絵本作家、林明子さんの代表作である『こんとあき』は、発行から30年以上経つ現在も、多くの人々に愛されている物語。
小さな子どもへの読み聞かせや、お話会の絵本として取り上げられることも多いです。
その内容は、幅広い年代に親しまれています。
今回は、名作『こんとあき』のあらすじや読者の感想についてご紹介。
改めてその世界観を楽しみたいという方も、作品をまだ読んだことがないという方も、ぜひ参考になさってくださいね。
『こんとあき』(1989)とはどんなお話【内容とあらすじを紹介】

『こんとあき』は、小さな女の子「あき」と、キツネのぬいぐるみ「こん」が主役の物語です。
早速、その概要とあらすじについて、ご紹介します。
『こんとあき』(1989)の概要

出版社:福音館書店
発行日:1989/6/30
価格+税:1,430円
『こんとあき』(1989)のあらすじ

こんは、おばあちゃんがあきのために作った、きつねのぬいぐるみです。
こんとあきは、いつも仲良し。どこへ行くにもふたりで一緒にでかけます。
ところがある日、だいじなこんのうでが、ほつれてしまいました。
おばあちゃんになおしてもらうため、ふたりは電車にのって会いにいくことにしたのですが…。
『こんとあき』(1989)の内容要約

ここからは、名作絵本『こんとあき』の内容を、さらに掘り下げてご紹介します。
まだ読んだことのない方は、ネタバレにご注意くださいね。
要約1.電車から始まるこんとあきの冒険

表紙に描かれているのは、腕に包帯を巻いたキツネのこんと、大きなバッグを持った女の子、あき。
ふたりは、こんの腕を直すために、こんを作ってくれたおばあちゃんのもとへ電車で出かけます。
「このきしゃにのるんだ。あきちゃん、ぼくについてきて」
こんは、いつでもお兄さん役。あきを守るかのように、気丈に振舞います。
そんなふたりを乗せて、電車はガタンゴトンと走り出しました。
要約2.小さなふたりの旅はドキドキわくわく

小さな女の子とぬいぐるみの二人旅は、ハプニングだらけ。
停車した駅では、こんがお弁当を買いに出かけるのですが、あきが待っていてもこんはなかなか帰って来ません。
やがて、電車は動き出し、不安になったあきは、たまらず泣き出してしまいます。
車両の中にこんを見つけて安心したのもつかの間、今度はこんのしっぽが電車の扉に挟まれてしまうのです。
そんな時にも、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と、あきを安心させようと一生懸命なこん。
ところが、そんなふたりに最大のピンチがやって来ます。
訪れた砂丘で、大切なこんが、犬に連れ去られてしまったのです。
要約3.今度はあきがこんを助ける番

犬に連れ去られたこんを、必死で追いかけるあき。広い広い砂丘の砂の中に、こんが埋まっているのをやっと見つけます。
腕がほつれ、しっぽがちぎれ、砂で汚れて弱ってしまったこん。
あきは、今まで自分を守ってくれていたこんを、背中におぶっておばあちゃんの家へ向かいます。
お家で出迎えてくれたおばあちゃんに、思わず抱きついてしまうあき。
おばあちゃんはふたりを抱きしめると、あったかいお風呂を準備してくれました。
お風呂につかるあきに、思わずお湯から逃げ出してしまうこん、そして優しいおばあちゃん。
無事に辿り着いたお家の中で、あきとこんは温かな笑顔に包まれるのでした。
『こんとあき』(1989)の口コミ・評判


口コミ・評判:★★★★★
どんな時でも「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とあきを思いやるこんの姿に胸が打たれます。林明子さんは、どうしてこんなにも優しい絵が描けるんだろう。胸がきゅんとなる名作です。

口コミ・評判:★★★★
私も娘も大好きな絵本。あきちゃんも、こんも、おばあちゃんも、登場人物がみんなとにかく優しいんです。娘は「こんみたいなぬいぐるみが欲しい!」と言ってききません。わたしも子どもの頃はそうだったなぁ。

口コミ・評判:★★★★★
「電車が行っちゃうー!」「しっぽがはさまれちゃった!」など、息子とドキドキわくわくしながら読んでいます。ずっとこんに守られていたあきが、最後は弱ったこんを背負いながら歩くシーンでは、胸がぎゅっとなります。「小さい頃読んですきになった絵本は?」と言われたら、今でも真っ先に名前を上げたい一冊。
『こんとあき』(1989)の主題・テーマは?

小さなあきと、あきより小さくてもしっかりものの、こん。
仲良しのふたりの冒険劇には、随所にその魅力がちりばめられています。
多くの人に愛されてきた理由も、そのテーマやメッセージにあるようです。
やさしさが詰まった絵本

『こんとあき』いちばんの魅力は、登場人物すべてに優しさが溢れている事。
物語で語られることはありませんが、こんは亡くなったおじいさんのオーバーをほどき、おばあちゃんがあきのために作ったというエピソードもあります。
扉に挟まれた、こんのしっぽには、車掌さんがそっと包帯を巻いてくれます。
そして何より、いつも互いを思いやる「こんとあき」ふたりの姿には、深い愛情を感じずにはいられません。
林明子さんの優しいタッチのイラストもまた、読み手の心を一層和ませてくれます。
繰り返される「だいじょうぶ、だいじょうぶ」のセリフ

キツネのぬいぐるみ「こん」は、どんな時でもあきにこう繰り返します。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
あきよりもずっと小さなこんが、そう言ってがんばる姿には、思わず胸がきゅっと締め付けられます。
物語の最後には、そうやってあきを守ってきたこんを、今度はあきが背負って歩きます。
その姿からは、あきの成長と共に、大事な相手を思いやる気持ちの大切さを感じずにはいられません。
こんが繰り返す「だいじょうぶ」のセリフは、小さな子どもの心も、ほっと温めてくれますよ。
家族のいる家の温もり

大冒険の後に、無事におばあちゃんのお家にたどり着いた、こんとあき。
そこで待っていたのは、優しいおばあちゃんの笑顔と、温かなお風呂でした。
がんばってきたふたりを、優しく包み込んでくれるおばあちゃん。
ふたりの安堵した様子に、読者もほっと心が安らぎます。
そして、家族がいる事、守る相手がいる事の素晴らしさに、胸が温かくなることでしょう。
【ネタバレあり】『こんとあき』(1989)の感想とレビュー

1989年発行の『こんとあき』は、現在まで実に多くの人々に愛されてきました。
子どもの頃、絵本に夢中になったという人も、今では絵本を読み聞かせる立場へ変わっていることでしょう。
ここからは、『こんとあき』に寄せられた感想の数々をご紹介していきます。
たくさんたくさん、あったかい気持ちが詰まった絵本

小さい頃、母が読んでくれた時のことを、今でも鮮明に覚えている絵本です。
小さなあきと、こんの二人旅に、子どもながらにドキドキと胸が高鳴ってたまりませんでした。
とくに、印象的だったのは、砂丘のシーン。
砂の中にこんの耳を見つける場面では、息子も思わず「あった!」と声を上げて喜んでいました。
最後はハッピーエンドなところが、また素敵ですよね。
大人になって息子と読んでいたら、その温かさにいつのまにか涙がこぼれました。
お互いを思いやるって、こんなに素晴らしい事なんだと、息子を膝に乗せながらしみじみ感じさせてくれた名作です。
いつまでも心に残る小さなふたりの大冒険

お友だちの子どもへのプレゼントや、読み聞かせにも選ぶ、大事な大事な一冊です。
こんを直すために、遠いおばあちゃんの家まででかけていくあき。
誰もがみんな、子どもの頃はこんのような大切な存在が、そばにいたものではないでしょうか。
そんな気持ちを思い出させてくれるから、この絵本はたくさんの人に感動を与えているのだと思います。
おばあちゃんの優しさは、大人になった今では胸にしみてたまりません。
お話会で読んだ時も、小学生が「胸がじーんとする」「こんが直ってよかった」と口々に言っていました。
小さな子どもにも、安心して読み聞かせてあげられる、本当に素敵な絵本だと思います。
すべてが優しさでできている絵本

子どもの頃から大好きな一冊だったので、自分に子どもができたら絶対読んであげたいと思っていました。
2才の息子にはまだ早いかなと思ったのですが、待ちきれず読んでみると、夢中になって物語の世界を追っていました。
とくに、お気に入りなのは、広い広い砂丘の場面。
息子にとって、まだ見たことのない砂丘は、まるでどこか遠い国のお話のようなのでしょう。
こんとあきを読みながら、どんどん想像の翼を広げているようです。
私だけでなく、息子のお気に入りにもなったこんとあき。
その優しさを胸に、これからもずっと読んでいってあげたいな。
『こんとあき』(1989)は、こんな方におすすめ!

かわいいふたりの大冒険を描いた、『こんとあき』。
ふたりの姿にワクワクどきどきと夢中になってしまうだけでなく、全編を通して温かな気持ちになれることが、最大の魅力であるといえます。
大事な人を思いやり、助けることの素晴らしさを学べる絵本は、子どもへの読み聞かせにも最適です。
ぜひ、子どもを膝に乗せながら、物語のページを開いてみてはいかがでしょうか。

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