春の有名な絵本をまとめました。
寒く静かな冬を越え、自然の木々や草花が太陽に呼ばれて目を覚ます季節、春。
道端に咲く黄色やブルー、ピンクの花々。
風にそよそよと揺れる草原。
申し合わせたようにいっせいに咲き始める桜の花に、澄み切った青空。
思い返すだけで、なんだかわくわくとした幸せな気持ちなってきませんか?
入園式や新学期といったはじまりの時期でもある春は、新しいものを吸収するのにぴったりの季節です。
ぜひ子どもと一緒に、絵本で新しい春の風を感じてみましょう。
春をテーマにした絵本を紹介
空飛ぶちょうちょう、冬をこして動き出す動物たち。
春をテーマにした絵本では、命が芽吹く季節を心待ちにする動物や植物の姿が数多く描かれています。
「たんぽぽが咲いてる」「ちょうちょが飛んでるね」など、身の回りの自然と照らし合わせながら親子で物語の世界に入り込むことができますよ。
今回は春の「イベント」「自然」「生き物」にまつわる絵本をご紹介します。
春のイベントがメインの絵本
お花見にピクニック、入学式と春は心がわくわくするイベントがたくさんありますよね。
ここからは春のイベントがメインに描かれた絵本をご紹介します。
どれもおでかけしたくなるような、春の楽しさが詰まった絵本ばかりですよ。
『14ひきのぴくにっく』
出版社:童心社
発行日:1986/11/15
値段+税:1296円
『14ひきのぴくにっく』のあらすじ
今日は、なんていい天気。
14ひきのねずみの一家が暮らすおうちにも、春の暖かな陽射しが降り注ぎます。
「そうだ、みんなでピクニックへでかけよう!」
わくわくそわそわ。家族みんながいっせいに準備をはじめました。
おにぎりを作るおかあさん。
おにぎりを包む竹の皮をふいてくれるおじいさん。
おにぎりを包むおばあさんにお手伝いのこどもたち。
すえっこのとっくんはちゃんとお着替えできるかな?
リュックをせおって水筒を持ったら、さあ、楽しい14ひきの春のおでかけのはじまりです。
『14ひきのぴくにっく』のおすすめポイント
おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさんと10匹の子どもたちの物語は、海を越え世界各国で愛され続けています。
春の草花が一面に咲き誇る草原のモデルは、自然を愛するいわむらさんが移り住んだ栃木の風景。
「自然の恵みに感謝し、家族とつつましく暮らすこと」を大切にしているいわむらさんの心情が随所に詰まった一冊です。
自然描写もていねいで、まるで14匹と一緒にピクニックしているような気分を味わえる春にぴったりの絵本となっています。
『ドーナツやさんのおてつだい』
絵:ヨシエ
企画:アサヒ飲料株式会社
発行:絵本ナビ
出版社:泰文堂
発行日:2018/1/25
値段+税:1404円
『ドーナツやさんのおてつだい』のあらすじ
ドーナツやのポルカさんは、まいにちまいにちおいしいドーナツをつくります。
ざいりょうを混ぜて、型でぬいて、油であげて…。
さいごの仕上げはお手伝いの子どもたち。シャカシャカとお砂糖をふりかけて完成です!
みんなでおいしくドーナツを食べていると、ふしぎな手紙が届きます。
毎年春になる前に届くその手紙には、「あなもりやまのてっぺんに、ドーナツ100こもってくること!」と書かれていました。
怪物がいるといううわさのある山に、みんなは無事ドーナツを届けることができるのでしょうか…?
『ドーナツやさんのおてつだい』のおすすめポイント
ポルカさんと子どもたちが作るカラフルでおいしそうなドーナツは、見ているだけでお腹も心も「まんぷく」に満たされますよ。
アサヒ飲料が全国の幼稚園や保育園にプレゼントする企画で制作されたこの本には、カルピスの水玉を表現したドーナツも登場します。
親と子のきずなが深まるようにと作られた絵本は、その絵柄とストーリーが読み聞かせにもぴったりですよ。
大人も子どもも、おいしそうなドーナツと登場人物の姿に笑顔がほころぶ、春色のしあわせに包まれた作品となっています。
『「和」の行事えほん〈1〉春と夏の巻』
出版社:あすなろ書房
発行日:2006/6/26
値段+税:1728円
『「和」の行事えほん〈1〉春と夏の巻』のあらすじ
今日はみんなで近所の公園でお花見です。
きつねさんにうさぎさん、くまさんも得意のお弁当を持ちよりました。
満開の桜の花の下でおいしいごちそうを広げ、みんなで飲んだり食べたりしながら楽しむのは、古くから日本に伝わる風習です。
「ほーら、花ふぶき!」
今年の春も満開の桜の下でみんなの笑顔がほころびます。
『「和」の行事えほん〈1〉春と夏の巻』のおすすめポイント
日本の伝統行事を、かわいい絵と共に子どもと再確認することができます。
行事の意味やその時々に使われる道具や料理など、内容はぎっしり詰まっているので大人でも読み応えがありますよ。
春と夏の今作が気に入った方には、「秋と冬の巻」の続巻もおすすめです。
細かな内容と丁寧に描かれたイラストをじっくりと楽しむことができる一冊となっています。
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『しばわんこ和のこころ』
出版社:白泉社
発行日:2002/1/1
値段+税:1512円
『しばわんこ和のこころ』のあらすじ
「なぜかしら、和に惹かれる今日この頃でございます」
縁側にきちんと座ってそうごあいさつするのは、柴犬のしばわんこ。
しばわんこが教えてくれるのは、お客様のおもてなし方、日本の春、和の小物や食べ物といった和のこころ。
いたずら好きのみけにゃんこと共に、今日もゆっくりお勉強していきましょう。
『しばわんこ和のこころ』のおすすめポイント
「しばわんこ和のこころ」はその記念すべき第1作目にあたります。
敷居が高く感じられる和の作法も、しばわんことみけにゃんこのかわいいイラストに引き込まれ、いつしか夢中になってしまいますよ。
この作品を皮切りに、生活編や四季の行事編など、現在は多くのしばわんこシリーズが生まれています。
日本の良さを再確認しながらしばわんこのかわいい姿を満喫できる、動物好きにもおすすめの一冊です。
『はるかぜさんぽ』
出版社:講談社
発行日:2017/3/9
値段+税:1296円
『はるかぜさんぽ』のあらすじ
お気にいりのワンピースを着て、新しい靴をはいて、おさんぽ大好きのおんなの子は今日も元気にお出かけです。
お外は春まっさかり。
さくらに菜の花、だんご虫にちょうちょう。
はるのかぜを体いっぱいに感じながら、おんなの子はてくてく進みます。
春のあたたかな陽に包まれたその先には、どんな出会いが待っているのでしょうか?
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『はるかぜさんぽ』のおすすめポイント
やさしい色使いの水彩画と分かりやすい文章の絵本は、1~2歳児から楽しめる内容となっています。
春の昆虫や花を指さしながら、親子の会話も広がりますよ。
春の季節感がたっぷりとつまったおさんぽに出かけたくなる一冊です。
『ランドセルがやってきた』
絵:村上康成
出版社:徳間書店
発行日:2009/1/1
値段+税:1404円
『ランドセルがやってきた』のあらすじ
うみひこくんははもうすぐ小学1年生。
待ちに待った青色のランドセルがお家にやって来ました。
おとうさんの本、おかあさんの家計簿、新聞に雑誌、ランドセルにはたくさん入ります。
さっそく背負ってみると、まだまだ体よりずっと大きいランドセル。
うみひこくんはなんだか少し大人になった気分です。
さあ、青色のランドセルでお出かけしてみよう!
『ランドセルがやってきた』のおすすめポイント
「ランドセルがやってきた」は、入学式を控えてわくわくドキドキする子どもの気持ちがぎゅっと詰まった絵本です。
ランドセルを背負って張り切るうみひこくんの姿に、過去の自分と、子どものこれからの成長を重ね合わせる方も多いのではないでしょうか。
作者は「ピーマン村の絵本たち」で人気の中川ひろたか・村上康成のコンビ。
春のさわやかさを感じる絵本は、新1年生へのプレゼントにも最適な一冊となっています。
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春の自然をテーマにした絵本
寒く静かな冬を越え、春は自然が目覚める季節です。
春をテーマにした絵本は、その姿をいきいきと描いた作品が数多くみられます。
読み聞かせにもぴったりの絵本ばかりなので、ぜひ参考になさってくださいね。
『はるのやまはザワザワ』
出版社:徳間書店
発行日:2001/1/1
値段+税:1512円
『はるのやまはザワザワ』のあらすじ
「ザワザワ ザワザワ やまのこえ」
春の音を聞いたくまの親子は、冬眠から目覚めてはちみつをみつけに出かけます。
キラキラのたいようがポカポカと気持ちのいい春。
春の命の音をききながら、さあ一緒にでかけましょう。
『はるのやまはザワザワ』のおすすめポイント
自然の中にこんなに音が溢れていたなんてと、ページをめくるたびに楽しい気持ちでいっぱいになりますよ。
キツネや魚、地面を飛び跳ねるウサギなど、村上康成さんの描くかわいい動物たちが次々登場するのも大きなポイント。
静かな冬を越え、春の足音が聞こえてくる季節にぴったりの一冊です。
『たんぽぽ』
出版社:金の星社
発行日:1984/2/1
値段+税:1404円
『たんぽぽ』のあらすじ
春になると道端に花開く黄色いたんぽぽ。
つぼみが段々と花開き、やがて綿毛となった後は、空へと高く舞い上がり知らぬ土地を求めて旅立ちます。
たんぽぽの一生をドラマチックに描いた絵本です。
『たんぽぽ』のおすすめポイント
綿毛が飛び立っていく姿は、普段何気なく眺める道端の花にも命の営みがあることを教えてくれます。
ページいっぱいに描かれた絵は小さな子どもでも十分に楽しむことができますよ。
たんぽぽの一生を綴る文章は大人でも読みごたえがあり、親子世代で何度も開きたくなる春の絵本です。
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『つくし』
出版社:福音館
発行日:1997/2/15
値段+税:972円
『つくし』のあらすじ
ある日おみやげにもらったのは、ビニール袋いっぱいに詰めらたつくし。
天ぷらにたまごとじ、つくしご飯にとおいしく料理した後は、野原につくしを探しに出かけましょう。
「つくしだれの子スギナの子」
そう、つくしは地面の中でスギナとつながっているのです。
『つくし』のおすすめポイント
つくしの根が地中深くまで伸びていること、その先でスギナと繋がっていることなど、大人でも初めて知るような知識が丁寧に描かれています。
つくしのはかまや根の断面図まで細かく描写されているので、実際につくしを探す際に持ち運ぶのもおすすめの絵本ですよ。
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『春 (新版・ふれあいしぜん図鑑)』
出版社:学研
発行日:2016/2/23
値段+税:1944円
『春 (新版・ふれあいしぜん図鑑)』のあらすじ
春の虫や草花、歌や遊び、工作などが詳しく紹介されている一冊です。
分からないことは自分で調べ、実際に確かめるといった習慣を促すことにも最適の絵本。
豊富なイラストを追いかけながら、春の事柄について楽しく学ぶことができます。
『春 (新版・ふれあいしぜん図鑑)』のおすすめポイント
「ふれあいしぜん図鑑」は季節ごとにシリーズが制作されているので、春が気に入った方は他の季節を集めてみるのもおすすめですよ。
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『野の花えほん 春と夏の花』
出版社:あすなろ書房
発行日:2009/4/1
値段+税:1620円
『野の花えほん 春と夏の花』のあらすじ
すみれにれんげ、なずなといった春から秋にかけていっせいに花開く植物たち。
名前の由来や食べ方などが、かわいいイラストと共に丁寧に紹介されています。
「あ、この花さんぽの途中で見たことある!」
「子どもの頃花かんむりで遊んだなぁ」
など、親子で春の楽しみ方を満喫できる自然絵本です。
『野の花えほん 春と夏の花』のおすすめポイント
ピーピーと鳴らして遊んだカラスノエンドウの豆ごはんや、野イチゴを使ったジャムなど、思わず作りたくなるようなレシピも満載ですよ。
著者である前田あゆみさんのイラストは女性からも人気が高く、草花がすきな子どもはもちろん、女性へのプレゼントにもおすすめの一冊となっています。
『じいじのさくら山』
出版社:白泉社
発行日:2005/3/1
値段+税:1404円
『じいじのさくら山』のあらすじ
うれしい事があるたびに、じいじがこっそり植え続けたさくらの木。
だいじにだいじに育てたさくらの木は、いつしか空いっぱいに伸びるほど成長します。
「じいじはすごいな」
孫のちびすけはじいじが大好き。さくら山にもいつも手をひかれ一緒に歩いていきました。
ところがある日、そんなじいじが病気になってしまい…。
『じいじのさくら山』のおすすめポイント
じいじと孫の交流に、誰もが胸を熱くさせられます。
人や自然に対する思いやりや、命の大切さを静かに教えてくれる一冊。
作者である松成真理子氏の絵柄はおおらかであたたかく、満開の桜色に包まれた絵本は春の代表作にふさわしい作品です。
『春の主役 桜』
絵:早川司寿乃
出版社:理論社
発行日:2006/3/1
値段+税:1944円
『春の主役 桜』のあらすじ
「気になる日本の木」シリーズの中の一冊。
なぜ場所によって桜が一斉に咲きだすのか、名前の由来や名所は?といった桜にまつわるエピソードが随所にちりばめられています。
案内人はちいさな天狗とかわいい柴犬。
表情豊かな2人をおともに、春を待ちわびる旅のはじまりです。
『春の主役 桜』のおすすめポイント
優雅で繊細な桜の花は、風が吹けば花びらが散りだすのではないかというほど丁寧に表現されています。
桜にまつわるエピソードは分かりやすく、子どもでも楽しく読み進めることができますよ。
街がいっぺんにピンク色に染まる、春の訪れが待ち遠しくなる絵本となっています。
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春の生き物が登場する絵本
春の訪れを心待ちにしているのは、人間ばかりではありません。
ここからは春の生き物が登場する絵本をご紹介します。
動物たちのやさしさに、心がほっとあたたかくなりますよ。
『ふうと はなと たんぽぽ』
出版社:童心社
発行日:2011/4/20
値段+税:1296円
『ふうと はなと たんぽぽ』のあらすじ
野原に生きる2ひきの子うさぎ「ふう」と「はな」。
春風に誘われて今日は草原を冒険です。
そこで2ひきが出会ったのは、黄色いきれいな「たんぽぽ」。
たんぽぽの周りにはテントウムシやシジミチョウ、ミツバチなどたくさんの虫たちが集まってきました。
「子どもたちが絵本を読んだ後、野原でたんぽぽやテントウムシたちとお話してほしい…」
そんな著者の願いが込められた心温まる一冊です。
『ふうと はなと たんぽぽ』のおすすめポイント
日本のたんぽぽは、作者であるいわむらかずおさんの美術館がある「くさっぱ広場」に咲くたんぽぽです。
たんぽぽの受粉のために集まる虫たちと会話するうち、2ひきは自分の名前の由来を知ることになります。
そこには作品に込められた、作者の自然を愛する気持ちを感じ取ることができますよ。
読後には子どもの手を引いて、動植や植物の視点で散歩をしたくなる絵本です。
『ちょうちょうひらひら』
絵:にしまきかやこ
出版社:こぐま社
発行日:2008/2/1
値段+税:972円
『ちょうちょうひらひら』のあらすじ
ちょうちょうひらひら…ぞうさんに止まって「えへへ」。
それを見たうさぎさんが「うふふ」。
シカさんにネズミさん、次はだれに止まるかな?
『ちょうちょうひらひら』のおすすめポイント
「うふふ」「えへへ」の言葉とあたたかな色使いのイラストが、子どもから大人まで読む人の心を癒してくれますよ。
ちょうちょうの動きに合わせてページを行ったり、戻ってみたり。
小さな子どもでも絵本の世界をぞんぶんに楽しむことができます。
子どもに贈るはじめての一冊としてもおすすめの絵本です。
『はなをくんくん』
絵:マーク・シーモント
訳:きじまはじめ
出版社:徳間書店
発行日:1967/3/20
値段+税:1188円
『はなをくんくん』のあらすじ
雪に埋もれた静かな森の中。
くまも、ちいさなかたつむりも、りすも山ねずみもまだまだまぁるくなって眠っています。
すると、その中のひとりがゆっくりと目を開けて、寝ぼけながらはなをくんくん。
どうやらどこからか春の気配を感じているよう。
そのうち他の動物たちも次々と走り始め…。
『はなをくんくん』のおすすめポイント
「はなをくんくん」という言葉と共にその想いが静と動で表現され、みんなが一斉に駆け出していくページでは、春への高揚感を味わうことができます。
洋書である本作がアメリカで発行されたのは、今からもう50年以上前。
国と世代を越え、春のよろこびを人々に伝え続ける心あたたまる絵本です。
『ぽとんぽとんは なんのおと』
絵:平山英三
出版社:徳間書店
発行日:1985/2/15
値段+税:972円
『ぽとんぽとんは なんのおと』のあらすじ
冬ごもりの穴の中、2匹のふたごの坊やを産んだおかあさん。
やがて成長した坊やたちは、穴に聞こえてくる音についておかあさんにたずねます。
「かーんかーん」は木こりが木を切る音。
「つっぴいつっぴい」はヒガラが歌う声。
では「ぽとんぽとんってなんのおと?」。
穴の中で春の訪れを待つ、熊の親子の交流を描いたやさしくあたたかな物語。
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『ぽとんぽとんは なんのおと』のおすすめポイント
冬に生まれた子ぐまの成長と共にその音も変化し、子ぐまの問いに対するお母さんのやさしい答えが印象的な一冊です。
静かな穴の中で肩を寄せ合いながら春を待ちわびる親子の姿に、心のやすらぎを感じることができますよ。
小さな子どもにも自然の変化を伝えられる、春を待つ時期にぴったりの絵本です。
『じっちょりんのあるくみち 』
出版社:文渓堂
発行日:2011/5/1
値段+税:1404円
『じっちょりんのあるくみち 』のあらすじ
団地のすみっこに住んでいる、ちいさないきもの「じっちょりん」。
じっちょりん家族は、今日も集めた花のたねを道端に植えに出かけます。
苦手なねこをよけたり、人間のおんなのこから隠れながらぐんぐん進むじっちょりん。
コンクリートや壁のすきまに咲く小さな花は、じっちょりんたちがせっせと植えたたねから育っていたのです。
『じっちょりんのあるくみち 』のおすすめポイント
ちいさなちいさないきもの「じっちょりん」たちの姿が愛らしいだけでなく、登場する草花にひとつひとつ名前が記されているのもポイントです。
雑草と呼ばれる道端のちいさな花にも、きちんと名前があり命があるのだということを感じさせてくれますよ。
ページいっぱいの風景はちいさないきものの視点で描かれており、作者の絵本に対する愛情がつまった一冊となっています。
『めざめのもりのいちだいじ』
出版社:福音館書店
発行日:2005/1/20
値段+税:1296円
『めざめのもりのいちだいじ』のあらすじ
まだ雪の残る早春の森の中、早くに目覚めたヤマネくん。
ヤマネくんは、雪どけでミツバチの巣が崖から落ちそうになっているのを見つけます。
力持ちのクマさんに助けてもらおう!と思い立ったものの、クマさんはまだ冬眠中。
ヤマネくんはクマさんをなんとか起こそうと、他の動物たちに声をかけるため走り回るのですが…。
『めざめのもりのいちだいじ』のおすすめポイント
ヤマネくんが他の動物たちも巻き込み、最後はみんなでクマさんを起こそう一生懸命になる姿がかわらしい絵柄で描かれています。
雪解けの水の冷たさやふきのとうなど、季節が移り変わる様子も丁寧に表現されています。
分かりやすい文章で物語が進んでいくので、読み聞かせにもおすすめの一冊です。
『はるねこ』
絵:松成真理子
出版社:講談社
発行日:2011/2/16
値段+税:1620円
『はるねこ』のあらすじ
それは去年の春先のこと。
そろそろ花が咲いて、ちょうちょうが飛んでもいい頃なのに、その年はまったく春の気配がありませんでした。
それは黄緑色のねこ「はるねこ」が、春の種を落としてしまったからだったのです。
はるねこに相談されたあやちゃんは、ある方法で春を呼ぶことを思いつきます。
みんなが笑顔になってしまう、その方法とは…?
『はるねこ』のおすすめポイント
はるねこは、春を呼ぶふしぎなねこと少女の交流を描いた物語です。
一冊ごとに絵描きの変わるシリーズの中でも、本作は松成真理子氏によるおおらかでのびのびとした春色の色使いが特徴となっています。
ライムイエローのあたたかな光に包まれたページをめくるたび、はるねことあやちゃんと共にいつの間にか笑顔になってしまいますよ。
子どもへの読み聞かせはもちろん、いつでもそばに置いておきたい、春のぬくもりを感じさせる絵本となっています。
![](https://ehon.space/wp-content/uploads/2021/02/41c9d466760472b7fc744a175f3b8204-e1620822919906.jpg)
春が出てくる絵本のまとめ
春の訪れは人の心をいつも明るくしてくれますよね。
わくわくドキドキ、そんな気持ちの高鳴りを、絵本と共に子どもと体験してみませんか?
特に、春の絵本は自然を表現しているものが多く、子どもの好奇心を刺激する内容となっています。
ぜひ大人も子どもも、春色の絵本でその世界を広げてみてくださいね。
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