今回は、初めて日本の神話を手に取る子どもにもおすすめの絵本を15冊ご紹介します。
日本の神話『古事記』の中の物語には、日本の成り立ちを学べるだけでなく、助け合いや思いやりの心、家族の絆が描かれています。
一見、難しそうな印象がありますが、『いなばのしろうさぎ』は聞いたことがある!という人も多いのではないでしょうか。
神さまにまつわるエピソードはとても面白いので、絵本で読めば、小さい子どもから楽しめます。
物語が分かるようになったら、少しずつシリーズものを選んでみたりして、小学生になったら小学館から出ている古事記えほんシリーズで理解を深めるのもいいですね。
日本の神話を学ぶことで、神社に参拝する意味も分かってきたり、日本を深く知ることにつながります。
ぜひ興味のある物語から手に取ってみてくださいね。
日本の神話絵本おすすめ人気作品【1、2歳児向け】
日本の神話には、子どもが大好きな動物が出てくるおはなしもあります。
まだ物語は早い赤ちゃんも楽しめる、日本の神話絵本をご紹介します。
『いなばのしろうさぎ(はじめての世界名作えほん 63)』
出版社:ポプラ社
発行日:2020年3月12日
値段:350円+税
対象年齢:1歳~6歳
『いなばのしろうさぎ(はじめての世界名作えほん 63)』のあらすじ
外の世界にあこがれたうさぎは、海を渡るためにあることを思いつきます。
でもその結果、毛皮をはがされて傷だらけに。
そのうさぎを助けたのが、出雲の国の神様オオクニヌシ。
うさぎを助けたことで、オオクニヌシは葦原中津国(あしはらのなかつくに)をおさめる神様になります。
『いなばのしろうさぎ(はじめての世界名作えほん 63)』のおすすめポイント
『はじめての世界名作えほん』シリーズ全80巻のうちの63巻です。
うさぎを思いやるオオクニヌシの優しさや、助けることの尊さを学ぶことができます。
うさぎという子どもが大好きな動物が主人公なので、物語絵本はまだ早い子どもにもおすすめです。
本文の漢字・カタカナにはすべてルビがふってあるので、はじめてのひとり読みにも最適です。
お値段がお手頃なのも嬉しいですね。
日本の神話絵本おすすめ人気作品【3、4、5、6歳児向け】
そろそろむかしばなしも読み聞かせたい年齢。
日本の神話の中には、むかしばなしのように教訓が含まれています。
また、なぜなぜ期でもあるので、「どうやってこの国が生まれたの?」なんて聞かれたときには、さっと日本神話の絵本が出せると助かりますね。
心を育てる絵本の一つに、ぜひ日本の神話も取り入れてみてください。
『かみさまのおはなし』
出版社:講談社
発行日:2019年5月30日
値段:1,800円+税
対象年齢:幼児
『かみさまのおはなし』のあらすじ
『いなばの白うさぎ』や『うみさちひこ、やまさちひこ』など、みなさんが幼き日に親しんだお話を、令和の時代を生きていく子どもたちに伝えるのに最適な一冊です。
『かみさまのおはなし』のおすすめポイント
平成の皇后・美智子さまが、幼き日の皇太子、つまり令和時代の天皇陛下に読み聞かせをした本という話題の一冊です。
平成の天皇ご自身が、幼少期に親しんだ本でもあります。
皇室において、親から子への教育の場には、つねに「読書」がありました。
活字を通して世代から世代へと伝える、読み聞かせの力の大きさを、この本は再発見させてくれるでしょう。
巻末には、この本の復刻を企画した皇室ジャーナリストの渡邉みどり氏が皇室の読書教育について解説した、「美智子さまと子どもたちの本棚」を掲載しています。
『くにのはじまり(日本の神話 第一巻)』
出版社:あかね書房
発行日:1995年10月
値段:2,000円+税
対象年齢:5歳~
『くにのはじまり(日本の神話 第一巻)』のあらすじ
伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)の神は、天の浮橋(あめのうきはし)に立って、目の前にただようものの中に矛(ほこ)をさしこんで、かきまわし、陸地をつくりました。
『くにのはじまり(日本の神話 第一巻)』のおすすめポイント
『日本の神話』シリーズ全6巻のうちの第1巻、創世記です。
国際的絵本作家の赤羽末吉の繊細で美しい絵と、舟崎克彦の確かな取材に基づいた物語で、絵本の枠を超えて、資料としても貴重な作品です。
いざなぎといざなみを主人公として、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、月読神(つきよみのかみ)、須佐之男(すさのお)の命(みこと)が産まれるところまでをじっくりと学ぶことができます。
黄泉の国など少し怖い場面も出てきて、古事記の中でとてもドラマチックなパートです。
『イザナギとイザナミ~国のはじまり~ (日本の神話アニメ絵本1)』
出版社:永岡書店
発行日:2002年12月1日
値段:販売元による
対象年齢:幼児
『イザナギとイザナミ~国のはじまり~ (日本の神話アニメ絵本1)』のあらすじ
天と地が分かれていた頃、二人の神様、イザナギとイザナミは、四国や本州などの島々や国を守る神様を生みました。
ところが最後に火の神を生んだ時にイザナミは死んでしまい…。
『イザナギとイザナミ~国のはじまり~ (日本の神話アニメ絵本1)』のおすすめポイント
『日本の神話アニメ絵本』シリーズ全5巻のうちの第1巻です。
手に取りやすいサイズとボリューム感なので、なかなか読み聞かせをする時間が取れないママパパにおすすめです。
『いなばのしろうさぎ(いもとようこの日本むかしばなし)』
出版社:金の星社
発行日:2010年7月
値段:1,400円+税
対象年齢:幼児
『いなばのしろうさぎ(いもとようこの日本むかしばなし)』のあらすじ
1ぴき、2ひき、3びき・・・・・・ぴょん、ぴょん、ぴょん!
うさぎはぶじにサメの背中を渡りきれるのでしょうか?
サメをだまして一列に並ばせ、海を渡ろうとした白うさぎ。
だまされたことを知ったサメは、怒ってうさぎの皮をはがしてしまいます。
そこへ通りかかった心優しい神様に助けられ、うさぎは心から反省するのです。
『いなばのしろうさぎ(いもとようこの日本むかしばなし)』のおすすめポイント
人気絵本作家いもとようこ自身がセレクトしておくる人気シリーズです。
いもとようこの描く動物の絵はとてもかわいくて、大人も癒されます。
『いなばのしろうさぎ』の物語は色んな絵本で描かれていますが、神話をむかしばなしの一つとして読むというのも、また違った見方ができて面白いですね。
『うみさちやまさち(日本の神話 第六巻)』
出版社:あかね書房
発行日:1995年10月
値段:2,000円+税
対象年齢:5歳~
『うみさちやまさち(日本の神話 第六巻)』のあらすじ
兄弟神の海幸(うみさち)と山幸(やまさち)は、それぞれ海での釣りと山での狩りを仕事にしていました。
ある日、二人は道具を交換するのですが……。
『うみさちやまさち(日本の神話 第六巻)』のおすすめポイント
『日本の神話』シリーズ全6巻のうちの第6巻です。
少し複雑な内容も分かるようになってきたら、このぐらいの時代まで読み進めてみましょう。
人を許す心を学ぶことができるおはなしです。
日本の神話絵本おすすめ人気作品【小学生低学年向け】
日本の神話には、ハラハラドキドキする冒険物語や、手に汗握る怖いお話もあります。
小学生になったら、楽しいおはなしだけでなく、そういった少しディープな世界をのぞいてみてもいいですね。
小学校の教科書に載っているおはなしもあるので、教科書とはまた違った絵で楽しむこともできます。
『国生みのはなし~イザナキとイザナミ~(日本の神話 古事記えほん[一])』
出版社:小学館
発行日:2016年4月20日
値段:1,700円+税
対象年齢:小学校低学年~
『国生みのはなし~イザナキとイザナミ~(日本の神話 古事記えほん[一])』のあらすじ
この世界はどのように作られたのでしょうか。
高天の原の神がみは、イザナキとイザナミに国づくりをお命じになります。
国づくりののちに二人は、神がみを生んでゆきますが、火の神を生んだイザナミはそれがもとで死んでしまいます。
イザナミを忘れられないイザナキは黄泉の国に赴きます。
しかしそしてそこで出会ったイザナミは。
『国生みのはなし~イザナキとイザナミ~(日本の神話 古事記えほん[一])』のおすすめポイント
『日本の神話 古事記えほん』シリーズの第1巻です。
監修に古事記研究の第一人者三浦佑之、文にファンタジー文学の旗手荻原規子を迎え、一流の絵本作家さんが描く、恋あり、けんかあり、大冒険ありの神話の世界の開幕です。
斎藤隆夫のすばらしい日本画による古事記の世界をぜひお楽しみください。
『黄泉のくに(日本の物語絵本4)』
出版社:ポプラ社
発行日:2003年10月
値段:1,200円+税
対象年齢:小学校低学年~
『黄泉のくに(日本の物語絵本4)』のあらすじ
死者のくにへ旅立ってしまったイザナミをむかえに、イザナギは、地の底へとくだっていきました。
『古事記』の中の生と死の物語です。
『黄泉のくに(日本の物語絵本4)』のおすすめポイント
『日本の物語絵本シリーズ』全20巻のうちの第4巻です。
時代を越えて愛され親しまれてきた日本の代表的な物語を、すぐれた文と絵によって現代によみがえらせ、子どもはもとよりおとなにもアプローチしたシリーズです。
『天の岩戸アマテラス 日本の神話』
出版社:パイ インターナショナル
発行日:2021年5月19日
値段:1,400円+税
対象年齢:小学校低学年~
『天の岩戸アマテラス 日本の神話』のあらすじ
太陽の神アマテラスは、荒くれ者の弟スサノオの乱暴な振る舞いに呆れて、天の岩戸に閉じ込もってしまいます。
世界が暗闇に包まれ困った神々は、アマテラスを岩戸から引き出そうと、ある作戦を立てます。
『天の岩戸アマテラス 日本の神話』のおすすめポイント
飯野和好が迫力たっぷりに描く神話絵本シリーズ第2弾です。
魅力溢れる神々の姿がダイナミックに描かれています。
『やまたのおろち(日本の神話えほん 2)』
出版社:岩崎書店
発行日:2020年12月31日
値段:1,800円+税
対象年齢:小学校低学年~
『やまたのおろち(日本の神話えほん 2)』のあらすじ
日の神・アマテラスの弟、スサノオは、「高天の原(たかまのはら)」という神さまの国でさんざん乱暴をしたため、外界へと追い出されてしまいました。
出雲の国のある村にたどり着いたスサノオは、怪物ヤマタノオロチが毎年娘を食べに来るという話を聞き、その怪物を退治することを約束します。
『やまたのおろち(日本の神話えほん 2)』のおすすめポイント
ふしみみさをが織り成すやさしい言葉と、フランスの巨匠、ポール・コックスが描くイラストレーションが響き合う、美しい日本の神話絵本シリーズの2作目です。
スサノオが恐ろしい怪物に立ち向かうという子どもが大好きな戦いのシーンでグッと心をつかみます。
また、乱暴者だったスサノオが人の心に寄り添い、最後はクシナダヒメと幸せになるという成長物語は、子どもに勇気と希望を与えてくれます。
「三種の神器」や「出雲」についても学べる、古事記の中でも重要なパートなので、神社について学ぶきっかけにもなりますね。
『国づくりのはなし~オオクニヌシとスクナビコナ~(日本の神話 古事記えほん[五])』
出版社:小学館
発行日:2017年10月18日
値段:1,700円+税
対象年齢:小学校低学年~
『国づくりのはなし~オオクニヌシとスクナビコナ~(日本の神話 古事記えほん[五])』のあらすじ
兄神たちにしいたげられたオオナムヂは、スサノオのいる根の堅州の国に逃れます。
そこではスサノオが数々の試練をオオナムヂに与えますが、妻となったスサノオの娘スセリビメといっしょにその試練を乗り越えます。
オオナムヂは、神宝を奪いスサノオの元を逃れます。
スサノオはオオナムヂにオオクニヌシの名前を与え、地上を治めるよう命じます。
オオクニヌシは、兄神たちを追い払い、スクナビコナの神とともに国を治め栄えさせるのでした。
『国づくりのはなし~オオクニヌシとスクナビコナ~(日本の神話 古事記えほん[五])』のおすすめポイント
『日本の神話 古事記えほん』シリーズの第5巻です。
いよいよ国を治める話に入っていきます。
第1巻から読み進めれば、どのようにこの大地が創られ、どのように国を治めることにつながっていくのかが理解できます。
小学生の子どもと日本の基礎を学ぶのに、ちょうどいいボリューム感のシリーズとなっています。
『決定版 心をそだてる 松谷みよ子の日本の神話』
出版社:講談社
発行日:2010年10月21日
値段:2,800円+税
対象年齢:小学校低学年~
『決定版 心をそだてる 松谷みよ子の日本の神話』のあらすじ
遠いはるかな昔から人々が語り継いできた日本の神話。
『ヤマタノオロチ』『因幡の白うさぎ』ほか、この1冊で日本の神話のおもだったお話がすべて読める決定版です。
『決定版 心をそだてる 松谷みよ子の日本の神話』のおすすめポイント
松谷みよ子の美しい文章で、昔話を読むように神話を楽しむことができます。
日本の神話が101話収録された、大型の読み聞かせ絵本です。
一話ごとに、最後のページに「読み物」「用語解説」「地図」が載っているのもポイントです。
写真・図版・コラムが豊富に掲載され、時代背景やいまの暮らしとのつながりがわかるようになっているので、日本神話の全体像を学びたい子どもにおすすめです。
『世界の童話21 オールカラー版 日本の神話』
出版社:小学館
発行日:1968年12月5日
値段:販売元による
対象年齢:小学校低学年~
『世界の童話21 オールカラー版 日本の神話』のあらすじ
古事記の中でも有名な『うみさちやまさち』『おおくにぬしのみこと』『やまとたけるのみこと』『やまたのおろち』の4話がまとめられています。
スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治して出雲の国に御殿を建て、クシナダヒメを妻に迎え、出雲の国を平和に立派に治めたところでしめくくられています。
『世界の童話21 オールカラー版 日本の神話』のおすすめポイント
全ページ、オールカラー印刷のワイド判絵本です。
すべてひらがなで書かれているので、ひとり読みにも最適です。
日本の神話絵本おすすめ人気作品【小学生中学年~高学年向け】
今までは、日本の神話の中のおはなしを切り取って楽しんでいたところを、さらに一歩踏み込んで、日本の歴史として描かれている日本の神話絵本も選んでみましょう。
きっと、日本の神話がもっともっと面白く感じますよ。
『こんなにおもしろい日本の神話(全3巻)』
出版社:汐文社
発行日:2021年3月
値段:4,800円(1冊1,600円)+税
対象年齢:小学校中学年から高学年
『こんなにおもしろい日本の神話(全3巻)』のあらすじ
1巻では、日本の国はどうやって誕生したのか、イザナキやイザナミ、アマテラス、スサノオ、ツクヨミなどの物語と一緒に学ぶことができます。
2巻では、オオクニヌシが国をおさめるきっかけとなった『いなばのしろうさぎ』など、有名なエピソードがたくさん出てきます。
3巻では、有名なウミサチ・ヤマサチの物語、ヤマトタケルの冒険など、日本神話の神々の冒険物語が描かれています。
『こんなにおもしろい日本の神話(全3巻)』のおすすめポイント
美しいイラストつきの物語を読んで、日本神話の世界を身近に感じてみましょう。
神々のキャラクターを知ることができるコラムも充実しているので、古事記の理解が深まります。
『絵で読む日本の神話-神話伝承館への招待』
出版社:明成社
発行日:2000年2月
値段:1,714円+税
対象年齢:小学校中学年から高学年
『絵で読む日本の神話-神話伝承館への招待』のあらすじ
「神話の巻」「歴史の巻」に分かれていて、第一章では神話絵画43点にやさしい解説がついています。
「神話の巻」では、大宇宙の初め/日本の国の初め/天照大神紙/天の岩屋戸/天孫邇邇芸命の天くだりまでが描かれています。
「歴史の巻」では、神武天皇の日本建国が描かれています。
『絵で読む日本の神話-神話伝承館への招待』のおすすめポイント
「神話を失えば、目に見える物の世界しか見えなくなる」と語る著者は、「日本の神話には、壮大な神の世界の物語と、地上の話とを交叉させながら、日本が建国されていく様が語られている」としています。
墨と金色の、勢いのある筆づかいで描かれた神話絵画が織り成す日本の国誕生の物語です。
難しい神様の名前も、漢字を残してルビをふっているので読みやすくなっています。
日本の神話絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?
日本の神話絵本の選び方①興味のあるおはなしを見つける
〝日本の神話”というと特別なものに感じてしまいがちですが、普段読んでいる絵本と同じように、一つの物語として出ている絵本がたくさんあります。
全てを理解しようとする前に、まずは読んでみたい本を見つけてみましょう。
日本の神話絵本の選び方②年齢に合ったおはなしやシリーズを選ぶ
日本の神話の中には、『いなばのしろうさぎ』のようなむかしばなしのように楽しめるものばかりではありません。
できれば内容を見て、これなら子どもに伝わるかなというものを選んであげてください。
日本の神話絵本の選び方③神話なのか歴史なのかを区別する
小学校高学年になると、日本の歴史という観点から、古事記自体を学びたいと思う子どももいるでしょう。
おはなしだけでなく、その土地の歴史や日本の歴史も知りたいのであれば、そういう解説が載っている絵本を選んであげてください。

【日本の神話絵本まとめ】日本の神話は面白い!
日本の神話を初めて読むと、本当に色々な神さまが出てきてびっくりします。
きっと、日常の中での神さまに対する考え方も変わってきたり、神社巡りが楽しくなったり、新しい世界が開けることでしょう。
日本の神話絵本を読むことで、心を育てると同時に、自然と日本の歴史にも興味が出てきます。
ぜひ、子どもと楽しめる日本の神話絵本を手に取ってみてくださいね。
日本の神話の絵本が好きな方はこちらもチェック!▼
コメント