寒さと共に、病院へ通う回数も増えがちになる、この季節。
病院を怖がる子どもたちにとっては、ゆううつな時期でもありますよね。
今回ご紹介する絵本は、そんな病院が嫌いな子どもも、思わず笑顔になってしまうお医者さんのお話です。
なんと、お医者さんが使うのは「ニャニャー!!」という掛け声と、気合。
そう、本作のお医者さんは、なんとかわいいねこさんなのです。
愉快なねこのお医者さんと、動物たちの織り成すストーリー。
ぜひ、家族みんなでお楽しみください。
『ねこのおいしゃさん』(2008)とはどんなお話【内容とあらすじを紹介】
「ニャー!」の気合で患者さんを元気にしてしまう、ふしぎなねこのおいしゃさん。
大人気ミュージック・ユニット「ケロポンズ」が生んだその世界を、早速覗いてみましょう。
『ねこのおいしゃさん』(2008)の概要
イラスト:あべ 弘士
出版社:そうえん社
発行日:2018/10/1
価格+税:1,100円
『ねこのおいしゃさん』(2008)のあらすじ
ながいおひげの、ねこのおいしゃさんは、どんな病気も一発でなおしてしまいます。
おくさんは、白くてきれいな、ねこのかんごふさん。
さぁさぁ、今日もかんじゃさんが、やって来ましたよ。
だけどなんだか、おいしゃさんの治し方はちょっと特別みたい。
かんじゃさんの次は、今度はおくさんのお腹がいたくなってきて…?
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要約1.ねこのお医者さんと看護婦さん
本作の主人公は、なんと気合で患者さんの病気を治す、ねこのお医者さんです。
すらっと色白の奥さんは、猫の看護婦さん。
お医者さんを、いつも優しくサポートしています。
「次の患者さん、どうぞー」
お医者さんが声をかけると、キツネさんが病室に入ってきました。
要約2.気合で治す!お医者さん
「コンコンコン」
咳が止まらず、困っているキツネさん。
早速、ねこのお医者さんが「ニャニャニャ、ニャー!!」と気合を入れると、あらふしぎ。
「コンコン、ムシムシ、コンムシムシ~」
キツネさんの口から、コンコンムシが次々と出ていくではないですか!
「せんせい、ありがとうございます」
すっかり良くなったキツネさんは、喜んで帰っていきました。
要約3.ねこの奥さんの腹痛の理由は?
鼻づまりのゾウさんもキリンさんも、ねこのお医者さんは次々に気合で治していきます。
ところが、そばにいた奥さんがお腹が痛くなってしまったから、さぁ大変。
ねこのお医者さんは、奥さんのために、力いっぱい気合を入れます。
「ニャニャニャ、ニャー!!」
すると、奥さんのお腹がすっかり良くなった代わりに、なんと子猫が誕生したのです。
「みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー」
かわいい5つ子に囲まれて、奥さんと共に、笑顔満開のねこのお医者さんなのでした。
『ねこのおいしゃさん』(2008)の口コミ・評判
口コミ・評判:★★★★☆
何でも気合で治してしまうねこのおいしゃさんが可愛い!息子は今度かぜをひいたら、こんなお医者さんのいる病院へ行きたいと言っています(笑)
口コミ・評判:★★★★★
ラストは美人の看護師おくさまに、5つ子の子猫が生まれてハッピーエンド!猫好きにはたまらない、かわいいストーリーです。
口コミ・評判:★★★★★
パネルシアターで見たことのある作品。最後にはねこのおいしゃさんの歌も載っているので、2倍楽しめました。
『ねこのおいしゃさん』(2008)の主題・テーマは?
『ねこのおいしゃさん』は、気合でなんでも治してしまうお医者さんという設定以外にも、子どもが喜ぶユーモアが随所に散りばめられた物語。
その生みの親であるケロポンズや、イラストを手掛けたあべ弘士さんについて紹介すると共に、絵本の世界をもう少し掘り下げてみましょう。
大人気ユニット「ケロポンズ」の世界
「ケロポンズ」は、増田裕子さんと平田明子さんが、歌や踊りと共に読み聞かせを行う、ミュージック・ユニットです。
親子が参加できる楽しいステージは、毎回多くの人々の間で大人気。
『ねこのおいしゃさん』にも、そんなケロポンズの楽しい世界観がぎゅっと詰め込まれています。
子どもはお医者さんが苦手なもの。
気合で病気を治す、ねこのお医者さんには「こんなふうに病気が治ったらなぁ」という、作者の願いも込められています。
まさに、「病は気から」を体現した、笑顔と優しさに溢れた物語なのです。
動物を豊かに描くあべ弘士さんのイラスト
本作のイラストを担当しているのは、『あらしのよるに』で知られる、あべ弘士さん。
あべさんは、25年間、北海道の旭山動物園の飼育係を務めたことでも知られています。
そんなあべさんの描く動物たちは、どれも表情豊かで、生き生きと表現されたものばかり。
作品に惚れこんだ、あべさんが自ら絵を描くと言ったのも納得の、遊び心に溢れています。
パネルシアターでは折れ曲がってしまうキリンの首が、絵本では縮んでしまったりと、それぞれの違いを発見するのも楽しそうですね。
読み聞かせは思い思いに楽しんで
本作が保育園や幼稚園で人気を得ている理由のひとつが、物語の中に楽しい音楽が溢れていること。
本来はミュージックパネルのお話だった本作は、実際のステージでは、楽しい歌と共に物語が展開します。
「ねこねこねこーのおいしゃさんー♪」のテーマソングの後に、動物の患者さんが登場するのです。
お家では例えメロディをつけなくても、言葉のリズムを楽しむことができるのが、この作品の良いところ。
決まった正解があるわけではなく、物語を追う子どもの反応に合わせて、思い思いにその世界を楽しむことができます。
お気に入りの絵本とともに、「我が家のオリジナルソング」ができるのも嬉しいですね。
【ネタバレあり】『ねこのおいしゃさん』(2008)の感想とレビュー
『ねこのおいしゃさん』は、子どもが「こんな病院なら行きたい」と言ってしまうほどの、楽しい世界観に溢れています。
寄せられた感想も、その喜びを感じさせるものばかり。これから購入をお考えの方は、ぜひ参考になさってくださいね。
あべ弘士さんのイラストがすてき!
5歳の息子が、保育園の発表会で披露したお話です。
気合で患者さんを治す、ねこのおいしゃさんが可愛くて楽しくて、たまらず絵本も購入してしまいました。
絵本は他にも数点あったのですが、あべ弘士さんがイラストを描いている本作にして大正解。
動物たちの表情が豊かで、見ていてウキウキしてしまいます。
病院嫌いのお子さんにも「読んでみて!」とおすすめしたい、楽しい一冊です。
病は気から!テーマソングもカワイイ
「ニャニャー!」と、気合で病気を治してしまうという設定が、とってもユニーク。
4歳の娘も、ねこのお医者さんと奥さんのいる病院なら、張り切ってでかけたいそうです(笑)
気合だけで治しているようで、実はこっそりと注射をしたり、毛をハサミで切ったりしているところが、ねこのお医者さんのすごいところなんですよね。
娘の保育園ではパネルシアターをしていたのですが、これがまた楽しいんです。
「ねこねこねこーのおいしゃさんー」と、娘といつも口ずさんでしまいます。
ねこ好き、動物好きの方にぜひ
ねこのお医者さんの病院にやってくるのは、ゾウやキリン、くまさんと動物ばかり。
この設定が実にユニークで、ねこが大好きな5歳の娘も大ファンの作品です。
咳をコンコンと出すキツネや、長いお鼻をつまらせたゾウなど、よくできているなぁと思います。
最後はお医者さんの気合で、奥さんのお腹から赤ちゃんが誕生。
ハッピーな展開と、子猫にメロメロなねこのお医者さんがかわいくて、いつの間にか私も大好きな絵本になっていました。
『ねこのおいしゃさん』(2008)は、こんな方におすすめ!
絵本を読む喜び、音楽を楽しむ喜びに溢れた『ねこのおいしゃさん』。
子どもと一緒に読む時は、子どもがお医者さんをしたり、大人が患者さんをしたり、読み手を分けても楽しそうですね。
巻末にはテーマソングも掲載されているので、朗読劇のように楽しみたいという方にもおすすめです。
「ケロポンズ」の楽しい世界を、ぜひお家でも満喫してみてくださいね。
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