑戦してみましょうか。
ここからは、5歳から6歳の子どもにおすすめの絵本を紹介します。
『ウマの絵本』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:こうどうせいじ(編)、もりまさゆき(絵)
出版社:農山漁村文化協会
発行日:2009年4月
値段:2,500円+税
対象年齢:5歳から
『ウマの絵本』のあらすじ
人間の大切なパートナーであるウマは、走るために進化した生きものです。
車がまだなかった時代、ウマは人間が乗る一番はやい乗りものでした。
ウマと人間の歩みや、ウマの選び方、ウマの飼い方などを描いたウマに乗るための絵本です。
『ウマの絵本』のおすすめポイント
たくさん写真とともに、ウマと人間の歴史を解説してくれる写真絵本です。
ウマに乗って楽しむことを最終目標に、いちからウマの生態やお世話の仕方を教えてくれます。
『しょうぼう馬のマックス』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:サラ・ロンドン(文)、アン・アーノルド(絵)、江國香織(訳)
出版社:岩波書店
発行日:1998年11月
値段:1,800円+税
対象年齢:5歳から
『しょうぼう馬のマックス』のあらすじ
行商人のおじいさんの馬車をひくマックスは、もともとはマクシミリアンという名前のしょうぼう馬でした。
行商の途中でも、火事を知らせる鐘の音が聞こえると、思わずそちらの方へ走って行ってしまうマックス。
困ったおじいさんは、ある作戦を思いつきました。
『しょうぼう馬のマックス』のおすすめポイント
昔のイギリスの街並みが描かれた絵本です。
行商中ののどかな風景から一転、火事を知らせる鐘の音を聞いた瞬間に走り出すマックスの描写は、とんでもない迫力で思わず笑ってしまいます。
しょうぼう馬や行商といった少し聞き慣れない言葉も、興味をひくところです。
『名馬キャリコ』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:バージニア・リー・バートン(作)、せたていじ
出版社:岩波書店
発行日:1992年6月
値段:900円+税
対象年齢:5歳から
『名馬キャリコ』のあらすじ
カウボーイのハンクと馬のキャリコは大の仲良し。
小さい頃にハンクにオオカミから助けてもらってから、キャリコはハンクのためならどんなことだってするつもりです。
ふたりが力を合わせて、牛を盗んだ5人組の悪党に立ち向かいます。
『名馬キャリコ』のおすすめポイント
人気作家バージニア・リー・バートンの作品です。
版画のような色使いが特徴の今作、コマ割りは漫画のようで、一風かわった絵本になっています。
5人組の悪党とのやりとりも、二転三転するので、最後までハラハラドキドキと楽しめる絵本です。
『はちみついろのうま』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:小風さち(文)、オリガ・ヤクトーヴィチ(絵)
出版社:福音館書店
発行日:2001年4月
値段:1,500円+税
対象年齢:5〜6歳ごろから
『はちみついろのうま』のあらすじ
美しい髪を持つ娘が、隣村の若い鍛冶屋のために、森へキノコと木いちごを取りに出かけました。
いつの間にか魔物が住むと言われる場所にまで足を踏み入れてしまい、突然あらわれて鬼婆に、うまの姿に変えられてしましました。
馬小屋に閉じ込められた娘は、鍛冶屋に会うためにあることを鬼婆に言います。
『はちみついろのうま』のおすすめポイント
淡くやさしい色使いで、目を奪われる美しさの絵本です。
昔のスラブの田園風景を描き、娘たちの服装もまた民族衣装のようで美しい。
娘と鍛冶屋の心が繋がっていることで、無事にハッピーエンドを迎えます。
馬の絵本おすすめ人気作品【小学生以上向け】
乗馬の体験に行くと、馬をとても間近で見ることができます。
顔やたてがみを触ったり、口の中やひづめの裏などを見たりすることで、もっと馬のことを知りたくなります。
最後に、小学生以上の子ども向けの絵本を紹介します。
『白い馬』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:松本猛(文)、東山魁夷(絵)
出版社:講談社
発行日:2012年7月
値段:1,906円+税
対象年齢:小学生以上
『白い馬』のあらすじ
少年が森を歩いていると、湖畔に白い馬を見つけました。
白い馬が少年に語りかけると、導かれるままに少年は白い馬と旅に出ます。
最後にたどり着いたのは、ザルツブルグ。
白い馬は、自分はここで生まれたのだと言いました。
『白い馬』のおすすめポイント
昭和を代表する日本画家、東山魁夷の「緑響く」を元に構成された絵本です。
若い頃にドイツ留学をし、ドイツとオーストリアの風景を愛し、モーツァルトを作品制作時にも聞いていたという東山魁夷。
この作品に出てくる白い馬とは、なんとモーツァルト。
作品の背景を知ると、もっとその奥のことも知りたくなりますよ。
『馬のゴン太旅日記』
画像引用:小学館『馬のゴン太旅日記』
作者:島崎 保久(原作)、関屋 敏隆(文・版画)
出版社:小学館
発行日:1984年5月
値段:1,460円+税
対象年齢:小学生以上
『馬のゴン太旅日記』のあらすじ
ぼくは、北海道でくらしていた道産子馬のゴン太。
ある日、島崎という男性がやってきて、これから九州まで旅をしようと言ってぼくを連れ出した。
なんだか馬にも上手に乗れないみたいだし、どれほどの長い道のりかもわからないし、大丈夫なのかな?!
『馬のゴン太旅日記』のおすすめポイント
馬の目線から旅の様子を描いた旅日記絵本です。
色鮮やかな版画で、旅というのはとっても楽しいものだと思わせてくれます。
昔の日本の人々のおおらかさ、北海道から九州まで旅に出てしまう島崎と、それに付き合ってゴン太の我慢強さに感動しますよ。
『ぼく モグラ キツネ 馬』
画像引用:Amazon.co.jp
作者:チャーリー・マッケンジー(作)、川村元気(訳)
出版社:飛鳥新社
発行日:2021年3月
値段:2,000円+税
対象年齢:小学生以上
『ぼく モグラ キツネ 馬』のあらすじ
ぼくは食いしんぼうのモグラに出会った。
モグラとふたりでいるうちに、今度は疑り深いキツネと会った。
最後に、大きくておだやかな馬に出会った。
彼らがぼくにくれるのは、面白くて、楽しくて、感動する言葉の数々。
『ぼく モグラ キツネ 馬』のおすすめポイント
イギリスとアメリカの両国で100万部を越えるベストセラーとなった絵本が日本語訳で登場です。
「人生はむずかしい。でも、きみはたしかに愛されているよ。」
味わい深い筆で描かれた絵と、心に染み込む言葉で、子どもから大人までじっくりと読みたくなる1冊です。
馬の絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?
たくさんの馬の絵本がありましたね。
ここでは、選び方のポイントを紹介します。
ぜひ参考にしてください。
馬の絵本の選び方① 昔の馬と人間との関わりを描いた絵本
馬は日本の昔話にも西洋の昔話にも、よく登場します。
1人で騎乗するものや、馬車として数頭でひくもの、車がなかった時代に大活躍していました。
生まれた時から車がある子どもたちにとって、昔の馬と人間の関係を知るのは、興味深いものです。
馬の絵本の選び方② 今の馬と人間との関わりを描いた絵本
馬と触れ合う機会といえば、牧場を訪れるときや、乗馬をするときぐらいしかありませんね。
速さでは馬は車にはとても敵わない。
それでも人間は馬に魅力を感じて、あの大きな背にまたがってゆっくりと共に歩きたくなるのです。
馬の絵本の選び方③ 想像の世界を駆ける馬を描いた絵本
冬を呼び込む馬や、ヨーロッパの空をかけめぐる馬など、馬が想像の世界に出てくることも数知れず。
人間との歴史が長いからこそ、想像の世界に出てくることも違和感なく受け入れられるのかも知れません。
【馬の絵本まとめ】
馬が登場する絵本を15作品紹介しました。
いかがでしたか?
ポニー、道産子、アラブ種やサラブレッドといくつかの有名な種を聞いたことがある方は多いでしょう。
昔から人間と共にいたからこそ、日本以外の国のお話もたくさんありましたね。
ヨーロッパの国では2021年の今でも乗馬がさかんで、森の散歩道で馬とすれ違うことがよくあります。
日本では牧場や乗馬クラブで、乗馬の体験ができることもありますね。
お気に入りの馬の本を見つけたら、ぜひ本物の馬に会いに出かけてください。
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