『おつきさまこんばんは』は、1986年の発売以来、たくさんの子どもたちに愛されてきた絵本。
ページごとに表情を変えるおつきさまのイラストは、まだ文字の読めない小さな子どもにも大人気です。
赤ちゃん絵本のベストセラーとして、現在まで読み継がれています。
ゆったりと物語が進行する絵本は、「そろそろ絵本を読み聞かせたいな」とお考えの時にも、ぴったりの一冊。
今回は、『おつきさまこんばんは』の内容についてご紹介していきます。
『おつきさまこんばんは』(1986)とはどんなお話【内容とあらすじを紹介】
おつきさまの表紙が印象的な『おつきさまこんばんは』には、どのような物語が描かれているのでしょうか。
早速、その概要とあらすじについてご紹介します。
『おつきさまこんばんは』(1986)の概要
出版社:福音館書店
発行日:1986/6/20
価格+税:880円
『おつきさまこんばんは』(1986)のあらすじ
いちにちが終わり、今日も深い藍色の夜の闇がやってきました。
ひろいひろい空がだんだん明るくなったかと思うと、そこにあらわれたのは、まあるく黄色いおつきさま。
「おつきさま、こんばんは」
屋根の上のネコは声をかけるのですが、黒い雲がやってきて、おつきさまを隠してしまいます。
でもだいじょうぶ。黒い雲は、おつきさまとお話をすると、どこかへ行ってしまいました。
残ったのは、まあるい笑顔のおつきさま。
にっこり顔や、困った顔。いろんなお顔のおつきさまにつられて、気が付けば笑顔がこぼれる赤ちゃん絵本。
『おつきさまこんばんは』(1986)の内容要約
『おつきさまこんばんは』は、とてもシンプルなストーリーでありながら、多くの人を惹きつけて止まない絵本です。
ここでは、その内容について、さらに詳しくご紹介していきます。
要約1.暗い夜空にあらわれたおつきさま
物語は、三角屋根のおうちと、2匹のネコのシルエットから始まります。
「よるになったよ。ほら、おそらが、くらいくらい」
「おや、やねのうえがあかるくなった」
2匹が見上げると、黄色く輝くおつきさまが、だんだんと姿を現すのでした。
「おつきさま、こんばんは」
2匹がそうあいさつをすると、空の向こうから黒い雲がやってきました。
要約2.おつきさまが隠れちゃう
黒く大きな雲は、少しずつ少しずつ、おつきさまの顔を隠していきます。
「だめだめ、くもさん。こないで、こないで」
「おつきさまが、ないちゃう」
2匹が心配するように、おつきさまの顔は今にも泣きだしてしまいそうです。
さっきまで明るかった空も、輝きを失ってしまいました。
要約3.大きなおつきさまの大きな笑顔
黒い雲はおつきさまとお話をすると、また、ゆっくりゆっくりとどこかへ行ってしまいました。
黒い雲の後に現れたのは、満面の笑みの大きなおつきさま。
「あーよかった。おつきさまがわらってる」
2匹のネコも、屋根のてっぺんで寄り添って嬉しそう。
お外では、お母さんと小さな子どもが、手をつないでおつきさまを見上げています。
「こんばんは」「こんばんは」
みんなは笑顔で、おつきさまにそう呼びかけるのでした。
『おつきさまこんばんは』(1986)の口コミ・評判

口コミ・評判:★★★★★
娘が1才になった時に、初めて読んであげました。色が地味かなぁなんて思っていたのですが、想像以上の反応にびっくり!絵本の内容に合わせて、いつも目をキラキラさせています。

口コミ・評判:★★★★
息子は「くも」や「つき」といった言葉を、この絵本で覚えました。絵のタッチも優しくて、子どもへの読み聞かせにぴったりだと思います。

口コミ・評判:★★★★★
短いながらも、流れるようなストーリーがとってもきれい。まあるいお月さまの絵柄が、赤ちゃんの目にも入りやすいんだと思います。ファーストブックのプレゼントにもおすすめですよ。
『おつきさまこんばんは』(1986)の主題・テーマは?
赤ちゃん絵本の代表作である『おつきさまこんばんは』には、小さな子どもを惹きつける要素が詰め込まれています。
ここからは、そのテーマについて更に掘り下げていきましょう。
くるくると表情を変えるおつきさま
絵本の中では、中央に描かれたおつきさまが、ページごとにその表情を変えていきます。
笑ったかと思ったら困ってみたり、まるで泣き出しそうになったり。
その姿には、文字の読めない赤ちゃんも、思わずつられてしまうことでしょう。
黒い雲が去った後には、おつきさまもにっこり。
「こんばんは」とみんなで言い合う様子は、読後の心を、あたたかな気持ちで包んでくれます。
印象的な色使いの月夜
絵本を手がけるのは、『はじめてのおつかい』や『こんとあき』といった名作で知られる、林明子さんです。
本書は、赤ちゃん絵本シリーズ『くつくつあるけのほん』の第1冊目となります。
0歳児を対象とした絵本の表紙は、深い藍色に包まれ、一見控えめな雰囲気。
しかし、夜の藍色とあざやかな黄色のコントラストは、小さな子どもの視線をくぎ付けにしてしまうのです。
作者の描く幻想的な世界観には、子どもだけでなく大人も引き込まれてしまうことでしょう。
屋根の上の2匹のネコ
おつきさまに声をかけるのは、屋根の上の2匹のネコ。
ネコはシルエットだけで描かれているのですが、おつきさまの動きに合わせてくっついたり、離れたり、細かく姿を変えているのです。
それは、まるで絵本のおつきさまを眺める、子どもの気持ちを代弁しているかのよう。
ラストには、お家の中からお母さんと子どもも登場します。
黄色く輝くおつきさまだけでなく、細かなところまで描かれているため、読み手はよりその世界観に引き込まれていくのです。
【ネタバレあり】『おつきさまこんばんは』(1986)の感想とレビュー
『おつきさまこんばんは』には、小さな子どもとその世界観を楽しんだという声が、数多く寄せられています。
これから赤ちゃんへ読み聞かせを考えていらっしゃる方は、ぜひ参考になさってください。
1歳から楽しめる素敵な絵本
イラストだけの絵本から、そろそろストーリー性のある絵本はどうかなと、息子のために購入した一冊です。
深い夜空の青と、おつきさまの色の対比がとても幻想的。
裏表紙のあっかんべーのおつきさまは、なんともチャーミングで、息子とわたしのお気に入りです。
読み聞かせの時には、お月さまの表情に合わせて、息子の顔もころころ変わります。
だから、この絵本を読んでいる時には、わたしもいつの間にか笑顔になってしまうんですよね。
赤ちゃんのための絵本として、名作と言える一冊だと思います。
おつきさまとおんなじお顔に
娘が話せるようになってきた頃、毎晩寝る前に読み聞かせていました。
そのうち、「こんばんはー」「くもさんー」などと、物語に合わせて娘も話すようになりました。
字が読める読めないは、絵本を楽しむ時には関係ないのかもしれないですね。
そんな娘の成長を見ながら、お布団の中でいつも温かい気持ちになります。
これから娘が大きくなっても、きっといつまでも大切な絵本。
赤ちゃんの時期に限らず、これからも手元に置いて、ずっと読んであげたいです。
絵本を好きになったきっかけの一冊
わがやの娘は、「おつきさまこんばんは」をきかっけに絵本が大好きになりました。
それまでは、絵本をなめてみたり、ただめくるだけだったり、あまり興味がないのかなぁと思っていたんです。
でも、この絵本は娘の反応がまるで違ってびっくり。表紙のおつきさまの顔を指さして、きゃっきゃと喜んでいるんです。
嬉しかったり、悲しかったりといった物語の流れも、1歳ながらにきちんと理解しているようで、親の私も感激。
今では、泣いていてもこの絵本を持ってくると機嫌が良くなるほど、お気に入りの一冊となっています。
『おつきさまこんばんは』(1986)は、こんな方におすすめ!
「おつきさまこんばんは」は、赤ちゃんへのファーストブックとしても人気の、ベストセラー絵本です。
絵本の中で輝くおつきさまの表情に、笑ったり泣いたりしながら、赤ちゃんも豊かな感情を育むことができます。
屋根の上のネコや黒い雲など、細かい部分まで物語の見どころも満載。
最後に「こんばんは」と声を掛け合えば、親子の絵本タイムも、おつきさまのような笑顔でいっぱいになりそうですね。
コメント