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【雪女】昔話・雪女のあらすじ内容・結末、教訓は?由来や原作作者、モデルについても解説

雪女アイキャッチ

日本の伝承をもとに小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が作品集『怪談』に収録したことから、物語として知られるようになった『雪女』。

『雪女』は雪が深い日の夜に、真っ白な雪と死装束を思わせる白い着物を着て現れる妖怪です。

そして男に息を吹きかけては凍死させ、息を吸っては精気を吸い取り殺すなどといった、“死”と結びつく逸話が各地で語り継がれています。

今回は、怖いと思われがちなそんな『雪女』のお話を、あらすじや由来を含めて詳しく解説します。

おすすめの絵本も紹介しますので、ぜひご覧ください。

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昔話・雪女の登場人物と名前

 

登場人物

昔話・雪女の登場人物を紹介します。

巳之吉(みのきち)
茂作の息子。見習いの若いきこり。
茂作(もさく)
巳之吉の年老いた父親。雪女に息を吹きかけられ死ぬ。
雪女
雪降る夜にどこからか現れる。白ずくめの着物をきて、息を吹きかけることで人を凍死させる。
お雪
巳之吉が家の前で出会った女性。美しく雪のように白い肌を持つ。巳之吉と結婚しこどもをもうける。
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昔話・雪女のあらすじ内容

あらすじ

ある冬の日、きこりの茂作巳之吉親子は山で仕事をしていました。

すると天気が崩れ、雪が降り始め、その雪は一向に治る気配もなく、さらに強まってきました。

「今日はもう山小屋に行って、一夜をあかそう」

親子は山小屋に入り、明日の朝まで眠ることにしました。

年老いた茂作は、あっという間に眠りにつき、巳之吉もいつの間にか眠っていました。

顔に当たる冷たい雪で巳之吉が目を覚ますと、閉まっていたはずの山小屋の戸が開いています。

ふと横と見ると、茂作の上に女が覆い被さり、息を吹きかけているところでした。

巳之吉はすぐにその女が雪女だと気づき震えていると、雪女は巳之吉を見てこう言いました。

「お前を殺してやろうかと思ったがやめた。お前はまだ若い。けれど、今見たことは誰にも話してはならぬ。話せばお前の命はないぞ

そして雪女は吹雪の中へと消え去り、巳之吉は気を失っていました。

翌朝、目覚めた巳之吉が見たのは、硬く凍りつき、死んでしまった茂作の姿でした。

それからというもの、沈んだ気持ちで生活をしていた巳之吉ですが、数年後に美しい女性が家の戸を叩きました。

雪で立ち往生してしまい、どうにもならないから助けて欲しいというその女性は「お雪」と名乗り、巳之吉は暖かく迎え入れました。

やがて2人は恋に落ち、巳之吉とお雪は夫婦となり、子どもをもうけました

日中、太陽の光が当たる場所に出るとたちまち体調が悪くなったり、何年経っても老いることがないおゆきでしたが、巳之吉は幸せでした。

何年も経ったある吹雪の夜、子どもが寝付いた後に巳之吉はお雪に語りかけました。

昔、こんな雪の夜に、お前にそっくりの美しい女に出会ったんだ。

お雪が「その女のことを話して欲しい」と続きをせがむと、巳之吉はあの夜に起こった恐ろしい出来事を話し始めたのです。

昔話・雪女の最後の結末は?

聞いたお雪は立ち上がり叫びました。

「ああ!話してはならないと言ったのに!私こそがその女だ!これで私はお前を殺さなくてはいけなくなった。けれど、子どもを思うとそれもできない。私はもうここにはいられない。子どもを立派に育てて欲しい。でなければ今度こそお前を殺しにくる

そう言ったお雪はあっという間に溶けて白い煙となって、巳之吉の前から消えてしまいました

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昔話・雪女から与えられる教訓とは?

教訓

数多く出版されている『雪女』の絵本や児童書の中では、巳之吉は母親と住んでいるとされているものもあります。

そこへ嫁ぐ形になったお雪でしたが、お雪も巳之吉を本当に愛していたのでしょう、本によっては子どもの数はなんと10人にもなっています。

巳之吉は雪女の話を母親にも言わず、約束は守られたかのように見えました。

しかし、吹雪の夜に思い出した昔の不思議な出来事、父親の悲しい死を思い出し、語り始めてしまいました。

「その女のことを話して」とお雪に話を促された時に、約束を思い出して口をつぐめば良かったのですが、巳之吉はあまりにも軽く話してしまいました

そしてお雪は子どもから父親を奪えないと考え巳之吉を殺せず、巳之吉の前から消えることを選びました。

1度約束したことは、必ず守らないと大切な人をなくしてしまう、と教えてくれるお話です。
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昔話・雪女はどこのお話?由来や原作は?作者やモデルとなった人物はいる?

原作

雪女は、雪国に広く語り継がれている冬の妖怪です。

東北地方や甲信越地方のみならず、愛媛県や和歌山県、鳥取県などでも雪女の伝説によく似た話が伝わっています

吹雪の夜に1人住まいの男の家にやってきたり、子どものいない老夫婦の家を訪ねてきたり、あるいは道端で赤ん坊を抱いて立っていて、そこを通る人に声をかけてきたりとさまざまです。

一般的に知られている『雪女』のお話は、小泉八雲『怪談』の中に書いたものが題材になっており、その内容は現在の東京都西多摩地域の伝承がもとになっています

小泉八雲に『雪女』の伝承を話した親子が調布村(現在の東京都青梅市)の出身であったことから、青梅市には「雪おんなゆかりの地」の碑が立てられています。

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昔話・雪女のおすすめ本を紹介

おすすめ

ここでは『雪女』のおすすめ絵本を紹介します。

『ゆきおんな』

ゆきおんな

画像引用:amazon.co.jp
作:中脇初枝
絵:佐竹美保
出版社:小学館
発行日:2009年12月
値段:1,000円+税
対象年齢:幼児から

『ゆきおんな』のおすすめポイント

流れるような文章と、冷たさを感じさせながらも美しさと儚さを伝えてくれる絵本です。
この絵本では雪女は6人の子どもをもうけますが、最後に消える時には一番下の赤子だけを抱いていなくなります。
あとがきに、東京都青梅市の雪女伝説をもとに描かれた絵本だと紹介があり、日本各地の雪女伝説についても触れられています。
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昔話・雪女のまとめ

まとめ

日本の有名な妖怪雪女を題材にした昔話『雪女』について紹介しました。

アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』や『妖怪ウォッチ』にも出てくるかわいいキャラクターなので、小さい子どもにも親しみのある存在なのではないでしょうか。

しかし、昔話の雪女になると、とたんに冷たく怖い存在になってしまい、そのギャップに驚いてしまうかもしれません。

一息で人の命を奪う妖怪だけれど、愛する人のそばに居続けることを密かに願い続けたということも教えてあげてくださいね。

この記事を書いた人
谷たまき

海外で5歳と3歳の子どもを育児中。日本をバックグラウンドに持つ子どもたちが、日本文化や日本語に親しみを持ってくれるように、毎晩絵本を読み聞かせています。

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