初めて一人で外に出たときの記憶はありますか?
それはどんな体験だったのでしょう。
怖いと感じたのか、それともわくわくしたのかもしれません。
そんな誰にでもある経験をテーマにした絵本、『はじめてのおつかい』。小さな女の子の、小さな冒険が描かれた作品です。
ほんの日常の1ページを描いた作品にすぎないのですが、そこには女の子のワクワクとドキドキがたくさんあります。
また、女の子の家族を想う気持ちにほっこりさせられるかも。
お子さんが読んだら、「おつかいに行ってみたい!」という気持ちがきっと芽生えるはずです。
大人が読むと、女の子を見守っているような気持ちになること間違いなし。
今回は、親子で楽しみたい『はじめてのおつかい』について紹介していきます!
『はじめてのおつかい』(1977)とはどんなお話【内容とあらすじを紹介】

まずは、『はじめてのおつかい』のネタバレにならない程度の概要を紹介します。
実はこの作品は、1977年出版のロングセラー。
もしかしたら、パパやママも小さいころに読み聞かせてもらった経験があるかもしれませんね。
『はじめてのおつかい』(1977)の概要

イラスト:林 明子
出版社:福音館書店
発行日:1977/4/1
価格+税:990円
『はじめてのおつかい』(1977)のあらすじ

主人公のみいちゃんは、5歳の女の子。
生まれたばかりの赤ちゃんのために、坂の上のお店まで牛乳を買いに行きます。
これはみいちゃんにとってはじめてのおつかいでした。
初めてママの手を離れて外に出た彼女にとって、そこは未知の世界です。
普段ママと一緒に歩く町とは違って、戸惑いの連続にくじけそうになるみいちゃん。
でも、そのたびに勇気を奮い立たせて、やりきろうとします。
頑張っている姿に思わず「負けるな、みいちゃん!」と応援したくなっちゃうかも。
みいちゃんの頑張りに心が打たれる、感動の作品です。
『はじめてのおつかい』(1977)の内容要約

『はじめてのおつかい』のストーリーの要約をお伝えします。
ネタバレを含みますので、読んだことがない方は注意してくださいね。
要約1.お母さんと赤ちゃんのために

ある日、5歳の女の子のみいちゃんに、お母さんはこう言います。
「みいちゃん、ひとりで おつかい できるかしら」
この言葉に、みいちゃんはびっくりしました。だって、今まで一人で出かけたことなんてなかったから。
お母さんは、赤ちゃんのための牛乳をみいちゃんに買ってきて欲しいと続けます。
生まれたばかりの赤ちゃんが、イラストの奥で泣いている様子と、お母さんが走り回っている様子が描かれています。
お鍋とヤカンからは湯気がでて、お母さんは大忙し。
みいちゃんはこう言います。
「うん!みいちゃん、もういつつだもん」
要約2.いろいろと困難を乗り越えて

おつかいに行くことになったみいちゃん。
お母さんとの約束は「車に気を付けること」「おつりを忘れないこと」の2つです。
100円玉を2つ握りしめて、坂の上のお店にさあ出発です。
お母さんと一緒によく出かけるルートにあるお店だから、楽勝!というわけにはいきません。
普段お母さんと一緒に見る景色と、一人で見る景色はあまりにも違うのでした。
転んでお金を落としてしまったり、速い自転車におびえたり、困ったことがたくさん起こります。
しかし、そのたびにみいちゃんはなんとかやり過ごし、決してあきらめません。
要約3.牛乳は無事に買えたかな?

ついにお店にたどり着いたみいちゃん。しかし、店頭に店員のおばさんの姿は見えません。
「ぎゅうにゅう くださあい」
みいちゃんの叫びは通り過ぎた車の音に、かき消されてしまいます。
後からやってきたコワモテのおじさんに先を越されながらも、みいちゃんの声はやっとおばさんの耳に届きます。
小さなお客さんに気付いたおばさんは、なんどもみいちゃんに謝ります。
こうして、ようやくみいちゃんは赤ちゃんのための牛乳を買うことができました。
『はじめてのおつかい』(1977)の口コミ・評判


口コミ・評判:★★★★★
息子が大好きなこの絵本。これを読んでから、「5歳になったら僕もおつかいに行ってみたい!」と言い始めました。実現するかはわかりませんが、みいちゃんみたいな勇気のある子に育って欲しいな。

口コミ・評判:★★★★★
私の大好きだった絵本です。小さい頃は私が勇気をもらい、今は子供たちが勇気をもらっています。絵本はもうボロボロ。ずっと受け継がれていって欲しい作品ですね。

口コミ・評判:★★★★★
イラストが素敵です。書いてあるストーリー以上にイラストが登場人物の気持ちや状況を描いているように見えます。じっくり読むのがおすすめですよ!
『はじめてのおつかい』(1977)の主題・テーマは?

長く愛されてきた絵本、『はじめてのおつかい』。
そのロングセラーの地位を守ってきた秘密はどんなものなのでしょうか。
作品の主題・テーマを紹介していきます。
一人ぼっちで外に踏み出す勇気

初めての冒険は、子供でも大人でも緊張するもの。
「行きたくない」と思う方も多いでしょう。
しかし、この作品の主人公、みいちゃんは勇気を持ってその一歩を踏み出します。
どんな困難にぶつかっても、決してあきらめませんでした。
なにごとも初めの一歩はとてもかけがえのないものです。
一歩踏み出せば、二歩三歩と足が動くかもしれない。
この絵本は、みいちゃんの活躍を目の当たりにすることで、読者も勇気がもらえる作品です。
みいちゃんのように、勇気を持って行動を起こしたくなります。
大人にとっての普通の日常は、子供にとっては大冒険

この絵本を大人にも読んでいただきたい理由は、ここにあります。
みいちゃんが直面する速い自転車や気付いてくれない店員さんは、日常生活を送る上で「あるある」ですよね。
大人にとっては笑い話で済むかもしれませんが、お子さんにとっては大問題。
作品の中でもみいちゃんはびっくりして、困ってしまいます。
これらの子供にとっての「生きづらさ」を改善するのは、大人の役割ではないでしょうか。
それに気付くことができるのも、この作品の特徴。
お子さんの目線に立ってものごとを考えるためにも、ぜひ一度は大人の方に読んでいただきたい作品です。
家族の愛情

図らずも困難な冒険になってしまった、みいちゃんの『はじめてのおつかい』。
初めての経験に、みいちゃんは何度もびっくりして、くじけそうになります。
諦めずにおつかいをやりきった理由はどこにあるのでしょうか。
それは作中で明確には示されていませんが、忙しいお母さんと小さな赤ちゃんのためであると言えるでしょう。
裏表紙のイラストには、哺乳瓶で牛乳を飲ませてもらう赤ちゃんと、コップで牛乳を飲むみいちゃんの姿が描かれています。
転んでしまったときの傷は、お母さんがていねいに手当てしてくれたようで、ばんそうこうが貼ってあります。
きっと、すり傷を作って帰ってきたみいちゃんを、お母さんはとても心配して、褒めてあげたことでしょう。
あたたかい家庭で育ったみいちゃんは、心優しく、愛情深い女の子だというのが垣間見えます。
【ネタバレあり】『はじめてのおつかい』(1977)の感想とレビュー

『はじめてのおつかい』はお子さんからパパママにも愛される作品です。
筆者も小さいころ、母親に読み聞かせてもらった作品の1つでした。読んでみた感想をまとめていきます。
小さい子が勇気を持てる絵本

これを読んだお子さんは、間違いなく勇気が湧きます。
みいちゃんは、どこか引っ込み思案に見える女の子です。
「僕だったらこうやって解決できるのに!」という強気なお子さんは、積極的に外に出たくなってしまうかもしれません。
でもきっと、理想と現実は異なりますよね。みいちゃんと同じようなトラブルに遭遇するとは限りません。
案外うまくいかない冒険を繰り返して、お子さんは成長していくのでしょう。
子供のころに読んだことのあるパパママは多いのでは?

『はじめてのおつかい』は1977年出版の作品なので、今のパパママ世代も小さいころに読んだことがある方が多いでしょう。
当時はみいちゃん目線でドキドキしながら応援したものですが、不思議なことに大人になってから読むとまた違った目線が生まれます。
送り出すお母さんなどの、大人目線にシフトしていますよね。
「もし自分の子供を送り出すなら」「5歳になったらお金を持たせてみよう」など、お子さんの新たな挑戦を考えるきっかけになります。
これから弟や妹ができる子に読んであげたい絵本

『はじめてのおつかい』は、これからお兄ちゃん、お姉ちゃんになるお子さんにはぜひ読み聞かせてあげたい作品です。
絵本を引き合いに出すのはちょっとずるいですが、「これからママはこんなに大変になるから、お手伝いできるかな?」というのを伝えるのにぴったり。
実際に大変なのは本当です。
でも、生まれてくる赤ちゃんだけが主役ではなく、お兄ちゃんやお姉ちゃんも主役にして、うまく子育てに巻き込んでいくきっかけにできたらいいですね。
『はじめてのおつかい』(1977)は、こんな方におすすめ!

この絵本は、遠い昔に読み聞かせてもらった大人から、登場人物の気持ちを読み取れるようになってきたお子さんまで、さまざまな世代におすすめの作品です。
みいちゃんの勇気には、大人でも心が奮い立ちます。お子さんがあと一歩の勇気が欲しいときには、ぜひ読み聞かせてあげてください。
主人公のみいちゃんの気持ちにも、出会うトラブルにも、「あるある」すぎて共感してしまいます。それだけ、日常生活をより近くに描いた作品。
今回は、『はじめてのおつかい』を紹介しました。
何気ない日常にも、人生の節目にもぴったりの絵本です。
ぜひ親子で楽しんでくださいね。

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