天狗は古くから、日本の神とも妖怪ともいわれている伝説上の存在。
顔は真っ赤で天に届くような長い鼻。
背中には羽があり、手には大きなうちわを持っていると言われます。
そして民話や昔話にもよく登場しますね。
こちらでは天狗を題材にした絵本を年齢別におすすめで15冊ご紹介します。
幼児が読んでも楽しい『だるまちゃんとてんぐちゃん』や『てんぐとかっぱとかみなりどん』など。
また有名な昔話しの『てんぐのかくれみの』 はたくさんの作者が絵本にしています。
そのほかにも落語や古典芸能の題材にもなっている『天狗の恩返し』『天狗の酒盛り』は風変わりな内容で小学生の子供も読み応えがあります!
不思議で愉快な天狗の絵本、あらすじやおすすめポイントも参考にしてぜひ手に取ってみてくださいね。
てんぐの絵本おすすめ人気作品 【1、2歳児向け】
それではさっそくてんぐ絵本をご紹介しましょう。
まずは1、2歳児向けのてんぐ絵本です。
『てんぐのかくれみの』
出典:ポプラ社公式サイト
絵:小林 裕也
絵:すずき えりな
出版社:ポプラ社
発売年月 2019年10月
値段:350円+税
対象年齢:1歳から
『てんぐのかくれみの』のあらすじ
てんぐが持ってるかくれみのは、かぶると姿を消すことができます。
とんちのきくひこいちは、てんぐをだましてまんまとかくれみのを手に入れますが……
『てんぐのかくれみの』のおすすめポイント
「はじめての世界名作えほん」シリーズの一冊。
世界や日本の昔話しを、小さな子にも分かりやすい言葉と可愛らしい絵で描いています。
てんぐのかくれみのは、もともと「彦一とんち話」のひとつ。
てんぐとひこいちのやりとりが愉快で、小さな子にも楽しめるてんぐの絵本ですよ。
てんぐの絵本おすすめ人気作品 【3、4歳児向け】
ここからは3、4歳児におすすめのてんぐ絵本をご紹介します。
『てんぐさてんぐ』
出典:Amazon.co.jp
出版社:童心社
発行日:1994年05月30日
値段:1000円+税
対象年齢:3歳から
『てんぐさてんぐ』のあらすじ
ある日の夜、空からひかるたまごが落ちてきました。
犬やサルやカラスが集まって、みんなひかるたまごを前に不思議顔。
そしてパチンとたまごが割れて出てきたのは……なんとてんぐの子供でした!
『てんぐさてんぐ』のおすすめポイント
子供たちが大好きなせなけいこのおばけえほんの一冊。
たまごが割れて、てんぐの子が現れるユニークなシーンに子供たちは大喜び。
日本語の楽しさが伝わる言葉遊びの愉快な絵本です。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』
出典:Amazon.co.jp
出版社:福音館書店
発行日:1967年11月
値段:900円+税
対象年齢:3歳から
『だるまちゃんとてんぐちゃん』のあらすじ
ちいさなだるまちゃんとちいさなてんぐちゃんが、いっしょに遊んでいました。
だるまちゃんはてんぐちゃんの持っているうちわが羨ましくなります。
そしておおきなだるまどんに頼んでうちわをたくさん出してもらいますが……
『だるまちゃんとてんぐちゃん』のおすすめポイント
かこさとしの『だるまちゃん』の」シリーズのひとつです。
だるまちゃんとてんぐちゃんという日本的なキャラクターを生み出したかこさとしは絵本の中にその姿を生き生きと描き出します。
てんぐちやんとだるまちゃんのやりとりは見ているだけでほのぼのしますよ。
まただるまちゃんが次々出すお願いを受け止めるおおきなだるまどんに、小さな子に寄り添う愛情の深さを感じます。
『てんぐのはうちわ』
出典:Amazon.co.jp
絵:長 新太
出版社:教育画劇
発行日:2000年
値段:1200円+税
対象年齢:幼児
『てんぐのはうちわ』のあらすじ
てんぐを騙して、もんたはてんぐのはうちわを手に入れます。
そのはうちわを使うと鼻を高くしたり低くしたりできるので、もんたはさんざんいたずらをするのですが……
『てんぐのはうちわ』のおすすめポイント
有名な昔話しを絵本にしたものです。
愉快なお話に長新太の伸びやかな絵と色使いがマッチして、楽しい天狗絵本です。
『てんぐのそばまんじゅう』
絵:長谷川 義史
出版社:ひさかたチャイルド
発行日:2010年09月
値段:1200円+税
対象年齢:4、5歳から
『てんぐのそばまんじゅう』のあらすじ
昔々、かむろの山奥にじいさまとばあさまがなかよく暮らしていました。
ある日じいさまとばあさまの前にケガをしたてんぐが現れて、じいさまとばあさまはびっくり。
けれどじいさまとばあさまが一生懸命看病したおかげで、てんぐは元気になりました。
てんぐはお礼にそばの実を二人にさずけます。
『てんぐのそばまんじゅう』のおすすめポイント
四季折々の山の美しさとユニークなキャラクターの姿を、長谷川義史の豊かな絵が伝えます。
じいさまとばあさまのひょうひょうとした姿とてんぐのやりとりに心温まる絵本です。
読んだあとそばまんじゅうが食べたくなりますよ。
てんぐの絵本おすすめ人気作品 【5、6歳児向け】
天狗がいたら一緒に遊びたくなるような絵本がいっぱいですね。
5、6歳児におすすめの天狗絵本をご紹介します。
『てんぐちゃんのおまつり』
出典:Amazon.co.jp
絵:かわかみ たかこ
出版社:理論社
発行日:2006年11月
値段:1000円+税
対象年齢は:5、6歳から
『てんぐちゃんのおまつり』のあらすじ
山に住むてんぐちゃんは人間に見つかりたくないけれど、お祭りで遊びたくして仕方ありません。
そこで思いきって里のお祭りに行ってみました。
『てんぐちゃんのおまつり』のおすすめポイント
てんぐちゃんが見つからないかハラハラドキドキしながら楽しめる絵本です。
ジャケット裏にはてんぐちゃんのお面付き。
また巻末にはてんぐちゃんのオリジナルソングの譜面と振り付けが収録されています。
歌って踊って楽しむことのできる絵本です。
『てんぐのきのかくれが』
出典:Amazon.co.jp
出版社:教育画劇
発行日:2010年06月
値段:1100円+税
対象年齢:5歳から
『てんぐのきのかくれが』のあらすじ
裏山に秘密の隠れ家をつくろうと思ったしゅんくんのまえに、なんとてんぐがあらわれた!
てんぐは、鬼やろくろくび、やまんばまで集めて、しゅんくんに巨大な隠れ家を建てようとします。
いったいどんな隠れ家が出来るのでしょうか。
『てんぐのきのかくれが』のおすすめポイント
画面のすみずみまで細密に描かれた絵は、とても迫力があります。
妖怪たちや裏山の木々がまるで本当にそこにあるかのような存在感で子供たちも目が離せません。
読んだあと自分も隠れ家を作って、てんぐたちと遊びたくなること間違いなしですよ。
『てんぐ』
出典:Amazon.co.jp
絵:加藤 休ミ
出版社:ポプラ社
発行日:2018年09月03日
値段:1200円+税
対象年齢:6歳から
『てんぐ』のあらすじ
かつて悪さをするてんぐを和尚さんが法力をつかって木にしました。
けれど和尚さんが留守のときに、コマ回しをして遊んでいた小僧さんがその法力を解いてしまいます。
自由になった悪いてんぐは……!
『てんぐ』のおすすめポイント
妖怪やおばけ本来の怖さや物語を子供たちに伝えるための、おばけ話絵本のシリーズの一冊です。
日本各地に伝わる伝説や物語が子供向けに創作されています。
圧倒的な迫力あるイラストと物語、けれど読み終わったあとにちゃんと安心できる内容に、親子で楽しめる絵本です。
『てんぐのこま』
出典:福音館書店公式サイト
絵:山中春雄
出版社:福音館書店
発行日: 1958年06月01日
値段:絶版
対象年齢:5、6歳から
『てんぐのこま』のあらすじ
お寺の小僧のいっちょうさんはコマ回しが誰よりも得意でした。
しかしいたずらもののいっちょうさんはある晩、てんぐたちに連れ出され、てんぐになれと迫られます。
そこでいっちょうさんはてんぐたちにコマ回しで勝負を挑みます。
『てんぐのこま』のおすすめポイント
伊豆地方に伝わるてんぐの昔話をもとにした絵本です。
淡い色合いの絵が昔話の叙情を誘い、大人も子供も楽しむことのできる絵本です。
『かっぱとてんぐとかみなりどん』
出典:Amazon.co.jp
出版社:復刊ドットコム
発行日:2014年04月18日
値段:1800円+税
対象年齢:5、6歳から
『かっぱとてんぐとかみなりどん』のあらすじ
くいしんぼうでいばりんぼうであばれんぼうのかっぱとてんぐとかみなりどんに、山で働く人々は悪さばかりされていつも困っていました。
ある日とうべえさんは息子のとうへいのほっぺとお尻とおへそを持って来いと言われ……。
とうへいが悪い3人をやっつけます!
『かっぱとてんぐとかみなりどん』のおすすめポイント
かこさとしの昔話の本シリーズ。
昔話しに込められた知恵や勇気を「いまだからこそ読んで欲しい」とかこさとしが絵本の中に豊かに描き出します。
悪い3人組をやっけるとうへいの姿に大人も学ぶところの多い絵本です。
ぜひ親子で読んでとうへいの活躍を楽しんでください。
てんぐの絵本おすすめ人気作品 【小学生以上向け】
ここからは小学生以上の子が楽しむことのできるてんぐ絵本を選びました。
『てんぐ、はなをかむ。』
出典:Amazon.co.jp
絵:平田 景
出版社:国土社
発行日:2014年04月
値段:1400円+税
対象年齢:小学校低学年
『てんぐ、はなをかむ。』のあらすじ
てんぐ、はなをかむの「かむ」ってどんな意味?
はなは「鼻」? それとも「花」?
ほかにもとなりのおじさん、だいこんをかうんだって(買うと飼う)など。
絵を見ながら文の意味を考える言葉遊びの絵本です。
『てんぐ、はなをかむ。』のおすすめポイント
同じ言葉でも見ている絵によって捉え方が変わり、意味が異なるということを知ることができます。
同音異義語を楽しい文章と絵で学ぶことができる、ユーモアあふれた言葉遊び絵本です。
『てんぐの酒もり 』
出典:Amazon.co.jp
絵:東 菜奈
出版社:岩崎書店
発行日:2001年02月28日
値段:1300円+税
対象年齢:小学生
『てんぐの酒もり 』のあらすじ
落語をもとにしたお話です。
表題作をはじめとした旅をしている二人連れの間抜けな珍道中です。
『てんぐの酒もり 』のおすすめポイント
『きみにもなれる落語の達人』のシリーズです。
手ぬぐいを使った表現など、落語が詳しく解説され、落語の入門制度などQ&Aのコーナーもついています。
『天狗の恩がえし 』
出典:Amazon.co.jp
絵:小田切恵子
出版社:アートダイジェスト
発行日:2002年
値段:1800円+税
対象年齢:小学生高学年から
『天狗の恩がえし 』のあらすじ
能の人気の曲を絵本にしたシリーズです。
助けてくれたお寺のお坊さんに恩返しをしたいと天狗があらわれます。
けれど恩返しをしたいと思ってもなかなか上手くいかない、滑稽なてんぐの姿が描かれます。
『天狗の恩がえし 』のおすすめポイント
子供たちに日本の古典芸能の世界を絵本を通して伝えるシリーズの一冊です。
絵本を読んだあと実際の能を見たくなりますね。
『てんぐのはなし』
出典:Amazon.co.jp
絵:ヒサクニヒコ
出版社:あかね書房
発行日:1977年09月
値段:1000円+税
対象年齢:小学校低学年から
『てんぐのはなし』のあらすじ
とんち話、昔話のてんぐのお話を集めた本です。
「てんぐとすみやき」「てんぐのうちわ」「てんぐのたいこ」「てんぐのかぼちゃ」など、ほかにも7編のてんぐのお話が収録されています。
『てんぐのはなし』のおすすめポイント
子供たちに人気のある、とんち話や昔話を合わせたシリーズの一冊です。
軽やかな文章とユーモアを感じるイラストで、子供たちが楽しく読むことができます。
『テングの生活図鑑』
出典:Amazon.co.jp
出版社:国土社
発行日:1995年06月10日
値段:1500円+税
対象年齢:小学校低学年から中学年
『テングの生活図鑑』のあらすじ
テングってどんな生活をしてるんだろう?
食べてるものは? 着ているものは?
そんなテングの謎の生活をこの図鑑で楽しく学びましょう!
『テングの生活図鑑』のおすすめポイント
ヒサクニヒコの『不思議な図鑑』のシリーズです。
様々な視点からテングのことを解説していて、絵本や物語とは違った楽しさを味わうことのできるテングの本です。
てんぐの絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?
ここでは天狗の絵本を選ぶときの3つのポイントをお伝えします。
てんぐの絵本の選び方①昔話しに親しめる絵本
天狗は日本の昔話しにたくさん登場します。
有名な彦一とんち話や、その他各地域の民話にも天狗はよく出てきますね。
そんな天狗の出てくる絵本で、日本の昔話しにぜひ親しんでみましょう。
てんぐの絵本の選び方②親しみやすいキャラクターの絵本
天狗というとなんだか怖いイメージを抱きますが、可愛いキャラクターとして描かれているものもたくさんあります。
子供に親しみやすい天狗のキャラクターの絵本を選べば、子供は天狗を怖がることなく楽しく絵本を読めますよ。
てんぐの絵本の選び方③不思議さを感じる絵本
伝説上の存在である天狗は、子供にとっては不思議でならない存在でもあります。
だからこそ様々な空想を呼び起こし、子供のイマジネーションを大きく刺激します。
そんな天狗の不思議な存在感が描かれた絵本を選びましょう。
【てんぐの絵本まとめ】天狗は日本のどこかにいるかも
天狗の絵本を年齢別に15冊ご紹介しました。
なんだか天狗が本当に現れそうな、そんな気になってしまう絵本がたくさんありましたね。
またなんだか懐かしい心持ちになるのは、日本の昔の情景が感じられるものが多かったからかもしれません。
日本の不思議な存在、天狗。
怖いだけでも愉快なだけでもありません。
どうぞ絵本で様々な天狗の姿を心ゆくまで楽しんでみてくださいね。
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