お姫様の物語の中で唯一、悲しい結末を迎えてしまうアンデルセン童話の人魚姫。
女の子であれば読んだことがある人も多いのではないでしょうか。
人魚姫の儚くも美しい恋のストーリーや海の世界は、今も多くの人を魅了し続けています。
今回はそんな人魚姫のあらすじを紹介し、内容を考察していきます。
人魚姫の登場人物に名前はあるのか、怖い要素、おすすめ絵本なども紹介していきます。
紹介する絵本は、大人気絵本作家いわさきちひろと美しい日本語訳が印象的な曽野綾子の『にんぎょひめ』、英語版の人魚姫『The Little Mermaid』の2冊です。
おすすめポイントと合わせて詳しくお話ししていくので最後までお付き合いください!
アンデルセン童話・人魚姫の登場人物と名前

人魚姫の登場人物は以下の通りです↓
- 人魚姫
- 人魚姫の5人の姉達
- 魔女
- 人間の王子
- 人間の王子の婚約者
ちなみに、人魚姫の登場人物たちに名前はありませんでした。
登場人物がわかったところで、アンデルセン童話・人魚姫の内容を一緒に見ていきましょう。
アンデルセン童話・人魚姫のあらすじ内容

6人姉妹の末の子である人魚姫は、15歳の誕生日に海の底から上に行くと、船に乗っていた人間の王子に恋をしてしまいます。
「なんて、素敵な王子様なのでしょう!」
ところがその夜、嵐が起きて王子は海に放り出され、人魚姫は彼を助けるのでした。
浜辺に王子をおいて海に帰ってからも、人魚姫は人間の王子のことが頭から離れません。
もう一度王子に会いたい気持ちを抑えられなくなった人魚姫は、海の魔女の家を訪れて、声と引き換えに人間になることにを決心します。
「人間の足を得ても歩くたびにナイフで刺されるような激痛が走り、王子の愛を貰うことができなければ、海の泡となって消えてしまうだろう」
魔女からの警告を受け入れた人魚姫は、薬を飲んで人間の世界に行くのでした。
人間の姿で倒れていた人魚姫に王子が声をかけますが、声が出ません。
魔女の言った通り、人魚姫は声も出せなくなり、人間の足を手に入れたものの歩くたびに激痛が走るのでした。
人魚姫は王子と一緒に宮殿で暮らせるようになりましたが、王子は彼女が命の恩人だと知りません。
王子は人魚姫を可愛がってくれたのですが、ある日縁談話が持ち上がります。
縁談話の女性が命の恩人であると誤解した王子は、彼女との結婚を決めてしまいます。
人魚姫の恋が叶わないことを知った人魚姫の5人の姉たちは、髪と引き換えに魔女から短剣をもらって人魚姫に差し出します。
「この剣で王子を刺しなさい。そうすればあなたは人魚に戻れるのよ」
優しい姉たちは、大事な髪を魔女に差し出してまで人魚姫を救おうとしてくれたのです。
人魚姫は眠っている王子に短剣を構えますが、刺すことができませんでした。
「王子様を刺すくらいなら、私が泡になって消えましょう」
海に身を投げた人魚姫は、王子の愛を得られずに泡になってしまいます。
ところが、人魚姫は泡になって消えずに風の精になり、魂を得て空に浮かび上がりました。
恋が報われなかったにもかかわらず、人魚姫は大きな愛で王子や全てのものを許し幸せを願ったのです。
アンデルセン童話・人魚姫の最後の結末は?
人間の王子に恋をした人魚姫。
魔女に人間にしてもらったものの、声は出せなくなり歩くと激痛が走る体になってしまいます。
そこまでして人間になったのに、人魚姫のラストは悲しいものでした↓
人魚姫は、自分を選んでくれなかった王子を憎むことも刺すこともできませんでした。
海に身を投げて泡となって消えようとするのですが、人魚姫は泡になって消えることなく風の精となり空高く昇っていくのでした。
泡になって消えずに風の精になって魂を得ることができたのは、人魚姫にとって唯一の救いでした。
アンデルセン童話・人魚姫の意味・教訓、伝えたいこととは?

人魚姫の物語で伝えたい教訓は以下の2つです↓
15歳の誕生日に海の底から出た人魚姫は、はじめて見た人間の王子に恋をしてしまいます。
王子との恋を叶えるために、人魚である自分や今まで生きてきた環境の全てを投げ打った人魚姫。
しかし、王子は別の女性と結婚してしまい人魚姫の恋が叶うことはありませんでした。
姉達から王子を刺せば人魚に戻れると聞かされても、王子を殺せずに泡になって消えるために海に身を投げた人魚姫。
そんな人魚姫ですが王子や自分の境遇を恨むことなく、風の精になってすべてを受け入れ天に昇っていくのです。
思うような結果にならなかったとしても、何かを恨んだりせずに正しい心で受け入れることが大切であると私たちに教えてくれます。
アンデルセン童話・人魚姫の原作・初版は?作者、国や時代についても解説

人魚姫は、アンデルセンによって1837年に発表されました。
登場人物や、国の名前はなく時代背景も不明ですが、王子の暮らす国は海からそれほど離れていなかったと考えられます。
アンデルセンは歌手を夢見ていましたが声変わりによってその夢を絶たれてしまいます。
さらに、思いを寄せていた女性との恋も叶わず生涯独身でありました。
人魚姫の話とよく似ていますよね。
彼は信仰心の深い人物であったようで、魂が昇華するといったキリストの教えが、風の精になり天に昇っていく人魚姫のラストに表れています。
アンデルセン童話・人魚姫にまつわる都市伝説や疑問について考察

この章では人魚姫の物語の疑問点について考察していきます。
①アンデルセン童話・人魚姫は実は怖い話?!
15歳の誕生日までは、幻想的な海の世界で、優しい5人の姉達と美しい声でおしゃべりや歌を楽しみながら何不自由ない生活を送っていた人魚姫。
その生活を投げ打って手に入れた王子との華やかな生活も、人魚であれば体験できないかけがえのないものでした。
王子と結ばれることなく不遇な最後を遂げた人魚姫ですが、彼女の思いや世界観はいつまでも胸に響きます。
そんな美しい人魚姫の物語ですが、実は怖い部分もあります。
声を失う代わりに人間になれる薬を飲むストーリーは有名ですが、原作は魔女に舌を差し出すという衝撃的な内容です。
人魚姫の王子に対する思いはそれほどに強かったのでしょうが、まだよく知りもしない相手に自分の体の一部を差し出してまで恋焦がれるのは正直怖いです。
アンデルセンも恋した相手への気持ちを抑えられず、自伝を書いて彼女に贈り失恋しています。
一途なのは素敵なことですが、度が過ぎる思いには恐怖を感じてしまいます。
物語だからこそ美しく感じる世界観やストーリーも、現実的に考えるとやはり怖いですよね。
これも上記と同じで、人間になるために痛みに耐えて自分を捨ててまで王子との恋を叶えたがる人魚姫の愛は執着すら感じて恐怖を覚えます。
歩くたびに激痛が走る人間としての生活は不自由で華やかとは程遠かったものでしょう。
王子を刺すというのは人を殺すということです。
もし、人魚姫が恋焦がれる相手を殺して自分が助かる提案を受け入れ、その後幸せに暮らしたのだとしても、道徳上どうなのかと疑問が残ります。
物語の美しい世界観が怖さを緩和していますが、よく考えると恐ろしい話ですよね。
②アンデルセン童話・人魚姫はなぜこのような結末になったのか?
誰もが知る作品を残しているアンデルセンですが、若い時から夢を叶えるために努力するものの、その思いは報われないことが圧倒的に多かったのです。
アンデルセンは人魚姫を出版するまでに2人の女性に恋をしましたが、その恋は報われることはありませんでした。
アンデルセンの境遇が、人魚姫の作品に投影されていると思えてなりません。
アンデルセン童話・人魚姫のおすすめ絵本を紹介

ここからは、人魚姫のおすすめ絵本を紹介していきます。
今回は、いわさきちひろの『にんぎょひめ』と、英語の勉強も兼ねられる絵本『The Little Mermaid』をピックアップしたので詳しくみていきましょう。
『にんぎょひめ』

出典:amazon.co.jp
文:曾野 綾子
絵:岩崎 ちひろ
出版社:偕成社
発売日:1967年1月1日
値段:1,100+税
対象年齢:4歳以上
『にんぎょひめ』のおすすめポイント
大人気絵本作家いわさきちひろのイラストは美しく、人魚姫の悲しく美しい世界観とマッチしています。
さらに、曽野綾子の日本語訳が心に響きます。
「かなしみでは なく、ひとを あいしたよろこびに つつまれながら」
この文章は人魚姫の物語で大事なところ全てを表現しています。
悲しみの余韻ばかりが残らないおすすめの作品です。
『The Little Mermaid』

出典:amazon.co.jp
出版社:Usborne Publishing Ltd
発売日:2007年7月27日
値段:販売元による
対象年齢:6歳以上
『The Little Mermaid』のおすすめポイント
人魚姫を英語で読んでみたいという人におすすめなのがこちらの作品。
小学生から英語が必修になったので、対象年齢も中学生から6歳に引き下げられました。
オーディオブックも付いてくるので、見て聞いて楽しめ、子どもの勉強にも役立ちそうです。
背景音まで収録されており、映画のような臨場感を味わえます。
アンデルセン童話・人魚姫のまとめ

ここまで、人魚姫について書いてきましたがいかがでしたか?
恋が叶わなかった人魚姫に、自分の境遇を重ねたアンデルセンの作品はいつまでも人々の胸に響きます。
多くの代償を得て人間になったのに、思いが報われなかった人魚姫。
しかし、正しい心と愛で自分の境遇を受け入れた彼女は決して不幸ではありません。
この記事を見て人魚姫を読みたくなったと思っていただけたら幸いです。
それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。

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