お笑い芸人、キングコング西野さんが約4年半の製作期間を経て出版し、Amazonの絵本・児童書部門でランキング1位を獲得した人気絵本です。
舞台は表紙に描かれている「えんとつ町」。
黄金色に照らされた工場はえんとつだらけで、そこからモクモク立ちこめる黒いけむりがとても幻想的です。
けむりに閉じ込められた町の人々は外の世界にある青い空やかがやく星を知りません。
そんな、えんとつ町に生まれたゴミ人間プペル。少年とプペルの奇跡の物語をご紹介します。
『えんとつ町のプペル』とはどんなお話【内容とあらすじを紹介】

製作に4年半を費やし、作者とともに総勢33名ものイラストレーターがこだわりぬいて作り上げたこの絵本。
いったいどんな絵本なのでしょうか、概要とあらすじをご紹介いたします。
『えんとつ町のプペル』の概要
出典:Amazon.co.jp
出版社:幻冬舎
発売日:2016/10/21
価格+税:2,200円
『えんとつ町のプペル』のあらすじ

えんとつ町でハロウィンに生まれたゴミ人間「ハロウィン・プペル」は、くさい、バケモノ、と町の嫌われ者。
けれども、えんとつそうじの少年ルビッチだけは彼にやさしく、ふたりはすぐに仲良くなりました。
ルビッチはプペルをえんとつの上に連れていき、そこでいろんな話をします。
父親のたった一枚の写真が入った大切なペンダントをドブ川に落として無くしてしまったこと。
漁師だった父親が空にかがやく星があるのを見たのだけれど、誰もそのことを信じてくれずウソつきよばわりされたまま亡くなってしまったこと。
毎日会っていたルビッチとプペルですが、ゴミ人間のプペルと一緒にいることで学校でいじめられたルビッチは、プペルにもう会わないと告げます。
ある夜、プペルがルビッチの家にやってきます。星を見に行こうというのです。
大量の風船をふくらまし、こわれた船にとり付けたプペル。
船は空へと浮かび、ふたりが真っ黒な煙の中を上へ上へと進んでいくと…。
その先にあった空は、かぞえきれないほどの星々の光でうめつくされていました。
そこでルビッチが知った真実とは。
感動のラストに、涙があふれます。
『えんとつ町のプペル』の内容要約

プペルはどうやって生まれたのでしょうか。ルビッチとプペルの関係など、物語の内容をもう少し詳しくみてみましょう。
要約1.ゴミ捨て場で生まれたプペル

ハロウィンの夜、配達屋が煙を吸ってせき込んだ拍子に配達していた心臓を落としてしまいます。
ゴミ捨て場に落ちた心臓に、ゴミがいっぱいくっついて出来上がったのが、ゴミ人間「ハロウィン・プペル」です。
プペルは、くさくてきたないバケモノと町の嫌われ者になってしまいました。
ルビッチだけはそんなプペルを「なつかしいにおいがするんだ」といって仲良くしてくれます。
ルビッチが毎日洗っても次の日にはくさくなってしまうプペル。
いじめっこたちに左耳のゴミをとられてしまったプペルは、左の耳が聞こえなくなってしまいます。
そのうえいじめっこたちは、プペルが町をよごすバケモノだとルビッチにせまり、ふたりをあわせないようにしてしまうのです。
要約2.ルビッチのお父さん

ルビッチのお父さんは町でただ一人の漁師でしたが、昨年の冬に波にのまれて死んでしまいます。
ルビッチとプペルが出合った次の日、プペルを煙突の上に連れていったルビッチ。
ドブ川に落として見つからなかったペンダントの話をします。
お父さんのたった一枚の写真が入った大切なペンダントでした。
そしてお父さんが遠くの海に行ったとき、煙の向こう側で光かがやく幾多の星をみたという話もします。
町の人は誰も信じてくれず、うそつき呼ばわりされたまま死んでしまったのだと。
大切な人の悲しい話を、なぜルビッチは出合ったばかりのプペルに話したのでしょうか。
要約3.煙の向こうへ

ある夜、ルビッチのもとへ訪れたプペルは以前よりももっとボロボロにかわりはてていました。
星を見に行こうとルビッチを連れ出したプペル。
大量の風船に息をふきこんで、こわれた船にとりつけました。
船はゆっくりと浮かび、煙の中へ。
黒くぶあつい煙をぬけた先には、幾多の星が光り輝いていました。
ルビッチはお父さんの言っていた言葉が本当だったことを知るのです。
『えんとつ町のプペル』の口コミ・評判

口コミ・評判:★★★★★
絵がキラキラしていて、どのページもじっと見入ってしまいます。
大人が読んでも考えさせられるし、心が温かくなる絵本。
ちょっと辛い事があった時とか心がトゲトゲした時に、何度も読んでいます。

口コミ・評判:★★★★★
多くの方が携わって長い期間かけ製作した絵本ということもあり、とても完成度が高く練られている印象をうけました。
読む人によっていろいろな気付きや読み方があるような気がします。ぜひ一度読んで頂きたい作品です。

口コミ・評判:★★★★☆
この絵本を読んで、かつてない感動、衝撃を受けました。素敵な絵と作品がとてもマッチしていて、映画をみたような気分になります。
家族みんなで読み、涙しました。大好きな絵本です。
『えんとつ町のプペル』の主題・テーマは?

煙突からでる真っ黒な煙、ゴミ人間、そしてプペルを拒絶する町の人たち。
この絵本を通して作者が伝えたかったこととは何でしょうか。
煙におおわれたえんとつ町

外の世界を知らないえんとつ町。
そこに住む人々は、黒い煙におおわれて、青い空も輝く星も知りません。
ルビッチのお父さんをうそつきだといい、友達が病気になったのはゴミ人間のプペルのせいだという人々。
作者はこのえんとつ町の人々を、「夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる、現代社会の風刺」と言っています。
自分の目に見えない、経験したことのないものは否定してしまう。
そんな人間の弱さがえんとつ町の人々にあらわれているようです。
信じぬく力

「信じぬくんだ、たとえひとりになっても。」
ルビッチのお父さんが、星を見る方法と言って、ルビッチに残した言葉です。
他の誰もが信じてくれなくても、自分を信じて行動すれば、真実が見えてくると。
ルビッチは途中、いじめっこにうながされてプペルと会うことをやめてしまいますが、プペルはルビッチの言葉を信じて、星を見る方法を探していたのでしょう。
たったひとりで信じ続けて、やっとルビッチを星の見える場所へと連れていくことができたのです。
本当に大切なもの

しばらくかがやく星々をみていたプペルは、ルビッチに船を降ろす方法を説明します。
「なにいってるんだよ。いっしょにかえるんだろ?」
そうたずねるルビッチに、プペルはあれからずっとペンダントを探していたことを打ち明けます。
ドブ川から流れつくゴミ処理場を探しても見つからなかったペンダントは、プペルの頭の中にくっついていました。
ペンダントを取ってしまうと、プペルはきっと動けなくなってしまうでしょう。
本当に大切なものに気づき、守ろうとしたルビッチは、真実にたどりつきます。
自分にとって本当に大切なものは何か?真実とは何か?
遠くにあるように見えて、実はすぐ近くにあるのかもしれません。
【ネタバレあり】『えんとつ町のプペル』の感想とレビュー

多くの方に愛されるこの作品。
読む際に参考にしたい感想とレビューをご紹介します。
ノスタルジックな絵と世界観で想像力がかきたてられました

えんとつ町やゴミ人間の設定が新鮮で、そこからいろんな物語を想像しました。
心臓を運ぶ郵便配達屋さん?ハロウィンだから魔除けの煙…?など、どんな街でどんな人たちが住んでいるのか、興味がつきません。
子供たちに読み聞かせながら、緻密でノスタルジックな絵とともにこの世界を楽しんでいます。
緻密な絵の美しさと壮大さを楽しみたい

幻想的にキラキラと輝く工場。でも、そこから真っ黒なけむりがモクモクとたちこめているえんとつ町。
異国情緒たっぷりの街並みと、日本語の看板のミスマッチ感も、不思議さを演出していて魅力的です。
そして、無数の風船をつけた船が浮かぶ、見開きいっぱいのかがやく星空の美しさはもう言葉になりません。
不覚にもホロッときてしまいました。
何があっても味方でいよう

プペルのルビッチに対する気持ちが友情を超えたもので、胸を締め付けられました。
「かまわないよ。キミがはじめてボクにはなしかけてくれたとき、ボクはなにがあってもキミの味方でいようと決めたんだ。」
という言葉は本当に素敵で、心に響きました。
プペルはこの後どうなったんだろう。ふたりが幸せだといいな。
『えんとつ町のプペル』は、こんな方におすすめ!

嫌われ者のゴミ人間に笑顔で話しかけたルビッチと、そんなルビッチだから何があっても味方でいようと決めたプペル。
友情を超えた絆は、大きな障害を乗り越え、ふたりを真実へと導きました。
大人が読んでも楽しめる絵本ですが、夢や希望を抱いている子供たちにぜひ読んでほしいです。
この本に込められた、夢を信じ、夢を語り、あきらめず前に進んでほしいという作者の願い。
美しいグラフィックと感動的なストーリーで、きっと宝物の一冊になることでしょう。

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