冷たく澄んだ空気に、静かに降り積もる雪。
冬は、動物や植物たちがひっそりとその息をひそめる季節です。
また、あたたかな部屋の中でゆっくりと絵本の世界を楽しむのに最適な季節でもあります。
子どもも大人も、冬の面白い絵本の世界へ飛び込んでみませんか?
この記事では、冬をテーマにしたおすすめ人気・有名絵本を20選ご紹介します。
年齢別にあらすじやおすすめポイントも紹介するので、是非参考にしてみてください。
冬をテーマにしたおすすめ人気・有名絵本【0・1歳】
まずは0・1歳の赤ちゃんにおすすめの冬の絵本をご紹介します!
『ふゆのき』
出版社:福音館書店
発行日:2011/12
値段+税:429円
対象年齢:10ヶ月~2才
『ふゆのき』のあらすじ
雪が降る中、一本の木に赤と青と黄色と緑、4匹の鳥がやってきます。
美しい冬景色の中、鳥が一羽ずつやってきては飛んでいく様子を、まるで窓際から眺めているように楽しむことができます。
『ふゆのき』のおすすめポイント
物語はなくても、大人から子供まで様々な想像ができる一冊です。
『やまのおふろやさん』
出版社:ひさかたチャイルド
発行日:2006/11
値段+税:1,100円
対象年齢:2・3歳から
『やまのおふろやさん』のあらすじ
しんしんと雪が降る山の中に、ぽこぽことお湯が沸くお風呂があります。
動物たちが次々とやってきて…
『やまのおふろやさん』のおすすめポイント
わかりやすいストーリー、繰り返しのある言葉、可愛らしい絵と、小さい子どもが楽しみやすい一冊です。
やまのおふろやさん (ぽかぽか・おふろ) [ とよたかずひこ ]
冬をテーマにしたおすすめ人気・有名絵本【2・3歳】
ここからは2・3歳におすすめの冬の絵本をご紹介します!
『よるくまクリスマスのまえのよる』
出版社:白泉社
発行日:2000/10/1
値段+税:1,080円
対象年齢:2歳から
『よるくまクリスマスのまえのよる』のあらすじ
あしたはたのしいクリスマス。でも…。
「ぼくにはサンタさん、来ないかもしれないね。だって…。ママにたくさんしかられたから。ぼくはいい子じゃないから…」
心配でたまらない「ぼく」によりそうのは、夜になると現れるやさしい「よるくま」です。
大丈夫だよとそばにいてくれる、よるくまのやさしさに、いつしか「ぼく」の不安も静かに消えていきます。
「ぼく」の母親を想う気持ちに胸がきゅっする、あたたかなクリスマスイブの物語。
『よるくまクリスマスのまえのよる』のおすすめポイント
不安を抱えるぼくの姿に、思わず自分もそう言ったことがあるとはっとするお母さんも多いのではないのでしょうか。
ぼくを励ますよるくまの優しさと、よるくまを大切にするぼくの姿は、読み手の心をやさしく癒してくれます。
母親からぎゅっと抱きしめられることが、子どもの大きなしあわせなのだと静かに語り掛けてくれる作品です。
クリスマスを前にした冬の夜、子どもと寄り添いながら眠る前に読み聞かせたい。
そう思えるような、クリスマスのやさしい夜のお話です。
『ぐりとぐらのおきゃくさま』
イラスト:やまわきゆりこ
出版社:福音館書店
発行日:1967/6/1
値段+税:972円
対象年齢:3歳から
『ぐりとぐらのおきゃくさま』のあらすじ
お外で雪合戦をしていたぐりとぐらは、雪の上に大きな足あとを見つけます。
「いったい誰のあしあとだろう…?」
たどった先は、なんと自分たちのおうちでした。
大きな長靴と真っ赤なオーバー、そして部屋の脇には大きな袋。
「クリスマスおめでとう!」
台所で焼き立てのケーキを持ってそう言ったのは、白いひげのおじいさんでした。
『ぐりとぐらのおきゃくさま』のおすすめポイント
「ぐりとぐらのおきゃくさま」は、2人の家にサンタクロースがやってくるお話です。
ぐりとぐらが大きな足とをたどっていく様子は、どきどきワクワクしながらページをめくってしまいます。
物語の中には「サンタクロース」という言葉は出てこないのですが、サンタを思わせる持ち物とその行動に思わず顔がほころんでしまいますよ。
サンタの作ったケーキを友だちみんなで食べるラストは、クリスマスのしあわせな雰囲気がぎゅっと詰まったシーンとなっています。
ぐりとぐらのおきゃくさま (ぐりとぐらの絵本) [ なかがわりえこ ]
『もうすぐおしょうがつ』
出版社:福音館書店
発行日:2010/11/15
値段+税:972円
対象年齢:3歳から
『もうすぐおしょうがつ』のあらすじ
まちにまった冬休み。
ひろくんとゆうちゃんは、家族でおじいちゃんとおばあちゃんのうちに出かけました。
さあ、さっそくお正月の準備のはじまりです!
大そうじに障子のはりかえ、お餅つき、そうそうおせち料理の準備も忘れずに。
年越しそばを食べて新しい服を枕元に並べたら…。
みんなで除夜の鐘付きに出かけましょう。
『もうすぐおしょうがつ』のおすすめポイント
親戚一同が集まりお餅つきをする様子に、大人は懐かしさを、子どもは目新しさを感じるのではないでしょうか。
数々ある風習は文章だけでなく、ページ一面に描かれたイラストからも読み取ることができます。
たくさんの動物たちがひしめく露店の様子は、見るたびに新しい発見がありますよ。
スーパーに並ぶしめかざりや保育園のお餅つきなど、絵本で見たことが実体験につながる喜びを感じることもできる作品です。
もうすぐおしょうがつ (こどものとも絵本) [ 西村繁男 ]
『あけましておめでとう』
イラスト:村上康成
出版社:童心社
発行日:1999/10/20
値段+税:1,404円
対象年齢:3歳から
『あけましておめでとう』のあらすじ
きょうはおしょうがつ。
いちねんはじまりの日だから、あけましておめでとう。
初詣にでかけて、いい年でありますようにってお願いしたよ。
かどまつ、おせち、たこあげ、はねつき。
おとそは年の小さい人から飲むんだよ。
『あけましておめでとう』のおすすめポイント
日本の文化がぎっしりと詰まった一冊には、「おとそは小さい人から飲む」というような、大人も意外と知らないような豆知識も盛り込まれています。
村上康成さんのイラストは分かりやすく、子どもが日本のお正月文化に親しむきっかけづくりに最適ですよ。
「あけましておめでとう」「おめでとう」
声に出して読むことで、1年のはじまりがなんだか待ち遠しくなるような楽しい絵本です。
あけましておめでとう (ピーマン村の絵本たち) [ 中川ひろたか ]
『おもちのきもち』
出版社:講談社
発行日:2005/12/17
値段+税:1,620円
対象年齢:3歳から
『おもちのきもち』のあらすじ
「もう、たいへんなんです」
それは部屋に置かれた立派なかがみもちの声。
おもちが抱える意外な悩みはというと…。
おもちつきでは頭をぺったんぺったん。棒でのされたかと思ったら、ぷっちんとちぎられ、あとはあんこやきなこ、挙句のはてには納豆にまで混ぜられる。
今はかがみもちだからいいものの、いつ食べられるのかと思うと気が気じゃなくて…。
不安なおもちは、たまらず家から逃げ出してしまいます!
疲れてお腹が空いたおもちが知った、意外な事実とは…?
『おもちのきもち』のおすすめポイント
物語もイラストもとにかくダイナミック。食べられたくない!とデロンデロンで全力疾走するおもちの姿は、大人も思わず声を出して笑ってしまいますよ。
お正月におもちを食べるたびに、子どもと「おもちのきもち」を話したくなる。そんなゆかいな絵本です。
『14ひきのさむいふゆ』
出版社:童心社
発行日:1985/11/1
値段+税:1,296円
対象年齢:3歳から
『14ひきのさむいふゆ』のあらすじ
14匹のねずみの一家が暮らす森はさむい冬をむかえました。
ぬくぬくとしたお家の中では、おばあちゃんがおまんじゅうをふかしてくれています。
お外ではおじいちゃんがそりを作ってくれました。
雪もやみ、まぶしい白い森と青空の中、さあそり遊びにでかけましょう。
『14ひきのさむいふゆ』のおすすめポイント
外を雪がおおいつくす冬の季節も、14匹の家族のあたたかさが変わることはありません。
いわむらさんの自然描写はいつもすばらしく、晴れた雪の日のまぶしさや、冬の青空を実に鮮明に描き出しています。
ページをめくる子どもたちも、読むたびに新しい発見を楽しむことができますよ。
14ひきのさむいふゆ (14ひきのシリーズ) [ いわむらかずお ]
『そりあそび ばばばあちゃんのおはなし』
出版社: 福音館書店
発行日:1994/10/15
値段+税:972円
対象年齢:3歳から
『そりあそび ばばばあちゃんのおはなし』のあらすじ
雪がふる寒い寒いある日。
ストーブの前で編み物をするばばばあちゃんのもとに、次々と動物たちがやって来ます。
「いい若いもんがだらしないねぇ。寒い日の特別なあったまりかたを教えてやるよ」
ばばあちゃんは、どんなときでも頼りになるおばあちゃんなのです。
まずはベッドでトランポリン!ところがすぐにベッドがこわれてしまいます。
そこでばばばあちゃんが考えた、体があたたかくなる遊びとは…?
『そりあそび ばばばあちゃんのおはなし』のおすすめポイント
現実であれば怒りだしてしまいそうなことでも、いつも明るく笑い飛ばしてくれるのがばばばあちゃん。
その豪快でやさしい姿に、寒い冬でも心がほっとあたたかくなりますよ。
外で元気に体を動かすことがいちばん!とばばばあちゃんが楽しく教えてくれる作品です。
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『だんだんやまのそりすべり』
イラスト:西村繁男
出版社:福音館書店
発行日:2002/11/20
値段+税:1,150円
対象年齢:3歳から
『だんだんやまのそりすべり』のあらすじ
寒い雪の日。いっちゃんは友だちといっしょに、だんだん山にそり遊びにやってきました。
ところが、こわがりのいっちゃんはすべり出すことができません。
「さきにいってえ」
みんなを見送り、ひとり山の上に残ってしまいます。
すると、そこに現れたのは子ぎつねのおとこのこ。
「さきにいってえ」
なんと、きつねのおとこのこも怖くてそりで滑ることができずにいたのです。
子ぎつねの名前も、いちろうくんの「いっちゃん」。
ふたりのいっちゃんは協力して上手にすべることができるのでしょうか?
『だんだんやまのそりすべり』のおすすめポイント
みんなはできるのに、自分だけどうしても勇気が出ない…。
そんな子どもの気持ちを、あまんきみこさんが丁寧に表現しています。
はじめは怖がっていた二人が、いつしか笑顔でそりすべりを楽しんでいる姿には、子どもも大人も心があたたかくなりますよ。
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『十二支のはじまり』
イラスト: 二俣英五郎
出版社:教育画劇
発行日:1997/11/1
値段+税:1,296円
対象年齢:3・4歳〜
『十二支のはじまり』のあらすじ
むかしむかし、ある年のくれ。神様はどうぶつたちにあるおふれを出します。
「正月の朝、ごてんに来るように。来たものから12番目まで、1年ずつその年の大将とする」
ねずみに、牛、トラにへび、馬に兎まで…。
集まった数々の動物たちは、御殿にむかって一斉にスタートを切ります。
果たしてその先に待っていたのは…?
『十二支のはじまり』のおすすめポイント
誰もが一度はそのような疑問を持ったことがあるのではないでしょうか?
そしてその理由は知っているようで、意外と覚えていないもの。
「十二支のはじまり」はその由来を分かりやすく教えてくれる一冊です。
どうやってねずみが一番になったのか。
ねずみと猫が仲が悪い理由は?など、かわいらしいイラストですんなりと覚えることができますよ。
年末やお正月に子どもと楽しむのにぴったりの絵本です。
『しあわせの王子』
イラスト:いもとようこ
出版社:金の星社
発行日:2007/2/1
値段+税:1,512円
対象年齢:幼児から
『しあわせの王子』のあらすじ
ある冬の晴れた日、南へ向かう途中のつばめは、「しあわせの王子」の足元で羽を休めます。
すると、つばめにぽつんと、雫が落ちてきました。
見上げると、宝石で彩られたしあわせの王子像が涙を流しています。
「しあわせの王子さまが、なぜ泣いているのですか?」
つばめは、貧しい人々に宝石を届けたいと言う王子の願いを聞き入れ、ルビーやサファイヤ、金を王子から取っていくのですが…。
『しあわせの王子』のおすすめポイント
だんだんと王子のからだから宝石がなくなっていく様子が丁寧に描かれており、誰かを助けたいと言う優しい気持ちが小さな子どもにも届く作品に仕上がっています。
大人になってから読み返すとまた違った見方ができるように、子どもの年代によっても様々な感じ方ができるストーリーです。
手元に置いておきながら、折をみて読み返したくなる大切な一冊となることでしょう。
冬をテーマにしたおすすめ人気・有名絵本【4歳】
ここからは4歳におすすめの冬の絵本をご紹介します!
『さむがりやのサンタ』
出版社:福音館書店
発行日:1974/10/25
値段+税:1,296円
対象年齢:4歳から
『さむがりやのサンタ』のあらすじ
サンタのおじいさんがいるのは、常夏のビーチのベッド。
ジリリリリ!
さわがしい目覚まし時計に起こされて、今年も12月24日のはじまりです。
「やれやれ、またクリスマスか!」
まずはトナカイたちにごはんをあげて、自分の朝食はベーコンにたまご。
そうそう、犬や猫のお世話も忘れずに…。
サンタの衣装に着替えてプレゼントを持ったら、さぁ今年もクリスマスのお仕事に出発です!
『さむがりやのサンタ』のおすすめポイント
朝起きてから夜眠るまで、サンタのおじいさんの1年で一番忙しい1日が、コミックのようなコマ割りで描かれています。
サンタクロースと言えば子どもたちに夢を与える人物ですが、この絵本のサンタは実に人間味に溢れているのが特徴です。
狭い煙突や通路にぶつぶつ文句を言いながらもプレゼントをくばるサンタには、大人も思わず笑みがこぼれてしまいますよ。
子どもと一緒に何度でも楽しむことのできる愉快な絵本です。
さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ) [ レイモンド・ブリッグズ ]
『ふゆやさいのふゆやすみ』
イラスト:柿田ゆかり
出版社:ひかりのくに
発行日:2013/10/25
値段+税:1,382円
対象年齢:幼児
『ふゆやさいのふゆやすみ』のあらすじ
冬やさいの畑に冬休みがやってきた!
ほうれん草にれんこん、ブロッコリーにだいこん、赤カブは雪合戦。
しろねぎ、にんじん、ごぼうくんはあたたかいお部屋でなつやさいすごろくをしています。
ざるですべってスケートを楽しんだ後は温泉で温まって…。
ほぉら、ふわふわの冬やさいなべと温野菜のできあがり!
『ふゆやさいのふゆやすみ』のおすすめポイント
言葉遊びが楽しいおやさいシリーズには、思わず声に出して読みたくなるようなフレーズがちりばめられています。
今では年間を通してスーパーに野菜が並ぶ時代になりましたが、この絵本では季節ごとの旬の野菜を学ぶことができますよ。
柿田ゆかりさんのイラストもかわいらしく、子どもと一緒に思わず笑顔になってしまう一冊です。
『かさじぞう』
イラスト:黒井健
出版社:童心社
発行日:2006/12/10
値段+税:1,188円
対象年齢:幼児から
『かさじぞう』のあらすじ
むかしむかし、あるところに、貧乏だけれどとてもやさしいおじいさんとおばあさんがいました。
ある年の大みそか。
おじいさんはふたりで作った笠を町へ売りに出かけます。
笠を売ったお金でお正月のおもちを買うためです。
おばあさんは、たくさんの笠をせおって雪の中を出かけるおじいさんを見送りました。
ところが笠はまったく売れず、その帰り道の途中、おじいさんは雪をかぶったおじぞうさまを見つけます。
おじいさんはせおっていた笠を次々とおじぞうさまにかぶせていきます。
するとその日の夜にふしぎなできごとが…。
『かさじぞう』のおすすめポイント
おじいさんとおばあさんの持つ過去の思い出話、おじいさんが六地蔵に笠をかぶせた理由に、大人は心を揺さぶられるのではないでしょうか。
「ゆきがなぁ ほたほた ほたほた ふるわ ふるわ」
著者の松谷さんの選ぶ言葉は豊かで、やわらかく、日本語のすばらしさを再認識させてくれます。
読み聞かせにも適した長さに作られているので、大人も子どもも一緒に楽しむことができますよ。
静かな冬の日、読後はほっとあたたかな気持ちになれる、優しい日本の昔話です。
『十二支のお節料理』
出版社:BL出版
発行日:1999/12/1
値段+税:1,404円
対象年齢:幼児
『十二支のお節料理』のあらすじ
年越しが近づき、着々とはじまるのがお節料理の準備。
神様は、十二支の動物たちを集めてそれぞれに役割を与えます。
ひつじは下ごしらえ、さるは料理番、さて来年主役の鳥は?
十二支と共に、日本の伝統文化であるお節料理の意味を分かりやすく紹介する一冊です。
『十二支のお節料理』のおすすめポイント
「色どりよければ栄養バランスも理にかなっているはず」と紹介されるお節料理は、色鮮やかで事細かく、食欲をそそる仕上がりとなっています。
十二支の動物それぞれに役割を持たせた設定もおもしろく、川端誠さんの版画が実にいきいきとユーモラスに描きだしています。
年末に家族の干支となぞらえながら、親子で読むのも楽しい絵本です。
冬をテーマにしたおすすめ人気・有名絵本【5・6歳】
ここからは5・6歳におすすめの冬の絵本をご紹介します!
『つるのおんがえし』
イラスト:いわさきちひろ
出版社:偕成社
発行日:1966/10/1
値段+税:1,296円
対象年齢:5・6歳から
『つるのおんがえし』のあらすじ
むかしむかし、あるところに心のやさしいおじいさんとおばあさんがいました。
ある日、おじいさんはワナにかかったきれいなつるを見つけます。
おじいさんがつるを助けたその夜、雪の中を訪ねてきたのは若く美しい娘でした。
やがて、美しく気立ての良い娘とおじいさんおばあさんの楽しい日々が始まります。
娘は働きもので、家や田んぼ仕事を良く手伝うほか、美しい織物を仕上げる腕を持っていました。
しかし、その姿は決して2人には見せようとはしません。
ある日、おばあさんがそっとふすまを開けるとそこにいたのは…。
『つるのおんがえし』のおすすめポイント
物語を紡ぐ松谷みよ子さんの文章は詩情豊かで、幼い頃から慣れ親しんでいたはずの物語に新たな印象を与えてくれますよ。
家にやってきた娘に布団を与え、自分たちは藁で眠るおじいさんとおばあさん。娘を見にわいわいと集まる子どもたちなど、優しく爽やかな雰囲気が随所にちりばめられています。
いわさきちひろさんの挿絵は絵画のようで、子どもでも存分に楽しむことができます。
偕成社の出版する昔話には、巻末に物語に由来する逸話が書かれており、幼児期から就学期、そして大人まで幅広い年齢層が満足できる絵本となっています。
つるのおんがえし 日本むかし話 (いわさきちひろの絵本) [ 松谷みよ子 ]
『雪の女王』
イラスト:エロール・ル・カイン
出版社: ほるぷ出版
発行日:1981/2
値段+税:1,728円
対象年齢:5・6歳から
『雪の女王』のあらすじ
ある冬の日、ゲルダはだいすきなカイを雪の女王に連れ去られてしまいます。
カイを取り戻すため、雪の世界へ飛び込んでいくゲルダ。
多くの人々に出会いながら、ゲルダはカイの元へたどり着けるのでしょうか。
『雪の女王』のおすすめポイント
雪の世界や花、登場人物の衣服などが丁寧に描かれ、カイを探す旅の道のりをゲルダと共に体感することができますよ。
ナオミ・ルイスが再現するアンデルセンの世界は読みやすく、読み物としてもじっくり楽しめる絵本です。
子どもとゆっくりと絵本の世界に入り込みたい時におすすめの一冊です。
冬をテーマにしたおすすめ人気・有名絵本【小学生以上】
ここからは小学生以上におすすめの冬の絵本をご紹介します!
『雪女』
イラスト:伊勢英子
出版社:偕成社
発行日:2000/1/1
値段+税:1,728円
対象年齢:小学校中学年から
『雪女』のあらすじ
ある寒い冬のこと。
ふたりの木こりは仕事中にひどい吹雪にあってしまいます。
ふたりはたまらず小屋に逃げ込み、戸をしっかりと閉め、頭からみのをかぶって目をとじました。
いつのまにか眠り込んだその顔に雪が降るのを感じ、男が驚いて目を開けると、閉めたはずの扉が細くあいています。
隣の男に息を吹きかけているのは、白装束のぞっとするほど恐ろしく、美しい雪女なのでした…。
『雪女』のおすすめポイント
物語は終始雪女が漂わせる緊張感に包まれ、子どもたちもその世界観に知らずに引き込まれてしまいます。
雪女の情念や悲しみを感じる物語は一見大人向けのようですが、八雲の描く怪談話には、子どもの想像力を引き立てるふしぎな力が宿っているのでしょう。
表紙の全面にひんやりとした空気感を描き出す伊藤英子さんの挿絵は、その八雲の世界観をより明確なものにしています。
雪のうっすらとつもる静かな冬の日に読みたい、上質な一冊です。
『マッチ売りの女の子』
イラスト:スベン・オットー
出版社:童話館出版
発行日:1995/1/1
値段+税:1,404円
対象年齢:8・9歳から
『マッチ売りの女の子』のあらすじ
身を切るように寒い、寒い、冬の夜。
はだしの女の子はひとりで雪の中を歩いていきます。
すりきれた古いエプロン。手に持ったカゴの中には、たくさんのマッチ箱。
「マッチ、マッチはいりませんか」
力を振りしぼり声をあげるものの、街行くひとたちは女の子に気付くこともありません。
「マッチが売れなければ家にも帰れない…」
空腹と寒さでたおれそうな女の子は、とうとうものかげに座り込んでしまいます。
寒さに耐えきれず持っていたマッチをすると、なんとその炎の先には…。
『マッチ売りの女の子』のおすすめポイント
アンデルセンと同じ国の画家であるスベン・オットーの絵が美しく、丁寧に描かれたデンマークの街並みが、物語の世界をより一層深いものにしてくれます。
少女の寒さと辛さ、そしてわびしさと共に、炎のあたたかさが心に染み入る一冊です。
大型本なので、読み聞かせにも適した作品となっています。
『クリスマスのまえのよる』
イラスト:ニルート ・プタピパット
出版社:大日本絵画
発行日:2007/11/1
値段+税:3,240円
対象年齢:子どもから大人まで
『クリスマスのまえのよる』のあらすじ
それは、クリスマスの夜のこと。
みんなが寝しずまった家では、にぎやかなねずみの声さえ聞こえません。
だんろの前にならぶのは、願いをこめたかわいい靴下たち。
「サンタクロースは、ほんとうにここにやってくるのかしら…」
ひとり、目が覚めたおとこのこがそこで目にしたものとは…?
『クリスマスのまえのよる』のおすすめポイント
洗練されたシルエットで、静かなクリスマスイブの夜を表現するのは、「ブレーメンの音楽隊」の挿絵を手掛けたこともあるニルート・プタピパット。
1ページずつページをめくるたびに、少しずつモノクロの世界に赤や緑の色が加わっていきます。
それはまるで、月明かりで照らされる夜の部屋に、サンタクロースの気配を感じるかのようです。
最後のページはまさに圧巻。子どもも大人も思わず喜びの声をあげるしかけが隠されています。
クリスマスのしあわせを感じる事の出来る一冊は、プレゼントにもぴったりの絵本となっています。
クリスマスのまえのよる (主婦の友はじめてブック) [ クレメント・C.ムア ]
クリスマスのまえのよる (主婦の友はじめてブック おはなしシリーズ)
『和の行事えほん2 秋と冬の巻』
出版社:あすなろ書房
発行日:2007/10/1
値段+税:1,728円
対象年齢:小学校中学年から
『和の行事えほん2 秋と冬の巻』のあらすじ
「お正月」「元旦」の意味は?
「しめかざり」や「鏡餅」はどうやって飾るのが正しいの?
季節ごとのそんな悩みを具体的に解決してくれる一冊です。
秋冬の行事がひと月ごとに細かく描かれているので、読み物としてはもちろん、美しい絵本としても楽しむことができますよ。
『和の行事えほん2 秋と冬の巻』のおすすめポイント
9月から2月までを順に追っていく今作では、年末年始の日本の文化を存分に味わうことができますよ。
羽子板やかるたなど、自分の経験したお正月を子どもと共有する他、新たな発見を楽しむことができる一冊でもあります。
冬の絵本を読んでほっこり温まろう
冬の絵本は、人々の心をほっとあたためてくれるような優しさを持っています。
大人数の読み聞かせでも、一日の終わりのベッドの中でも、人と人が寄り添いたくなるような温もりを持った作品ばかりです。
ぜひみなさんも、冬の物語の世界を楽しんでみてくださいね。
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