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【親指姫】アンデルセン童話・親指姫のあらすじ内容・結末から教訓、原作についても解説!おすすめ絵本も紹介

アンデルセン3

アンデルセン童話の中でも人気のある『親指姫』。

花から生まれる小さくてかわいい女の子の物語に、夢中になる子供も多いですよね。

『親指姫』のお話を読んだことのある人もない人も、不思議な空想が広がる童話の世界にふれてみませんか。

今回は、『親指姫』の童話のあらすじや教訓、原作なども解説していきます。

また、『親指姫』の人気おすすめ絵本も厳選してご紹介!

英語で読める絵本もありますから、ぜひチェックしてみてくださいね。

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アンデルセン童話・親指姫の登場人物と名前

親指姫2

まずは、『親指姫』の物語に出てくる主な登場人物を確認しておきましょう。

親指姫:花から生まれた親指サイズの小さな女の子。さまざまな動物との出会いと別れに翻弄されながらも、自分の生きる場所を探し求める主人公。

ヒキガエル:親指姫を連れ去り、自分の息子のお嫁さんにしようとする。

コガネムシ:かわいい親指姫を気に入って連れ去るが、周囲の声に影響されて親指姫を置き去りにしてしまう。

野ネズミのおばさん:寒さに凍えていた親指姫をあたたかく迎え、自宅に住まわせてくれた。

モグラ:野ネズミのおばさんの家の隣人で、太陽嫌いのお金持ち。

ツバメ:モグラの家の近くで死にそうになっていたが、親指姫の看病で助かる。モグラと結婚させられそうな親指姫を南の国へと連れ出す。

王さま:花の妖精たちが暮らす国の王さまで、親指姫と同じ背丈の小さな妖精。親指姫を好きになり、プロポーズする

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アンデルセン童話・親指姫のあらすじ内容

アンデルセン4昔、あるところに、子供のいない女性がいました。

女性が魔女からもらった種を植えると、チューリップに似た花の中から小さな女の子が現れたのです。

親指ほどの大きさのその女の子は、親指姫と呼ばれました。

あるとき、親指姫を見つけたヒキガエルが、眠っている親指姫をベッドごとさらってしまいます

親指姫を気に入ったヒキガエルは、親指姫を息子の結婚相手にするというのです。

醜く「ゲロゲロ」と鳴くばかりのヒキガエルとの結婚なんて嫌だと、親指姫が泣いていると、かわいそうに思った魚や蝶が、助けてくれました

親指姫の乗るスイレンの葉の茎を切り、葉を引っぱり遠くへ運んでくれたのです。

しかし、今度はコガネムシがやってきて、親指姫をさらってしまいます

親指姫をとても美しいと思ったコガネムシでしたが、仲間のメスにはその人間のような容姿をけなされました。

すると、コガネムシは親指姫を花の上に置き去りにしていってしまったのです

1人になった親指姫は、夏は自然の恵みをうけ元気に暮らしていました。

ところが、冬になると食べ物はなくなり、寒さで今にも凍え死んでしまいそう。

弱り切った親指姫が、一軒の家に助けを求めると、野ネズミのおばさんが優しく迎え食べ物をくれました。

親指姫は、野ネズミのおばさんの家で穏やかに暮らし始めます

そんなある日、野ネズミのおばさんは親指姫に隣人のモグラを紹介します。

「モグラさんは、お金持ちで立派なコートを着ているの。あなた、彼と結婚するといいわよ。きっと幸せになれるわ。」

太陽や花を悪く言うモグラと結婚なんて、親指姫は考えられませんでしたが、モグラはすっかり親指姫のとりこ。

モグラの家と野ネズミのおばさんの家をつなぐトンネルには、死んだツバメが横たわっていました

不憫に思った親指姫が、ツバメの体に毛布をかけあたためてあげると、ツバメは動けるようになったのです。

回復したツバメは、親指姫に一緒に遠くへ飛び立たないかと誘います。

でも、ツバメにまだ体力がないと知っていた親指姫はその誘いを断り、ツバメを見送りました

その後、モグラとの結婚の日が近づき、親指姫は悲しみに暮れるのでした。

アンデルセン童話・親指姫の最後の結末は?

ついに、モグラとの結婚当日。

最後に太陽の光を浴びておこうと親指姫が外へでると、そこにあのツバメがやってきます。

「今度こそ、一緒に南の国へ行きましょう。」

親指姫は、ツバメの背中に乗り南へと旅立ちました

 あたたかく、花が咲きほこる国へ着くと、ツバメは親指姫を花の上へのせました。

そこには、親指姫と同じくらいの大きさの、背中に羽のある男性がいたのです。

男性は花の妖精の国の王さまでした。

「なんて美しい人だろう。」

そう言って、王さまは親指姫にプロポーズ

王さまと結婚した親指姫は、花の精の国で幸せに暮らしたのでした。

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アンデルセン童話・親指姫の意味・教訓、伝えたいこととは?

アンデルセン2

動物たちが社会を表現

『親指姫』に登場する動物たちには、それぞれ意味が込められています

子宝の象徴であるヒキガエルは、子供を産むべきという固定観念や常識

七色に光るコガネムシは、他人の目や意見に左右されること

閉ざされた世界に住むモグラは、お金や権力からの支配を意味しているのです。

また、ツバメは自力ではいけない場所へ人を運んでくれる鳥といわれ、開かれた世界への象徴です。

自由という幸せ

親指姫は、動物たちとの出会いと別れによって人生を翻弄されますが、懸命に生きていきますよね。

その様子からは、不自由の多い社会の中でも誰もが自分の力で未来をつくる自由を持っている、というメッセージが受けとれます。

自分の意志で居場所をみつけて、幸せをつかんだ小さな親指姫。

常識や支配に縛られることの多かった時代に、『親指姫』は希望の物語だったのでしょうね。

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アンデルセン童話・親指姫の原作・初版は?作者、国や時代についても解説

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「アンデルセン童話」とは?

『親指姫』は、『アンデルセン童話集 第2集』(1835年)の中の作品です。

ほかには『みにくいアヒルの子』、『雪の女王』、『マッチ売りの少女』などの作品が有名ですね。

特徴は、そのほとんどの作品が、アンデルセンによるオリジナルの創作物語ということです。

アンデルセンはどんな人?

ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805~1875年)は、デンマークを代表する作家。

貧しい家で育ち、性格はとても臆病で心配性、恋愛下手だったともいわれています。

天才児といわれたアンデルセンでしたが、数々の挫折を味わい、父親が国の財政破綻や戦争の影響をうけ亡くなるなど、辛い経験も多かったようです。

こうした経験から、アンデルセンは貧しさや苦労のやるせない気持ちを、童話の中に表現したのでした。

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アンデルセン童話・親指姫にまつわる都市伝説や疑問について考察

アンデルセン5

『親指姫』の原作には、よく知られたストーリーにはない描かれ方や結末もありますよ。

①アンデルセン童話・親指姫にはその後の物語があった?

花の妖精の国の王さまと結婚した、親指姫。

その後、親指姫を祝福して花の妖精たちがいろんな贈り物をしています。

1つはハエの美しい羽

小さな羽根ですが、もう逃げる必要のない親指姫は、隣の花へ移れるほどの小さな羽を気に入ります。

もう1つは、❝マイア❞という新しい名前です。
羽と新しい名前で、妖精の国での新しい生活をスタートさせたのですね。

②アンデルセン童話・親指姫では、親指姫とツバメは相思相愛だった!?

原作では、いろんな場面で親指姫とツバメが思い合っているような表現があります。

モグラとの結婚式の日、外に出た親指姫は、「ツバメさんに私の愛を伝えてほしい。」と花に祈っていました。

また、親指姫が王さまと結婚することになると、ツバメはひっそりと悲しみ、親指姫へ別れを告げています。

思い合っていても結ばれない恋が描かれていますね。
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アンデルセン童話・親指姫のおすすめ絵本を紹介

親指姫1

ここからは、『親指姫』のおすすめ絵本を紹介していきますよ。

『Thumbelina おやゆびひめ』

おやゆびひめ

出典:amazon.co.jp

文・絵:いもとようこ
英訳:Soshi Uchida
出版社:岩崎書店
発行日: 2013/9/11
値段:1,500円+税
対象年齢:5歳から小学校高学年

Thumbelina おやゆびひめ』のおすすめポイント

いもとようこの大人気「はじめてのめいさくえほん」シリーズには、英語版もありますよ。

易しい英語が読みやすく、ぜひ赤ちゃん期から読み聞かせてあげたい絵本です。

小学生の英語学習にも、絵本なら楽しんで取り入れられますね。

英語での音読CD付きなのも嬉しいポイント。

いもとようこの絵に癒されるパパママも多く、人気のシリーズとなっています。

『おやゆびひめ』

おやゆびひめ2

出典:amazon.co.jp

作:立原えりか
絵:いわさきちひろ
出版社:講談社
発行日:2005/3/1
値段:1,500円+税
対象年齢:幼児から

おやゆびひめ』のおすすめポイント

この絵本の親指姫は、なんとも清楚で気品あふれるお姫さま。

幸せになってほしいと、願わずにはいられません。

優しいタッチで愛らしい子供を描くいわさきちひろならではの絵が、波乱万丈なストーリーをやわらかく伝えてくれます。

立原えりかの詩のような文章と、いわさきちひろの世界観が光る、美しい一冊です。

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アンデルセン童話・親指姫のまとめ

親指姫3

『親指姫』は、実はとても過酷な運命が続いていましたね。

アンデルセンの生きた時代背景や、育った環境、味わった挫折の数々…。

そのすべてが、『親指姫』や「アンデルセン童話」に込められています。

ハッピーエンドで終わる『親指姫』は、小さな子供への読み聞かせにもぴったり。

ぜひ、家族の絵本時間に『親指姫』を選んでみてくださいね。

 

この記事を書いた人
suzuyoshi

幼児2人の子育て奮闘中の主婦ライターです。趣味は、お菓子・パン作り、知育グッズ集め。子供との図書館本屋さんめぐりが楽しみで、図書館では一度に20冊借りることも。お気に入り絵本は「こぐまちゃんシリーズ」。

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