内田麟太郎さんの、人気シリーズ絵本「おれたち、ともだち!」の第3弾です。
不器用だけれど、とってもやさしいオオカミと、寂しがりやのキツネ。
とても仲のいいふたりなのに、隠し事をしたりやきもちをやいて疑ってしまったりとすれ違ってしまいます。
きっと誰もが経験のある、せつなくて心あたたまる、やさしい気持ちになれるお話です。
読み聞かせのポイントなどもご紹介いたしますので、お子様と一緒にお楽しみください。
『あしたもともだち』とはどんなお話【概要とあらすじを紹介】
オオカミの絵本と聞いて想像するのは「怖い?強い?食べられる・・・?」
今までのイメージとはちょっとちがう、正義感あふれるやさしいオオカミが主人公です。
オオカミとキツネのあたたかい友情絵本をご紹介いたします。
『あしたもともだち』の概要
絵 : 降谷なな
出版社 : 偕成社
発行日 : 2000/10/1
価格+税 : 1,100円
『あしたもともだち』のあらすじ

「いたちがやきもちをやき、したうちをするくらい」仲良しのキツネとオオカミ。
ふたりが遊んでいる時に、オオカミが怪我をしているクマを見つけます。
もりいちばんのらんぼうものでなくてはいけない(本当はとてもやさしい)オオカミは、キツネに内緒でクマを看病することにしました。
クマのことが気になって、一緒に遊んでいても上の空だったり途中で帰ってしまったりするオオカミに、キツネは「ぼくよりも大切な“ともだち”ができたの?」とうたがってしまいます。
そして、ある日こっそりとオオカミの後をつけます。
そこで、キツネが見たものは、クマを一生懸命に看病するオオカミの姿でした。
真実を知ったキツネは、黙って帰っていきました。
クマが元気になった次の日から、またいつもの仲のいいふたりに戻ります。
キツネは、オオカミのやさしさを改めて感じて、なんだかうれしくなるのです。
『あしたもともだち』の内容要約

なかよしのオオカミとキツネにある日起こった小さなすれ違い。
ふたりの性格や関係など、もう少し詳しく、要点をおさえてみましょう。
要約1.オオカミがやさしくてカッコイイ

クマがたおれているのをみつけ、誰にも言わず、看病のために毎日かようオオカミ。
散歩をやめて、しょんぼりとひとり帰っていくキツネに遠くから、こう言います。
「あしたは、ちきゅうのはてまでも、いっしょにさんぽしてやるからな」と、鼻をくしゅんとさせながらカッコいいセリフを言っちゃいます。
誰に対しても、やさしくてかっこいいオオカミに、こんな友達ができたらいいなって、キツネがうらやましくなります。
要約2.キツネがとてもいじらしい

不器用なオオカミがついた嘘をキツネは疑うことなく、ひとりぼっちで遊んでいます。
そんなとき、家で勉強をしているはずのオオカミが出かけているのを見かけ、いてもたってもいられなくなり目をうるませて後をつけてしまうのです。
そこで、オオカミが遊べなかった本当の理由を知り、後をつけてしまった自分を恥ずかしく思う場面。
全部知っているけれど、何も言わず、次の日からはもと通りの日常を楽しみます。
オオカミのことが大好きだと体中であらわすキツネ。
純粋でいじらしいキツネをみているとやさしい気持ちになれます。
要約3.クマのからかい歌が楽しい!

読み聞かせで一番盛り上がるのがこのからかい歌です!
「クマはまったくこまったやつだ♪りっぱなきばがありながら♪クリやなんかを食べたがる♪こまったくまった♪くまったこまった♪」
からかっているのだけれど、いやな気持にはまったくなりません。
盛り上がること間違いなしなので、お子様と一緒にぜひ、いろいろなメロディーをつけて歌ってほしいです!
そして、ラストで歌いながらクマを気づかって歩くオオカミがやっぱり、やさしくてカッコいいのですよ♪
『あしたもともだち』の口コミ・評判

口コミ・評判: ★★★★★
大好きなともだち、いつも一緒、何でも一緒。だから、ちょっとした相手の変化に「どうしたの!?」って思ってしまう。親子でも、友達でも、恋人でも、ありうること。 それを、面白く、可愛く、描かれています。読み聞かせ、小学生全学いけそうですね。

口コミ・評判: ★★★★★
4歳の息子、オオカミの言葉「はんぶんも,しんぶんも,やめは,やめだ!」がツボにはいったようで、大笑いしていました。お気に入りすぎて、何度も何度も毎日のように読みました。

口コミ・評判: ★★★★★
おおかみときつねみたいな関係ってすてきだなと思いました。お互いが、自分の気持ちより相手の気持ちを尊重していて、これが本当の友達なんですね。子どもにはそんな友達関係を築いてほしいです。
『あしたもともだち』の主題・テーマは?

口コミを見てもわかるとおり、多くの方から愛されているオオカミとキツネの物語。
作者は、このお話を通してどんなメッセージを伝えたかったのでしょうか。
困っている人を助ける優しい気持ち

クマが倒れているのを見たオオカミは、「オレはやさしいことをしないオオカミだぞ!」と自分にいいきかせながらも、放っておくことができませんでした。
キツネと楽しく遊んでいたのに、大好きなキツネにうそをついてまでクマを助けたオオカミの正義感、やさしさには心動かされます。
自分が同じ立場だったらどうするかな?
お子様にぜひ問いかけながら読んでほしいと思います。
ウソをつくことの罪深さ

照れくさくてクマの事を知られたくないオオカミは、キツネにうそをついてしまいます。
うそをついたオオカミも悲しんでいますが、信じていたオオカミが歩いているところをみてしまったときのキツネの表情がすごくせつなくて、読んでいるこちらまで胸が痛くなります。
そして、ショックを受けたキツネはオオカミが自分よりもっと大切なともだちと遊ぶのだと、誤解して、さらに傷つきます。
ちょっとしたウソで、大切な人を傷つけてしまったり、信頼関係が失われてしまうこともあるのだと改めて気づかされることでしょう。
大切な人を信じるこころ

傷ついたキツネはしてはいけないとわかっていながら、オオカミの後をつけていきます。
そこで真実を知り、自分が誤解していたことと、オオカミの本当のやさしさに触れることになります。
疑った自分を恥ずかしく思ったキツネは、オオカミに何も言わず帰ることにしました。
次の日、元通り一緒に遊べるようになった2匹。
一度傷ついた後だからこそ、絆が深まって以前よりオオカミを信頼しているキツネのこころを感じてほしいです。

【ネタバレあり】『あしたもともだち』の感想とレビュー

みんなから愛されているオオカミとキツネですが、さまざまなおすすめポイントがあるようです。
感想とレビューをいくつかご紹介いたします。
降矢ななさんの絵がすごくいい

オオカミとキツネの心の機微がとても巧みに表現されていて、気持ちが温かくなる絵本でした。
降矢ななさんの絵もとても好きです。
キツネのどんぐりのような帽子と栗のプリント柄の服が可愛くて、小物もデザインが素敵です。
オオカミが栗を皮ごとスプーンに載せて、おかゆ風にクマに「あーん。」としている描写にくすっと笑ってしまいました。
クマのからかい歌はお話の鍵!

お話の冒頭は愉快な即興歌。
ミミズクのじいさんに「おもしろいうただね~」なんて言われています。
クマをからかった内容で「あれ?」と思ったのですが、なるほど、このお話の筋だとこうなるわけですね。
そりゃ、こんな歌うたっているのにあんなことしてるなんて、オオカミは恥ずかしくって知られたくないわけです。
ラストで、うたをうたいながら栗を踏まないように、歩いているオオカミのやさしさに気づいてしまうキツネ。
やっぱりオオカミの最高の理解者だな~ってジーンとしてしまいました。
正しいことを当たり前に行う難しさ

この絵本の良さは、オオカミがキツネに告げずに、クマの看病を貫き通したことですね。
正しいと思ったことを自慢するのではなく当たり前におこなったことに感動しました。
しかし、キツネさんに誤解をさせていました。
本当の友達なら、一緒に看病しても良かったかもしれませんね。
ちょっぴりキツネさんがかわいそうでした。
『あしたもともだち』は、こんな方におすすめ!

これからたくさんの友達と絆を深めていくであろうお子様たちに、思いやりや、優しい心を育むためにぜひ読んでいただきたいです。
オオカミの不器用ながらもまっすぐな正義感と、そんなオオカミに信頼を寄せるキツネのひたむきさに、温かく優しい気持ちになれる絵本です。
お子様に読み聞かせながら、オオカミとキツネの心の動きを、親子で話し合うのもいいかもしれませんね。


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