『なつみはなんにでもなれる』は、子どもたちの想像力の豊かさと強さがテーマの絵本。
主人公の女の子「なつみ」がお母さんを、その想像力でひたすらに困らせるという内容です。
でも、お母さんからなつみに対する愛情も垣間見えて、ほっこりする絵本。
今回は、ヨシタケシンスケの絵本、『なつみはなんにでもなれる』について紹介します。
『なつみはなんにでもなれる』(2016)とはどんなお話【内容とあらすじを紹介】

まず、『なつみはなんにでもなれる』の基本的な情報とあらすじについて、紹介していきます。
特徴のあるストーリーだけでなく、ヨシタケシンスケならではの、かわいらしいイラストにも注目ですよ!
『なつみはなんにでもなれる』(2016)の概要

出版社: PHP研究所
発行日:2016/11/30
価格+税:1100円
『なつみはなんにでもなれる』(2016)のあらすじ

幼い女の子、なつみは寝る時間を迎えても、まだまだ元気です。
お母さんに「何かのマネをして当ててもらうゲーム」をもちかけ、付き合ってもらいます。
しかし、なつみの「何かのマネ」は、大人にとっては難解なものばかり。
お母さんはまったく正解できません。
「当たらなくても怒らない」を約束にしていましたが、お母さんのあまりにひどい正答率に、なつみは怒ってしまいます。
果たして、お母さんはクイズに正解することができるのでしょうか。
なつみの想像力に、驚かされる絵本です。
『なつみはなんにでもなれる』(2016)の内容要約

『なつみはなんにでもなれる』のストーリーを、もう少し掘り下げて解説していきます。
ネタバレをしているところがありますので、まだ読んだことのない方は、注意して読み進めてくださいね。
要約1.なつみとお母さんのクイズ

パジャマ姿のなつみは、おもしろいことを思いつきます。
それは、「なつみが何かのマネをして、お母さんがそれをあてるゲーム」。
お母さんもパジャマ姿で、洗濯物をたたんでいる様子が見られます。
おそらく、もう寝る時間の直前なのでしょう。
お母さんはなつみの提案に、少し面倒そうに答えます。
「え~。当たらなくても怒らない?」
そんなお母さんの言葉を肯定するかのように、なつみはさっそく頭にみかんを乗せて、謎のポーズ。
「コレ、なーんだ?」
要約2.子どもの想像力には追い付けない?

みかんを乗せたポーズの正解はポットで、お母さんは残念ながら不正解。
なつみのクイズは、まだまだ続きます。
今度は毛布にくるまって、顔を少し出すなつみ。
「あ!おひなさま?」
お母さんは答えますが、これも不正解。
正解はなんと、おにぎりでした。
なつみのクイズは、大人目線で見るとなんとなく理不尽です。
お母さんは、きちんと付き合ってあげます。
しかし、これでは家事が進みません。
「あのね、お母さん洗濯物をたたみたいの。あと3つくらいにしない?」
「わかった!あと10こね!」
遊びたい盛りのなつみは、なかなかスパルタです。
要約3.宇宙人はさすがにルール違反!

イスをひきずって、ブルドーザー。
腕を振り回すのは扇風機だそうです。
なつみは頑張って熱演しますが、お母さんはここまで正解数ゼロ。
なつみはついに怒り出します。
「ホラ怒った!怒るんだったらやらないよ!」
「わかったよ!じゃあ次はサービス問題ね」
そうして、なつみが演じたのは7種類のポーズ。
これもお母さん、わかりません。
それもそのはず、答えは「宇宙人」でした。
その後も、なつみはクイズを続けますが、最後のバケツを頭にかぶったポーズをしたところで、クイズ大会はいきなり結末を迎えるのでした。
『なつみはなんにでもなれる』(2016)の口コミ・評判


口コミ・評判:★★★★★
こういうの、普段の子どもとのやりとりの中で、あるあるですよね。子どもたちって、自分の中の想像が、周囲にとっても当たり前だと思ってるところがあって、この主人公のように振る舞うのかも。子どもへの接し方を見直すきっかけになりそうです。

口コミ・評判:★★★★★
お母さんの表情や反応に、すごく共感。お母さん大変だなあ、お互い頑張りましょうという気分になりました。どの家庭も同じような感じなんだろうなあ。

口コミ・評判:★★★★★
娘はこの絵本を読んでから、なつみと同じような遊びをするようになりました。でも、なつみよりも遥かにクオリティが高くて、私が逆に驚かされています。おもしろい経験のきっかけになったようで、よかったです。
『なつみはなんにでもなれる』(2016)の主題・テーマは?

『なつみはなんにでもなれる』に隠されているテーマは、どんなものがあるでしょうか。
主人公のなつみとお母さんのやりとりから、絵本が伝えたいことを紐解いていきましょう。
どこの家庭も同じようなやりとりをしているのでは?

この絵本の流れは、なつみが何かのマネをして、それをお母さんが答えるけれど間違っている、というもの。
かくれんぼにしても、絵本の読み聞かせにしても、子どもたちって繰り返し同じことを要求してきますよね。
大人からすると、「なぜ、同じことを何度もやるのがそんなに楽しいんだ」と思います。
しかし、なつみも子どもたちも、このやりとりで十分楽しいはずです。
お母さんが、多少面倒そうにしていてもかまいません。
子どもたちは自分で楽しさを見つけて、成長しているのです。
それは、自分の子どもだけではありません。
きっとどこの家庭も、同じようなやりとりを繰り返していますよ!
繰り返しのやりとりを憂鬱に感じても、どこの家庭でもあること、と軽く考えてくださいね。
子どもは思った以上に親のことを見ている

絵本の終盤に、「足の皮をむくお母さんのマネ」という、なんとも情けないものがあります。
きっと、このお母さんは足の皮を頻繁にむいているんでしょうね。
作中のどのマネよりもそっくりで、くすっと笑える描写です。
なつみは、お母さんのことをよく見ている子どもだということがわかります。
このように、子どもたちは、親が思っている以上に鋭い観察力を持っているかもしれません。
下の子の面倒を見るお母さんのマネ、お父さんの特徴的な怒りかたのマネなど、お子さんにマネされてしまった経験はありませんか?
親と過ごす時間が長いからこそ、子どもたちはどんどん吸収していきます。
そう思うと、あまり恥ずかしい姿は見せられないですね。
子どもの止まらない想像力

この絵本は、子どもたちのものすごい想像力を表現した絵本です。
大人が、普段気にも留めないようなものが、子どもたちにとってはおもしろく見えているのかもしれません。
ものごとをどういう角度から見るか、というのは大人と子どもで大きく異なります。
子どもたちのそういう想像力が、新しいアイデアの起点になる可能性だってありますよね。
そんな子どもたちの想像を見逃さないためにも、取るに足らないと思えることでも、耳を傾けていきたいものです。
『なつみはなんにでもなれる』(2016)の感想とレビュー【ネタバレあり】

『なつみはなんにでもなれる』は、ヨシタケシンスケならではの世界観が広がる、人気の作品です。
読んでみての感想やレビューを紹介していきます。
こういう場面、よくあります!

子どもや孫、甥っ子・姪っ子を持つ方にはよくわかるのではないかと思いますが、この絵本のような状況、本当によくありますよね。
ある程度の年齢の子どもって、繰り返しのことが大好きで、「まだやるの?」と思うくらい繰り返させられるんです。
子どもがちょっと大きくなって、繰り返しの要求がなくなったあとでこの絵本をまた読んだら、懐かしくなってしまうのではないかと思います。
今しかない時間を、大切にしたいですね。
お母さんの苦労がにじみ出ている

この絵本を読んでまず思ったのは、「お母さん、毎日お疲れさまです!」でした。
赤ちゃんのときと違って、なつみくらいの年齢の子はお世話に時間がかからなくなった分、遊び相手をしてあげなければいけません。
これの苦労といったら、筆舌に尽くしがたいことです。
子どもはどんどん頭がよくなるので、親もどんどん相手が大変になっていきます。
どこの家庭もこんな様子とは思いますが、子育てする親に敬意を払いたいですね。
子どもたちにマネしてほしい

この想像力豊かな遊びを、ぜひ子どもたちにもマネしてほしいな、と感じます。
子どもたちから見たら、身近なものでも、とてもおもしろく見えているかもしれませんよね。
なつみは想像力豊かな子どもですが、この絵本の作者は大人です。
大人が想像する、子どもの想像力の域を出ていないはずなんです。
だから、実際に子どもたちにこの遊びをマネしてもらうことで、本当の意味での子どもの想像力に触れることができますよね。
子どもたちは、なんてことない周囲のものを、どのように観察しているのでしょうか。
『なつみはなんにでもなれる』(2016)は、こんな方におすすめ!

『なつみはなんにでもなれる』は、繰り返し遊びが自分でできるようになってきた、年少さんから年長さんくらいの年齢の子どもたちに、おすすめです。
ひらがなとカタカナで書かれているので、自分で読むこともできます。
この絵本は、登場するお母さんの反応も見どころの1つ。
子育て中の方は、きっと共感してしまうこと、間違いなしです。
子どもの驚くべき想像力に気付くきっかけになる絵本。
親子で読んだら、絵本のなかの遊びを、マネしてみてくださいね。

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