寒さでお家にこもりがちになる冬は、子どもと一緒に絵本時間を楽しむことのできる季節です。
しんと冷える窓の外を眺めながら、心温まる物語のページを子どもと開いてみませんか?
1965年の発行以来、50年以上にわたり読み継がれてきた名作絵本「てぶくろ」は、そんな時間にぴったりの冬を舞台とした物語です。
雪の上に落ちたひとつのてぶくろをきかっけに始まる、動物たちが織り成す夢のある世界をぜひお楽しみください。
『てぶくろ』(1965)とはどんなお話【内容とあらすじを紹介】
ベストセラー絵本である「てぶくろ」は、子どもと両親、そしてその親にあたる世代まで幅広い年齢層に愛されている名作です。
早速、その内容について詳しく見ていきましょう。
『てぶくろ』(1965)の概要
イラスト:エウゲーニー・M・ラチョフ
翻訳: うちだ りさこ
出版社:福音館書店
発行日:1965/11/1
価格+税:1,100円
『てぶくろ』(1965)のあらすじ
とてもとても寒い雪の日。片方だけ落ちたてぶくろに、森の動物たちが次々と集まります。
はじめはネズミ。次にカエル。やがてウサギやキツネと、そのうちにてぶくろは動物たちでいっぱいに。
最後にはおおきなおおきなクマが「いれて」とやって来ます。
個性あふれる動物たちと、姿を変えるてぶくろのお家が印象的なベストセラー絵本。
『てぶくろ』(1965)の内容要約
小さなてぶくろに次々と動物が集まってくる物語、「てぶくろ」。
表紙をめくると、そこには子どもが夢中になってしまう世界が繰り広げられています。
要約1.古くから伝わるウクライナのおはなし
「てぶくろ」は、東ヨーロッパに位置するウクライナに、古くから伝わる民話を元にしたお話です。
ロシアの代表的絵本作家であるエウゲーニー・M・ラチョフの絵柄には、ウクライナを思わせる異国情緒が溢れています。
鮮やかな黄色の表紙に描かれているのは、雪景色の中に建つてぶくろのお家。
その真ん中でぴょこんと片耳だけのぞかせるウサギは、真っすぐにこちらを見つめています。
周囲は色とりどりの花のモチーフで縁取られ、まるで読者を物語の世界へといざなうようです。
要約2.次々に現れるかわいらしい動物たち
一番初めにてぶくろに住むことを決めたのは、小さなねずみ。
その後にやってくる動物たちは、みな一様に「どなた、てぶくろにすんでいるのは?」と、てぶくろの住人に尋ねます。
くいしんぼねずみやぴょんぴょんがえる、はやあしうさぎと、そのネーミングも実に愉快でチャーミング。
「いれて」「どうぞ」のやり取りの後には、てぶくろのお家が段々と大きく変化していきます。
要約3.ぱっと現実に引き戻すこいぬの鳴き声
最後に大きなクマがやって来て、てぶくろはもうぱんぱん。今にもはじけてしまいそうです。
そこに現れたのは、てぶくろが片方ない事に気付いたおじいさんと、おともの子犬。
「わん、わん、わん!」
てぶくろに気付いたこいぬの鳴き声に、動物たちはびっくり。たちまちてぶくろから飛び出していきます。
つめたいつめたい雪の上。
そこにはまるで何事もなかったかのように、ひとつのてぶくろだけが残っているのでした。
『てぶくろ』(1965)の口コミ・評判
口コミ・評判:★★★★★
だんだん大きくなっていく動物たちに、子どもと一緒にはらはらドキドキ。
てぶくろに集まる動物たちに、子どもがいつも笑顔になる絵本です。
口コミ・評判:★★★★★
自分が子どもの頃に読んでいたなと、懐かしくなって息子に読み聞かせしてみました。
子どもの頃には気付かなった絵柄の変化に、子どもと一緒に胸がわくわくしました。
口コミ・評判:★★★★
保育園で子どもたちに大人気の絵本です。
「いれて」「どうぞ」の言葉のやりとりが微笑ましくて、子どももあっという間に物語を覚えてしまいまいた。
『てぶくろ』(1965)の主題・テーマは?
てぶくろには、子どもと共感できるという多くの口コミが寄せられています。
そこにはどのようなテーマが隠されているのでしょうか。
子どもの想像力を膨らませる世界観
小さなてぶくろに、次々やってくる動物たち。しかも、その姿は段々と大きくなっていきます。
「まさか、もう入らないよ」と大人は思ってしまいそうですが、てぶくろは動物たちに合わせて少しずつその様子を変えていくのです。
はしごが付いたり、窓ができあがったり、床が丈夫になったり…。
その世界観は、子どもの想像力を大きく刺激する不思議な魅力に溢れています。
「いれて」「どうぞ」の楽しいくりかえし
てぶくろの前にやってきた動物たちは、みな決まって「いれて」と声を掛けます。
その呼びかけに、中にいる動物たちはみな声を揃えて「どうぞ」と答えるのです。
住人の了解を得て、小さなてぶくろにすっぽりとおさまる動物たち。
そのやり取りと動物たちのイラストには、子どもも大喜びです。
繰り返される楽しいやり取りは、子どもと読んでいても心が躍るポイントとなっています。
親子が寄り添って読みたいストーリー
雪の世界を舞台に、小さなてぶくろに動物たちが寄り添う物語は、読み手の気持ちをあたたかく包んでくれます。
寒い冬の日、親子でぎゅっと寄り添いながら読む絵本としてもぴったりです。
登場する動物たちも、子どもに馴染みのあるものばかり。
小さな子どもでも、動物を指さしながらその世界観を十分に楽しむことができるでしょう。
【ネタバレあり】『てぶくろ』(1965)の感想とレビュー
長きに渡り読み継がれてきた名作絵本、「てぶくろ」に寄せられる感想の数々。
そこには、絵本を通して広がる子どもとの豊かな時間が溢れています。
わが家の冬の定番絵本
おじいさんが落としたてぶくろに、動物たちが次々入っていくシンプルなストーリーなのですが、年少の息子に大人気。
素敵な絵柄にいつもじーっと見入って物語に入り込んでいます。
「まさかてぶくろには入らないでしょうー」というくらい、どんどん動物がやってきて最後はクマまで!
子どもの想像力を膨らませてくれるようで、今ではわが家の冬の定番絵本になっています。
冬の寒い日におすすめ!
小さなてぶくろにぎゅうぎゅうに寄り添う動物たちが本当にかわいい!
娘とお布団に入りながら寝る前に読み聞かせしていると、とってもあったかい気持ちになれます。
「せまくて大変じゃないのかなぁ」「またおっきなどうぶつが来た!」
と娘も大喜び。おやすみ前の絵本タイムがとってもすてきな時間になりました。
1歳から楽しめるベストセラー絵本
自分が子どもの頃に見たことのある表紙だなぁと、なんとなく手に取った絵本。
1歳の息子にはまだ早いかな、とも思ったのですが、表紙をめくるとたちまちその世界に夢中になっていました。
「だれ?てぶくろにすんでいるのは?」
のやりとりが特にお気に入りで、いつも後に続いて動物を指さしています。
息子が自分で読めるようになるまで、長く手元に置いておきたい大切な一冊と出会えました。
『てぶくろ』(1965)は、こんな方におすすめ!
「てぶくろ」は、冬の読み聞かせの絵本を探している方にぜひおすすめしたい作品です。
子どもを膝の上に乗せながら、ひとつの布団で一緒にくるまりながら、ぜひそのページをめくってみてください。
小さなてぶくろに、動物たちがぎゅっとよりそう不思議な世界。
最後のページを読み終えた時には、あたたかい気持ちが読者を優しく包んでくれることでしょう。
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