「うんとこしょ、どっこいしょ」の掛け声で親しまれるベストセラー絵本、「おおきなかぶ」。
そのフレーズと馴染みあるイラストに、懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか。
1966年に発行されたおおきなかぶは、「みんなが力を合わせてかぶを引き抜く」というシンプルなストーリーでありながら、現在まで多くの人々に愛され続けてきた作品です。
そのあらすじやテーマには、子どもと大人を共に魅了する要素がふんだんに盛り込まれています。
「うんとこしょ、どっこいしょ」
懐かしいフレーズを口ずさみながら、早速その世界を覗いてみましょう。
『おおきなかぶ』(1966)とはどんなお話【内容とあらすじを紹介】
おおきなおおきなかぶを担ぐおじいさんと、その家族たちが描かれた表紙が印象的な絵本。
表紙をめくったその先には、どのような物語が待っているのでしょうか。
『おおきなかぶ』(1966)の概要
イラスト:佐藤 忠良
翻訳:内田 莉莎子
出版社:福音館書店
発行日:1966/6/20
価格+税:990円
『おおきなかぶ』(1966)のあらすじ
おじいさんが植えたおおきなかぶは、大きな大きな甘いかぶに育ちました。
「うんとこしょ、どっこいしょ」と声をかけながら、おじいさんは抜こうとするのですが、おおきなかぶはびくとも動きません。
おじいさんはおばあさんを呼んできて、一緒にかぶを抜こうと試みます。
ところが、それでもかぶは抜ける気配を見せません。
おばあさんは孫を呼んで、孫は犬を呼んで…。
力強いロシアの昔話を描いた、ベストセラー絵本。
『おおきなかぶ』(1966)の内容要約
発行から50年以上にもわたり愛され続けてきたおおきなかぶは、多くの人にとってなじみ深い作品です。
そこにはシンプルでありながら、人々を惹きつけて止まない魅力が溢れています。
要約1.かぶを育てるおじいさん
今では日本の多くの人が知っているおおきなかぶのモチーフは、古くから語り継がれているロシア民話。
物語のはじめに登場するのも、長く白いひげをはやし、ロシアの民族衣装を思わせるジャケットに身を包んだおじいさんです。
「あまいあまいかぶになれ。おおきなおおきなかぶになれ」
おじいさんはその大きな手で畑にかぶを植えながら、かぶがすくすくと成長することを願います。
要約2.なかなか抜けない大きなかぶ
おじいさんの願い通り、かぶは大きく育ちます。ところが、おじいさんの背丈よりも大きなかぶは簡単に抜くことはできません。
おじいさんはおばさんを呼んできて「うんとこしょ、どっこいしょ」。
おばあさんは孫を呼んできて、今度は三人で「うんとこしょ、どっこいしょ」。
やがて犬がやってきて、それでもだめなら猫が、ねずみが…と、次々に助っ人が現れる物語に、読者の胸はわくわくと高鳴ります。
要約3.登場人物と共に感じる達成感
最後は登場人物みんなでいっせいにかぶを引っ張ります。
かぶに手をかけるおじいさんを先頭に、おばあさん、孫、犬、お互いのしっぽを絡ませ合う猫とねずみの姿は、この作品の醍醐味ともいえる名シーンです。
「うんとこしょ、どっこいしょ」
最後の掛け声と共に、やっと大きなかぶは抜けました。
頑張った登場人物たちの姿と共に、読み手もその達成感を存分に感じることができるでしょう。
『おおきなかぶ』(1966)の口コミ・評判

口コミ・評判:★★★★
繰り返しのフレーズがとにかく楽しい絵本です。
「うんとこしょ、どっこいしょ」と、2歳の娘もいつも楽しそうに体を動かしながら読んでいます。

口コミ・評判:★★★★★
保育園の劇をきっかけに子どもと読んだ絵本です。
お家でも家族みんなで絵本のまねをして楽しんでいます。

口コミ・評判:★★★★★
息子が1歳くらいの頃からずっと読み聞かせしてきました。
小学校の教科書に登場したときは息子も大喜び!
自分が小さい頃に読んだ本を、子どもともう一度楽しむことができるって素敵ですよね。
『おおきなかぶ』(1966)の主題・テーマは?
教科書で読んだという小学生から、まだ文字が読めない子どもまで幅広い年齢層に大人気のおおきなかぶ。
そこにはどのようなテーマが隠されているのでしょうか。
声に出して読みたい楽しいフレーズ
絵本「おおきなかぶ」を思い浮かべた時、人々の頭の中には自然と「うんとこしょ、どっこいしょ」のフレーズが流れるのではないでしょうか。
作中に何度も登場する人気のフレーズは、たちまち子どもを絵本の世界へと引き込む力を持っています。
また、「ねずみが猫をひっぱって、猫が犬をひっぱって、犬が孫を…」の巧みな言葉の繰り返しも子どもの心を躍らせるポイントです。
読み聞かせはもちろん、自分で文字が読めるようになった時期の絵本としてもぴったりですね。
小さな力も集まれば大きな力に
ラストシーンの先頭でかぶを抜くのは、登場人物の中で一番大きなおじいさんです。
最後尾にいるのは、一番体の小さなねずみ。前にいる猫に自分のしっぽを絡ませ、懸命にかぶを引っ張ります。
全員が一丸となる姿は、読者が思わず「がんばれ!」と言いたくなってしまうような名場面。
ひとりひとりは小さな力でも、それらが集まれば目的が達成できることを、おおきなかぶは自然と教えてくれるのです。
ダイナミックでチャーミングな絵柄
ロシア民話を主題としたおおきなかぶは、現在まで様々な種類が発行されています。
そんな中でも、1966年に発行された本書は、彫刻家佐藤忠良氏の描く世界観が多くの人々の記憶に残る作品です。
ダイナミックな構図の中で、実に繊細かつチャーミングに描かれたキャラクターたち。
「おおきなかぶと言えばこの絵本」「みんなが一列に並ぶ姿が懐かしい」
と言った声も多く寄せられ、幅広い年代層に長きに渡り愛される作品です。
【ネタバレあり】『おおきなかぶ』(1966)の感想とレビュー
「おおきなかぶ」を主題とした作品の中でも、1966年に発行された本書は多くの口コミや感想が寄せられている絵本です。
そのひとつひとつから、絵本の世界を子どもと体感できる喜びを感じ取ることができるでしょう。
息子を膝にのせながら絵本をまねっこ
自分が子どもの頃、親に読んでもらった大好きな絵本です。
1歳の息子に読み聞かせする時には、必ず息子をひざの上に乗せるところから始まります。
「うんとこしょ、どっこいしょ」の掛け声と共に、後ろから息子を引っ張るまねをしてみせる遊びに、本人は大喜び!
何度繰り返しても飽きることがないんです。
言葉が話せるようになったら、きっと自分でも喜んで読むんだろうなぁと今から楽しみにしています。
子どもと一緒に楽しめるおおきなかぶの世界
「ねずみがねこをひっぱって…」のシーンは、いつも息子と私の名前に置き換えて読んでいます。
その後も、パパやおじいちゃん、おばあちゃん、お友だちと物語の中の登場人物を身の回りの人たちに変えるのが息子のお気に入りです。
読後の息子は「ぼくとみんながかぶをぬいた!」と、とっても満足気。
絵本の世界に自分を重ねることができるなんて、本当に素敵な作品だなぁといつも感動してしまいます。
やっぱりこの絵柄がだいすき
子どもの頃に読んだおおきなかぶ。今はいろんなイラストで発行されていてびっくりしました。
でもやっぱり、馴染みのある佐藤さんのイラストが大すき。どこかくすっとしてしまうほど一生懸命なみんなの姿と、おおきなかぶの迫力がたまりません。
まだお話ができない娘が「うんとこしょ、どっこいしょ」と真似する姿が可愛くて、絵本を開くたびに心が和みます。
いつか娘も、そんな風にこの絵本のことを思い出してくれたらいいな。
『おおきなかぶ』(1966)は、こんな方におすすめ!
なじみ深いフレーズと絵柄が人気の「おおきなかぶ」は、物語の世界を体感する喜びを教えてくれる絵本です。
保育園の劇のテーマに採用されたり、読み聞かせ絵本として人気を得ていたりと、ひとつの作品をみんなで楽しむことのできる内容であるのが嬉しいですね。
小さな子どもの心に深く印象付けられる作品は、やがて自分が大人になった時に、絵本と再会する嬉しさを与えてくれます。
「うんとこしょ、どっこいしょ!」
ご紹介した内容を参考に、子どもと一緒に体を揺らしながら、ぜひ大きな声で読んでみてくださいね。
コメント