今回は、梅雨時におすすめの絵本を、赤ちゃんから小学生まで大まかな年齢層に分けて紹介します。
じめじめきた空気、どんよりとした雲、何日もお天道様が見えない日が続く梅雨時は、気持ちもグレーになってしまいそうです。
子どもは外で遊べず思い切り走れないので、何となくエネルギーを持て余しぎみ。親だって、出かけるのは億劫になりがち。「早く梅雨明けないかな?」と天気予報をチェックしてしまいます。
確かに雨で行動の制限はいくつか出来てしまいますが、雨だってそう悪いことばかりではありません。逆に言えば、家で親子水入らずで過ごす時間を作る良いチャンスになります。雨水が伝う窓を眺めながら、そんな雨にまつわる絵本を読むというのも良いですよ。
梅雨の絵本には、カエルやあじさいなどの梅雨らしいものもたくさん登場。
「雨降るとつまんない!」と嘆く子どもが、雨の日も有意義に過ごせる絵本を選んでみてください。
梅雨に読ませる絵本の選び方【どんなのがおすすめ?】

雨にまつわる絵本は実に数多く出版されています。
その中からどれを選ぼうかと考えたとき、これから紹介する絵本と共に選び方も参考にしてみてくださいね。
梅雨の絵本の選び方①雨を楽しめる絵本を選ぶ

雨が屋根を叩く音、窓を伝う雫の流れなど、いつもの風景が雨が降ることで様変わりします。そんな何気ない音や風景を絵本を通じて意識を向ければ、新たな気づきに出会うことができます。
また、本のなかで雨をめいいっぱい楽しむ登場キャラクターたちや、美しい雨粒を表現したイラストを目にすれば、雨の日が少し特別なものに感じられますよね。
そうして、雨の日には雨の日なりの楽しさを伝えることが出来れば、雨の中出かけないといけないときも、子どもも楽しくお出かけできます。
梅雨の絵本の選び方②室内での楽しい過ごし方がわかる絵本を選ぶ

外で元気に走り回ることが大好きな子どもにとって、雨は天敵になりがちですよね。
いつもは外で過ごしていた時間をどう過ごせばいいのかと時間を持て余してしまうこともあります。
そんな時、絵本を読み聞かせてあげることで、室内で読書をする楽しさを伝えることが出来ます。また、雨をテーマにした絵本は外で雨に触れるシーンと同じくらい、室内で雨がやむのを待っているシーンが多いです。
そして子どもが絵本の中のキャラクターたちと自分を重ねて、想像したり考えるようにななるのです。
梅雨の絵本の選び方②晴れの日にはない魅力を感じる絵本を選ぶ

雨が降っていると生き生きとする生き物や、雨が降ったあとしか見れない光景など、晴れの日にはないものを絵本を読むことで知ることが出来ます。
そうして普段何気なく接している、自然の移り変わりに興味を持ってもらえれば、それをきっかけにどんどん好奇心の幅を広げることが出来ます。また読み聞かせをする親も、そんな雨の日の魅力を再認識出来ます。
絵本を読み終わった後、親子で雨の日の特別を探してみれば、ちょっと濡れることぐらいへっちゃらになりますね。
絵:松成 真理子
出版社:のら書店
発行日: 2014/5/1
値段+税:1,404円
雨の中の光景が繋がる絵本
この絵本はみずたまから始まる雨の連想ゲームのように、飛ばされる帽子や水溜りに浮かぶ葉っぱなどへと場面が繋がっていきます。
一面に咲き誇る紫陽花や雨が上がって日の光が差し込む空、この絵本には雨にまつわる美しいものがたくさんつまっています。
次にどんなものが繋がっていくのか予想しながら読むのも、楽しみ方の一つです。雨の中にはこんなにきれいなものが溢れていることを、子どもに伝えるにはうってつけの絵本です。
絵:高見 八重子
出版社: ひさかたチャイルド
発行日:2009/5/1
値段+税:1,296円
童謡をやわらかなイラストと共に楽しむ絵本
テレビや幼稚園などあらゆるところで知る機会が多い、日本の歌百選にも選ばれた童謡を絵本で楽しめる一冊。
やわらかなタッチのイラストで、雨が降る山の風景や小川を覗くくまのこの姿をじっくり楽しむことができます。全然雨がしのげていないのに、頭に葉っぱをのせることで傘をさしたと表現するくまのこの姿はとても愛くるしいです。
読み聞かせはもちろんですが、表紙の裏についている楽譜で演奏しながら絵本を子どもにめくってもらう、素敵な楽しみ方が出来ます。
『かさちゃんです。』

出版社: 童心社
発行日:2016/4/18
値段+税:864円
雨の日に傘を持つのが楽しくなる絵本
玄関に置いてあった傘が、独りでに外に飛び出しお出かけするかさちゃんが主人公の絵本です。
最初は一本だったのがどんどん増えてカラフルなかさちゃんの集団になり、雨の中を踊ります。しかし、途中で雨があがってしまい、かさちゃんたちはキョトンとしてしまいます。
しかしその後、かさちゃんたちは空へと舞い上がりお出かけ続行。最後にちゃんと家に帰ってきて雨の日には一緒にお出かけします。
この絵本を読んだら、傘を乱暴には扱えなくなりますね。
出版社:講談社
発行日:2014/5/15
値段+税:1,296円
優しさと雨の音に溢れた絵本
雨が窓を叩く音に誘われ、女の子がお気に入りの雨具を持ってお散歩に出かけるストーリー。
途中に出会うかたつむりや蛙に、惜しげもなく雨具を貸してあげる女の子の姿にはほっこりしてしまいます。
雨の音が随所にちりばめられているので、読み聞かせではリズミカルにストーリーを聞かせてあげることができます。
雨の日でも外に出かけたくなる絵本です。
『雨、あめ』

出版社:評論社
発行日:1984/6/1
値段+税:1,512円
ストーリーは読む人次第
この絵本には文字が一切ありません。なので、どんなストーリーになるかは読み聞かせする方次第になります。
絵本は、女の子と男の子が外で遊んでいると雨が降りだすところから始まります。雨の中を遊んだあとは家でゆっくり過ごしたりと、二人の1日が事細かに描かれているので、ストーリーを考えなくちゃと気負う必要はありません。
子どもと一緒にページをめくり、二人の鮮やかな1日を脚本してみてはいかがでしょうか。
『かたつむりののんちゃん』

絵:仲川 道子
出版社:童心社
発行日:1999/6/20
値段+税:918円
ファンタジーな世界で生態の不思議が知れる絵本
かたつむりののんちゃんが雨の中を元気にお出かけするストーリーですが、かたつむりの生態も一緒に知れるこの絵本。
冒頭から殻の中の体の上からうんちをしたり、潜らない程度の水上をはってやすでを助けたりと、実際のかたつむりの生態が忠実に描かれています。
子どもから「なんで?」と質問がきても、最後のページにかたつむりの生態解説が載っているので、親も焦らずに済みます。
虫の中でも不思議な生き物かたつむり、雨の日に出会ったときがより楽しく観察することが出来ます。
出版社:福音館書店
発行日: 2018/9/26
値段+税:972円
草影に広がる小さな世界
てんとう虫のような姿の父と子どもが、おばあちゃんの家へかたつむりタクシーに乗って向かいます。
二人の家や道中の建物は、人間の食べ物の容器を再利用したものばかり。途中、水中へ潜ったりアスレチック広場を通り過ぎたりと、小さな住民たちの暮らしが覗けます。
雨といえば、かたつむり。そんなかたつむりがこんな世界で働いていたらと、想像を掻き立ててくれる一冊です。
出版社: 講談社
発行日:2018/6/14
値段+税:1,512円
実際やられたら大絶叫?
外で一人遊んでいた男の子の上に、黒い雲が迫ってきてポツポツ雨が降り始めます。初めは傘を持っていた男の子ですが、雨脚が強くなってからはなんと傘を放り投げ、靴も脱いで大はしゃぎ。
みずたまりに飛び込んだり、降り注ぐ雨の声を想像しながら全身で雨を受け止めます。雨の描写や雨のなかをかける男の子の動きがダイナミックかつリアルに描かれています。
とても楽しそうですが、実際ご自身の子どもに同じことをされたら親はたまったものではありませんね。
『おじさんのかさ』

出版社: 講談社
発行日:1992/5/22
値段+税:1,512円
大切にすることの意味を考える絵本
あまりにも傘が大切すぎて、傘を持っているのに雨宿りしたり知らない人の傘にお邪魔して、雨を凌ぐおじさん。
ある日、雨宿り中のおじさんの元へ、男の子がやって来て声をかけてきますがおじさんは無視をします。その後、男の子を知る女の子がやって来て二人仲良く帰っていきますが、二人の歌におじさんは耳を傾け好奇心をくすぐられます。
そして、おじさんは後から奥さんにびっくりされるような行動に出ますが、おじさんにどんな心境の変化があったのかは絵本を開いてからのお楽しみ。
おじさんのように大人もやりがちな、大切なものの扱い方を考えさせられる絵本です。
『あめのひ』

訳:吉上 恭太
出版社: 徳間書店
発行日:2017/6/13
値段+税:1,728円
リアルさとファンタジーが入り交じる絵本
家の窓からしきりに窓を見上げる男の子と、手紙を書くおじいちゃん。男の子は雨の中で遊びたい、船に乗って海の怪獣と遊びたいとおねだりしますが、おじいちゃんからは「あめがやんだらね」の一点張り。
しかし、おじいちゃんの手紙が書きあがる頃には雨があがります。そこから、男の子が待ち望んでいたことのオンパレードです。
雨が降るシーンや雨があがった後の水溜まりの描写がとてもリアルで美しく、ファンシーなイラストとの不思議なマッチで惹き付けられる絵本です。
『あめふりのおおさわぎ』

訳:小川 仁央
出版社:評論社
発行日: 2002/7/1
値段+税:1,404円
町中大騒ぎのすったもんだストーリー
町に降り出した雨をきっかけに、小さな出来事が連なってどんどん大事へ発展していく、まるでひとつのカラクリ装置見ているような絵本です。
にわか雨に驚く動物たちは仕方ないにしても、ささいなことでイライラを爆発させる大人はかなり滑稽です。この大パニックが一体どうやって終息するのか、その結末には呆れながらも丸く収まって一安心します。
力強く色彩のはっきりとしたイラストと、どうしてそうなる?!とツッコミどころ満載のストーリーで、ブルーになった雨の日も笑顔に変えてくださいね。
『あめ』

訳:ひだに れいこ
出版社: 亜紀書房
発行日:2017/1/26
値段+税:1,404円
雨の不思議がつまった一冊
雨が降る空を眺めていたシャロッテの眼鏡に落ちてきた、雫の二人組が自分たちの冒険を語るストーリー。
地上に降り注いでまた空に上がって雲になる、しっかりとした気候の解説がファンタジーに描かれています。雨に打たれて慌てる人々をからかったりする雫たちは、ちょっと生意気ながら憎めない愛嬌に溢れています。
雨の仕組みを楽しく知れるこの絵本を読んだ後は、理科への興味が増すこと間違いありません。
『あめのひの おるすばん』

出版社:至光社
発行日:1968/6/1
値段+税:1,296円
女の子の不安が手に取るように伝わる作品
この作品は、“いわさきちひろ”が文章も手掛けた最初の絵本。
雨が降る中、おかあさんが「すぐに帰ってくる」と言って出かけてしまい、女の子が一人お留守番をする様子が描かれた絵本です。
ただでさえ不安な留守番の最中に、鳴り響く音に怯えてカーテンにくるまる姿には、胸が苦しくなってしまいます。
不安なのは自分だけじゃない子どもが思える一方、大人と子どもの時間の流れ方が違うことを再認識させられ、親も考えさせられる作品です。
『たいふうがくる』

出版社:BL出版
発行日:2009/12/1
値段+税:1,404円
一度は誰もが経験した台風への気持ち
学校が早退になり、台風に向けて準備をする両親をふてくされたように見つめるぼく。海に行く予定を延期させられてなお、ぼくが諦めがつかないなか台風は上陸してきます。
海への思いを断ち切れずに外を眺めるぼくに構うことなく轟音を響かせる台風。ぼくは夢の中でその台風に立ち向かっていきます。
台風へのぼくの心境が、モノクロで描かれたイラストと共に繊細に綴られたこの絵本。最後の1ページは、梅雨明けを迎えて見える空と同じ色をしています。
『あめがふるふる』

出版社:フレーベル館
発行日:2017/5/8
値段+税:1,512円
お留守番中の大冒険
おかあさんに雨が降っているから家で過ごすようにと言われ、ネノくんとキフちゃん兄弟はお留守番をします。
おかあさんがバスに乗って出かけていくのを窓から見つめていると、なんと次々と窓の外に生き物たちがやってきます。「あそぼうよ!」と誘われますが、おかあさんとの約束があるのでネノくんがきっぱりお断り。
ところが、二人はいつの間にか大きな魚の上。水陸関係なく、いろいろな動物たちと楽しくお留守番の時間を過ごします。
お留守番をそろそろ任され始める子どもたちにしたい、空想や想像力溢れる絵本です。
『あめがふるときちょうちょうはどこへ』

絵:レナード・ワイスガード
訳:岡部 うた子
出版社:金の星社
発行日:1974/08
値段+税:1,080円
生き物たちの雨宿りを覗いてみよう
雨が降ると人間は室内で過ごすということができますが、他の生き物はどうしているのだろう?言われてみればわからない、ささやかだけれど気になるテーマの絵本です。
小鳥やバッタ、めうしなど、さまざまな生き物たちの雨の日の過ごし方が、静かに降る雨を思わせる落ち着いた色合いで描かれています。
メインテーマのちょうちょはどう雨を凌いでいるのか?どうぞ、親子で想像したり、実際に探したりしてみてください。
『みずたまり』

絵:松成 真理子
出版社:偕成社
発行日:2011/5/11
値段+税:1,080円
辛くても覚えていたい光景が描かれた絵本
主人公のタクが雨上がりの公園で一人、ブランコの下に出来たみずたまりを覗き、不思議な体験をします。
それはタクの気のせいだったのかもしれませんが、忘れてはいけない大切なことを思い出させてくれます。みずたまりを覗いた後日、ある光景をテレビで見たタクの心境や成長はとても感慨深いです。
タクと同じように私たちも、日常の中に記憶を埋もれさせて忘れてしまいがちな大切なことが、この絵本には丁寧にしっかりと描かれています。

雨やそれにまつわる物を題材にした絵本を並べましたが、まさかこんなにバラエティー豊かにあるとは驚きですよね。
雨音が楽しい絵本もあれば、ちょっと怖く感じてしまう絵本もある、同じ雨のはずなのにその時の心境によって大きく変わってしまうことがわかります。また、身近にありすぎて気づけないことに気づかせてくれることもたくさんあります。
これを機に梅雨時は、雨をテーマにした絵本を読み聞かせたり、子どもに読んでもらっていたら、あっという間に梅雨明けはすぐそこになりますよ。







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