絵本

【力太郎】昔話・力太郎のあらすじ内容・結末、教訓は?由来や原作作者、モデルについても解説

力太郎

日本の昔話『力太郎』を知っていますか。

『桃太郎』『浦島太郎』や『金太郎』などをはじめ、日本の昔話には多くの“太郎”のお話があります。

今回は『力太郎』にスポットを当ててご紹介します。

お話に出てくる主人公は、なんと老夫婦の垢から生まれました。

何ともインパクトの強い内容で圧倒されますよね。

そんな『力太郎』のあらすじはもちろん、結末や教訓などもお伝えしていきます。

題名の通り“力”がキーワードになっている、ダイナミックな世界観をぜひお楽しみください。

スポンサーリンク

昔話・力太郎の登場人物

ちからたろう

『力太郎』の登場人物をご紹介します。

力太郎…貧しくものぐさな老夫婦の垢から生まれた、力持ちの男
老夫婦…貧しくものぐさで、お風呂になかなか入ることができない・力太郎を育てた親
御堂こ太郎…お堂を片手で持って歩く力持ちの男
石こ太郎…大きな石を持ち上げる力持ちの男
化け物…小さな村に現れて、娘たちをさらっていく悪者
長者さまとその3人の娘…化け物に怯えている村の住人
スポンサーリンク

昔話・力太郎のあらすじ内容

ちからたろう

昔、小さな村にとても貧しい上にものぐさな老夫婦が住んでいました。

老夫婦はなかなかお風呂に入ることができず、体中垢だらけです。

「おばあさん、どれほど垢が溜まったかこすってみよう!」とおじいさんが言うと、2人はゴシゴシ体をこすりはじめました。

あっという間に2人の垢は山のように積み上がりました。

「なんだかこれを捨てるのももったいないなぁ……」

老夫婦は垢をせっせとこねて、人形を作り上げました。

すると、垢人形が話し出したではありませんか。

「おら、お腹が空いたぁ。ご飯をおくれ」

老夫婦はびっくり仰天しましたが、ものぐさだった性格が嘘のようにお世話をし始めます。

“垢人形”はすくすくと成長し、大きな木を簡単に引っこ抜くほどの力持ちになりました。

ものすごく力持ちなので、力太郎と呼ばれるように。

ある日、力太郎は「旅に出たい」と老夫婦に申し出ます。

老夫婦は大きな金棒を準備し、力太郎を送り出しました。

力太郎がノシノシ歩いて行くと、お堂を軽々と持った御堂こ太郎に出会います。

早速、力太郎VS御堂こ太郎で力比べ!

御堂こ太郎はあっけなく負けてしまい、力太郎の家来になりました。

しばらく進むと、今度は大きな石を持ち上げる力持ちの男石こ太郎に遭遇します。

ここでも力太郎VS石こ太郎が勝負しましたが、力太郎の圧勝!

力太郎御堂こ太郎石こ太郎を家来に従え歩いていき、山をこえました。

小さな村に到着し長者さまの家の前を通りかかると、長者さまとその3人の娘が泣いています。

「どうしたのですか?」と声をかける力太郎たち。

「村に毎月化け物がやってきて、をさらって行くのです。今日は私の娘たちがさらわれる日……」長者さまはうなだれます。

 

力太郎は「では、私が化け物を退治してあげます!」と宣言しました。

 

夜になり、化け物が現れました。

力太郎たちVS化け物の決戦が始まってすぐに、御堂こ太郎石こ太郎化け物に飲み込まれてしまいます。

力太郎は金棒を振り回すものの役に立ちません。

 

このまま化け物の勝利となるのでしょうか?!

昔話・力太郎の最後の結末は?

ちからたろう

化け物は大きな足で力太郎を踏み潰し、勝利を確信しましたがその瞬間!

力太郎が渾身の力を振り絞って、化け物の足を押し上げるとお腹にキックしました。

あまりの痛さに、化け物御堂こ太郎石こ太郎を吐き出します。

そして「2度とこんな村に来るものか!」と言って逃げて行きました。

力太郎たちの勇敢さに感激した長者さまは「3人の娘たちの婿になってくれないか」とお願いし、みんなが幸せになりました。

スポンサーリンク

昔話・力太郎から与えられる教訓とは?

ちからたろう

『力太郎』から与えられる教訓は2つあります。

教訓1:普段すぐに捨ててしまうものも、少し立ち止まって考えることの重要性
教訓2:見返りを求めず、自分の能力を人のために捧げる大切さ

老夫婦が自分たちの垢をもったいないと言って、人形を作ったところからはじまる『力太郎』

普段は捨ててしまうものも、大切に取っておくことで思わぬいいことが舞い込んでくると言う教えなのかもしれないですね。

とはいえ、身なりを整え清潔にすることは怠らないようにしましょう。

また、力持ちに成長した力太郎は、自分が持っている能力を人のために発揮します。

結果的に、長者さまの婿として幸せを掴むことができました。

人のために一生懸命に生きることは、周りの人も自分自身も幸せになることを示したお話と言えます。

スポンサーリンク

昔話・力太郎はどこのお話?由来や原作は?作者やモデルとなった人物はいる?

ちからたろう

『力太郎』は、日本の岩手県に古くから伝わる昔話です。

また『垢太郎』『こんび太郎』の名称でも知られています。

“こんび”は垢と言う意味で、主に青森県で使われているようですね。

お話の中に出てくる、御堂こ太郎・石こ太郎などの人並外れた筋力を持った登場人物。

これらの人々が出てくるお話は、多くが東北地方に限られています。

『力太郎』は岩手県のお話。
登場人物や台詞など、東北昔話の特色が色濃く反映されています。
スポンサーリンク

昔話・力太郎のおすすめ絵本を紹介

ちからたろう

ここでは『ちからたろう』のおすすめ絵本2冊をご紹介します。

『ちからたろう』

ちからたろう

画像引用:amazon.co.jp

作者:いまえよしとも
出版社:ポプラ社
発行日:1967年6月
値段:1,000円+税
対象年齢:3歳から

『ちからたろう』のおすすめポイント

独特な擬態語がふんだんに使われている点に注目です!

「のっしじゃんがのっしじゃんが」の表現は、力太郎がのしのしと歩く様子。

リアルな光景が目に浮かぶようですね。

ページ数は36ページと多いですが、子どもが飽きない表現が満載の1冊です。

『ちからたろう』

ちからたろう

画像引用:amazon.co.jp

作者:杉山亮
出版社:小学館
発行日:2010年2月1日
値段:1,000円+税
対象年齢:幼児から

『ちからたろう』のおすすめポイント

ダイナミックなイラストに、目が釘付けになりますね。

イラストに負けないくらい、お話の内容も力強く描かれています。

力太郎をはじめとする登場人物の力比べは、読んでいる側も思わず力が入ってしまいそう。

ユニークな言い回しで、日本の昔話の良さを最大限に引き出しています。

スポンサーリンク

昔話・力太郎のまとめ

ちからたろう

昔話『力太郎』はいかがでしたか。

老夫婦の垢から誕生するところは驚きでしたが、優しく器の大きい男性に成長しましたね。

力強い展開ですが、ハッピーエンドで読んだあとに気持ちが安らぐ『力太郎』

絵本のセリフごとに声のトーンを変えながら、ぜひ読み聞かせしてあげてください。

この記事を書いた人
tapiocaosenbe863

14歳と10歳の子どもを育てています。読み聞かせをしていた当時は毎日5冊以上の本に触れ、図書館にもよく通っていました。今でも本屋に行くと、必ず絵本コーナーに立ち寄ります。

tapiocaosenbe863をフォローする
スポンサーリンク
絵本スペース

コメント

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました