人間にとって視覚は、外界の情報を得るのにとても大切な役目をしています。
嗅覚がするどい動物や、触覚が発達している昆虫などとは違い、人間は五感を持っていながら、80%以上も視覚にたよっているそうです。
今回は“目”に関するおすすめの絵本を、年齢別に15作品紹介します。
目の「錯覚」を楽しむ『ふしぎなえ』や、動物の目について知ることができる『どうぶつの目』。
色鮮やかなイラストで赤ちゃんの目をくぎ付けにする『もいもい』。
『もいもい』はボードブックなので、絵本のするどい角が赤ちゃんの目に入る心配もありませんよ。
ぜひ、絵本選びの参考にしてみてください。
目の絵本おすすめ人気作品【0、1、2、3歳児向け】
鮮やかな色使いや、繰り返しの音が入っている絵本で、子どもを絵本好きにしましょう。
まず、0歳から3歳までの小さな子ども向けの作品を紹介します。
『もいもい(ボードブック)』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発行日:2018年11月
値段:1,200円+税
対象年齢:0〜2歳
『もいもい(ボードブック)』のあらすじ
もいもいという不思議な形をしたキャラクターが大きくなったり、小さくなったり、真ん中にいたり、端っこにいたり。
「もいもい」「もーい」と言いながら、ページの中を動きます。
『もいもい(ボードブック)』のおすすめポイント
科学的な研究から赤ちゃんのための絵本を作る、というコンセプトで始動したプロジェクト。
そこから生まれた不思議なキャラクターです。
ボードブックである今作は、通常版と比べて赤ちゃんが安全に持って読める仕様になっています。
持ち運びにも便利で、通常版よりページ数が少なめです。
『あがりめさがりめ ーおかあさんと子どものあそびうたー』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:こぐま社
発行日:1994年2月
値段:1,200円+税
対象年齢:0歳から
『あがりめさがりめ ーおかあさんと子どものあそびうたー』のあらすじ
「あーがりめ、さーがりめ、ぐるっとまわって、ねーこのめ」
昔からなじみのあるわらべうたや、手遊びうたを優しい絵で紹介します。
全部で15曲、メロディーのあるものには、楽譜がついています。
『あがりめさがりめ ーおかあさんと子どものあそびうたー』のおすすめポイント
歌い継がれるわらべうたや手遊びうたですが、小さい頃歌ったきり、という方も多いはず。
しかし、歌の力はすごいもので、絵と歌詞を見てみると、一気に記憶がよみがえってきます。
子どもにも、そんな経験をして欲しいですね。
『めとめがあったら』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:ブロンズ新社
発行日:2015年9月
値段:900円+税
対象年齢:幼児
『めとめがあったら』のあらすじ
ねこの親子は、めとめがあったら「ふわ〜」とおおあくび。
くまの親子の、めとめがあったら?
キリンのおやこの、めとめがあったら?
次はだれが、めをあわせるのかしら。
『めとめがあったら』のおすすめポイント
北欧フィンランドのイラストレーターが描く、かわいらしい動物の親子がなんともいえず魅力的です。
たくさん登場する動物の名前を覚えることや、どの動物がどんなことをするのか当てるなど、年齢とともに楽しみ方の幅が広がる絵本です。
目の絵本おすすめ人気作品【4、5、6歳児向け】
幼稚園や保育園に行きはじめると、活動範囲も広がります。
メガネをかけたお友達や、色が見えにくいお友達とも知り合う機会があるかもしれませんね。
次は、4歳から6歳の子ども向けの作品を紹介します。
『ふしぎなえ』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:福音館書店
発行日:1971年3月
値段:900円+税
対象年齢:4歳から
『ふしぎなえ』のあらすじ
階段をのぼって、のぼって、のぼったはずが、あれ?
いつの間にかもといた場所に戻ってしまっています。
迷路の中に入ると、いつの間にか逆さまに!
思っていたようにはならない、不思議な絵の世界に迷い込んでしまいました。
『ふしぎなえ』のおすすめポイント
世界中で人気の作家、安野光雅の絵本作家デビュー作です。
言葉のない、絵だけの絵本ですが、その分子どもの想像力を存分にかきたててくれます。
こびとたちの繊細でユーモラスな絵を楽しむ小さな子どもから、「あれ、何かおかしい」と気づく小学生から大人まで、幅広い年齢におすすめの絵本です。
『みえるとか みえないとか』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:アリス館
発行日:2018年7月
値段:1,400円+税
対象年齢:4歳から
『みえるとか みえないとか』のあらすじ
宇宙飛行士のぼくは、ある星に降り立ちました。
そこは、3つの目を持つ宇宙人が住むところ。
彼らは「目が2つしかないなんてかわいそう」「後ろが見えないなんてかわいそう」と言ってきます。
じゃあ、目が見えないひともかわいそうなの?
『みえるとか みえないとか』のおすすめポイント
『りんごかもしれない』などで人気のヨシタケシンスケが描く、ひととの違いを考える絵本です。
同じところと違うところ、それがあって当然、という意識を持つには、心が柔軟な子どもの頃が一番です。
目が見える見えないの話だけで終わらず、子どものありのままを肯定し、ひとを尊重することを学ぶ絵本として読んであげたいですね。
『ぴかくん めをまわす』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:福音館書店
発行日:1966年12月
値段:900円+税対象
年齢:4歳から
『ぴかくん めをまわす』のあらすじ
ぴかくんは信号機です。
朝、目覚めると、そこからぴかくんの忙しい1日が始まります。
ある日、あまりにも忙しいぴかくんは、目を回してしまい、信号の色を規則正しく点灯することができなくなりました。
すると、町は大混乱!
『ぴかくん めをまわす』のおすすめポイント
ぴかくんが眠る夜は点滅信号であることや、通常の信号は青・黄・赤の順で点灯することなど、信号の規則を教えてくれる絵本です。
それとともに、交通ルールも学ぶことができる、子ども向けの1冊です。
信号機に描かれているぴかくんの表情に注目すると、面白いですよ。
『わたしのすてきなたびする目』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:偕成社
発行日:2013年6月
値段:1,600円+税
対象年齢:5歳から
『わたしのすてきなたびする目』のあらすじ
ジェニー・スーの左目は斜視です。
学校では先生によそ見するなと言われたり、友達にからかわれたりするけれど、自分の目を気に入っています。
しかし、ある日、眼科に連れて行かれたジェニー・スーは、眼科医によって右目を塞がれてしまいました。
左目だけのつらい日々に、ジェニー・スーは耐えきれず母親に気持ちを打ち明けます。
『わたしのすてきなたびする目』のおすすめポイント
作者の実体験をもとに作られた絵本です。
斜視である左目を「なまけている」と言われ、左目がちゃんと働くようにと右目をアイパッチで塞がれたジェニー・スー。
母親は、落ち込むジェニー・スーが前向きになるようにと、楽しいアイデアを出してくれました。
辛い時期を乗り越えるための工夫、斜視をたびする目という表現、そして明るい絵から多くのことを学べます。
『めのはなし』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:福音館書店
発行日:2019年4月
値段:900円+税
対象年齢:4〜5歳から
『めのはなし』のあらすじ
普段、当たり前のように使っている目。
目を開けるとものが見えるけれど、一体どのようなしくみになっているのでしょうか。
まつ毛の役割とは何でしょうか。
驚きいっぱい、目のしくみをわかりやすく教えます。
『めのはなし』のおすすめポイント
目の瞳孔や網膜のことなど、子どもにわかりやすいはっきりとしたイラストで説明しています。
見る時の条件によって、全く同じものが違う長さに見えたり、違う色に見えたりする“錯視”も紹介。
汚れた手で目を触ったらどうなるのか、目を強くこするとどうなるのか、大切な目だからこそしっかりと子どもに理解してほしい内容がいっぱいです。
『犬の目』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:フェリシモ出版
発行日:2019年12月
値段:1,287円+税
対象年齢:幼児〜小学生
『犬の目』のあらすじ
目が痛くて眼科にかけこんだ男。
医者は、目が腐りかけていると言い、男の目をくり抜きました。
そして、薬につけたり、天日に干したり、としているうちに……。
なんと、犬が男の目を食べてしまったと言うではないですか!
『犬の目』のおすすめポイント
「おはなしのたからばこシリーズ」の17作目、本作は落語絵本です。
テンポよく進む会話と、理不尽でありながらもそのスピードで有無を言わさない展開となっていて、子どもから大人まで楽しめます。
落語ならではの話の進み方とオチで、新しい楽しみ方を発見できますよ。
目の絵本おすすめ人気作品【小学生以上向け】
黒板の字を追ったり、写生をしたり、植物の観察をしたり。
小学校の授業では見ることがたくさんありますね。
最後に、小学生以上の子ども向けの作品を紹介します。
『目がみるみる良くなる3D絵本』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:主婦の友社
発行日:2018年12月
値段:2,681円+税
対象年齢:小学生以上
『目がみるみる良くなる3D絵本』のあらすじ
3Dイラストを見ることによって、視力回復や疲れ目の回復をはかります。
初級の立体視ができない方やかくし絵がわからない方から、上級との立体視イラストの見方に慣れた方たちも使える、3段階のレベル分け。
目を鍛えることで、脳力アップもめざします。
『目がみるみる良くなる3D絵本』のおすすめポイント
視力と脳力アップ、疲れ目の解消を目指して、1日5分のトレーニングです。
ゲームやテレビ、オンラインで受講するレッスンなど、子どもの目も、1点を凝視することが増えてきました。
目を動かし、視野を広くとるトレーニングをすることで、目の筋肉をほぐして、脳の柔軟性を高めます。
パソコンで作業することが多い大人にもおすすめの絵本です。
『目のひみつたんけん』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:文研出版
発行日:1980年6月
値段:1,200円+税
対象年齢:小学生以上
『目のひみつたんけん』のあらすじ
お父さんに連れられて、「錯視博物館」に来たおさむ。
浮いているように見えるその建物の中では、床が歪んでいたり、人がとんでもなく大きくなっていたり。
でも実際、床は歪んではいないし、そんなに大きな人もいない。
これは一体どういうこと……?
『目のひみつたんけん』のおすすめポイント
錯視がおこる原因を、楽しいイラストとともに詳しく解説しています。
目で見たものを脳がどのように解釈するのか、目の前にあるものに対して、自分の今までの経験や体験を加味して見てしまうことなど、子どもにもわかりやすく書いています。
子どもに錯視について聞かれた時に説明するための絵本としても、おすすめです。
『どうぶつの目』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:偕成社
発行日:2010年1月
値段:1,600円+税
対象年齢:小学生以上
『どうぶつの目』のあらすじ
猫のひとみはどうして細くなるのでしょう。
ライオンの目は前に並んでいるのに、キリンの目は横についているのはどうしてでしょう。
不思議な動物たちの目を、クイズ形式で紹介し、解説します。
『どうぶつの目』のおすすめポイント
動物たちが生きる環境においてそれぞれ適応し進化してきた、目。
動物の体の一部分を取り上げて詳しく解説してくれる「どうぶつのからだシリーズ」の第1弾です。
大きな写真で、子どもが楽しめるクイズで学ぶ、写真絵本です。
『目で見て かんじて』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:河出書房新社
発行日:2019年11月
値段:2,000円+税
対象年齢:小学生以上
『目で見て かんじて』のあらすじ
人が認識するたくさんの色と名前、文字をもたない大昔の人々が絵を描くことで情報を交換したこと。
人間の目と動物の目の仕組みの違いや、多くの情報を得たからこそ陥ってしまう錯視。
たくさんの目に関することを、色鮮やかなイラストで紹介します。
『目で見て かんじて』のおすすめポイント
目を使ってできることはどんなことなのか、目の役割とはなんなのか。
視覚がもつ情報量や力を、色鮮やかなイラストで伝えます。
目が見えるからこその意思伝達の方法や錯視、見えなくても点字ブロックや音で誘導してくれる道などを、この本を目で見て感じることができます。
『めをとじて みえるのは』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:評論社
発行日:2019年7月
値段:1,600円+税
対象年齢:小学生以上
『めをとじて みえるのは』のあらすじ
ベッドに入って眠る時間ですが、女の子はお父さんに質問をしはじめます。
「どうして海は青いの?」「どうして鳥は南へとんで行くの?」「どうして恐竜はいなくなったの?」、どうしてどうして……?
終わりのない女の子からの質問に、お父さんは楽しくてわくわくする答えをします。
『めをとじて みえるのは』のおすすめポイント
眠る前にたくさんの質問だと、つい「それはいいから早く寝なさい」と言ってしまいそうですが、このお父さんは根気強くしかも楽しく答えます。
「どうして寝なくちゃいけないの?」という質問には「目を閉じた時にしか見られない素晴らしいものがあるから」と言います。
小学生以上の子どもなら、お父さんの答えを面白がりながら楽しんでくれますよ。
『ふしぎだね!?視覚障害のおともだち』
画像引用:amazon.co.jp
出版社:ミネルヴァ書房
発行日:2008年2月
値段:1,800円+税
対象年齢:小学生以上
『ふしぎだね!?視覚障害のおともだち』のあらすじ
視覚障害のあるおともだちのある日の1場面を通して、視覚障害がどのようなものなのかを紹介します。
弱視で集合場所がわからないはやとくん、弱視で人とすれ違った時にあいさつできないことがあるあおいさん。
どうしてなんだろう、ということでも、相手の状況や気持ちをしることで、周りが手助けできるような環境を作っていきます。
『ふしぎだね!?視覚障害のおともだち』のおすすめポイント
視覚障害といっても、軽度の弱視や重度の弱視、全盲などさまざま。
そして、支援が必要な状況もそれぞれ違います。
おともだちに助けが必要な状況になった時にすぐ動けるように、おともだちの気持ちを理解できるように、視覚障害について知るきっかけとなる絵本です。
目の絵本は乳児から小学生まで人気!選び方は?
ここからは、目の絵本の選び方のポイントを紹介します。
目の絵本の選び方①目で見ることを楽しめる絵本を選ぶ
鮮やかな色を楽しむことや、微妙な色の変化を楽しむこと。
奇妙な絵や錯覚を楽しむこと。
目で見るからこそ、聞くだけではない想像の世界がひろがります。
目の絵本の選び方②目のしくみがわかるものを選ぶ
単純に目をあけただけで、飛び込んでくる周りの景色や人の顔。
当たり前のことのようですが、実はものすごく複雑なしくみから成り立っているのが、ものを見て認識する、ということ。
子ども自身が、自分の目を大切にしてくれるきっかけになる絵本もたくさんありますよ。
目の絵本の選び方③他人と自分の見え方の違いを学べるものを選ぶ
ひとそれぞれ違うと頭でわかっていても、実際にきちんと理解するのは難しいことです。
斜視や弱視、色覚に特徴がある人や全盲の人々。
幼稚園や小学校、これからの社会生活で出会い交流することもありますね。
その時に、どういった行動をした方がよくて、するべきでないのか。
一概には言えませんが、知っておくというのはとても大切なことです。
【目の絵本まとめ】たくさん見て、たくさん感じよう!
目に関連した絵本を15作品紹介しました。
いかがでしたか?
目には口ほどにものを言う、ということわざがあるように、目はたくさんのことを表現し、たくさんの情報を読み取ります。
そして、目を閉じているのに、夢を見る、なんて不思議な言い方も当たり前のようにしています。
目のしくみの絵本で紹介したように、目と脳は密接に繋がっていて、とても大切な器官なのですよね。
大切な目を、いつまでも大事にできるように。
誰かのものの見え方を、尊重できるように。
お気に入りの1冊を探す参考になれば、とても嬉しいです。
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